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籠の鳥たるもの囀ることしかできぬ
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夜の帳。
窓の鉄格子。
空の青さを忘るるなかれ。
あぁ手慰みは愛しい方からの文のみぞ。
愛し恋しと泣くばかり。
ただただただただ泣くばかり。
口惜しや。
口惜しや。
妾には何も出来ぬのだから。
「ガブリエル様…。」
悟られてはならぬ。否、悟らせねばならぬ。
「ガブリエル、様…。」
勘づかれてはならぬ。否、勘づかれなければならぬ。
「妾は、わらわ、は…。」
常に微笑み冷静たれ。分かっておる。
「父上…、母上…。」
王家の乙女子なればこそ。妾は末の姫。
「姉上…。」
その身は国の為穢るることなかれ。そう。分かっておるのじゃ。
「姫。」
「何用じゃ。」
「ガブリエル様より文が。」
「入れ。」
「はっ!」
築き上げられたる絆は、楔か砂か。
「ガブリエル様…。」
「早急に返事が欲しいと言付かっております。」
「…兄上は何と。」
「姫の好きにせよ、とのことです。」
「あいわかった。諾と返せ。この間仕立てた着物も用意せよ。簪はガブリエル様からの贈り物を。沓は歩きやすいものが良い。」
「承知しました。」
「綾は。」
「現在暇を。」
「…そうか。下がれ。」
「失礼致します。」
白き文は、はたして何色に染まりたるか。
「綾…。生きて、生きておるのか。無事逃げのびられたのか。彼奴が一緒ならば、問題ないと思いたいが…。頼む、生きていてくれるだけでよいのじゃ。」
妾には何も出来ぬ。
いつから変わってしまったのか。
それすら分からぬ妾には。
「…兄上、何故。」
夜の帳。
窓には鉄格子。
空の青さを忘るるなかれ。
「…ガブリエル様。妾の未来の旦那様。」
「わらわを、助けてくれやれ…。」
窓の鉄格子。
空の青さを忘るるなかれ。
あぁ手慰みは愛しい方からの文のみぞ。
愛し恋しと泣くばかり。
ただただただただ泣くばかり。
口惜しや。
口惜しや。
妾には何も出来ぬのだから。
「ガブリエル様…。」
悟られてはならぬ。否、悟らせねばならぬ。
「ガブリエル、様…。」
勘づかれてはならぬ。否、勘づかれなければならぬ。
「妾は、わらわ、は…。」
常に微笑み冷静たれ。分かっておる。
「父上…、母上…。」
王家の乙女子なればこそ。妾は末の姫。
「姉上…。」
その身は国の為穢るることなかれ。そう。分かっておるのじゃ。
「姫。」
「何用じゃ。」
「ガブリエル様より文が。」
「入れ。」
「はっ!」
築き上げられたる絆は、楔か砂か。
「ガブリエル様…。」
「早急に返事が欲しいと言付かっております。」
「…兄上は何と。」
「姫の好きにせよ、とのことです。」
「あいわかった。諾と返せ。この間仕立てた着物も用意せよ。簪はガブリエル様からの贈り物を。沓は歩きやすいものが良い。」
「承知しました。」
「綾は。」
「現在暇を。」
「…そうか。下がれ。」
「失礼致します。」
白き文は、はたして何色に染まりたるか。
「綾…。生きて、生きておるのか。無事逃げのびられたのか。彼奴が一緒ならば、問題ないと思いたいが…。頼む、生きていてくれるだけでよいのじゃ。」
妾には何も出来ぬ。
いつから変わってしまったのか。
それすら分からぬ妾には。
「…兄上、何故。」
夜の帳。
窓には鉄格子。
空の青さを忘るるなかれ。
「…ガブリエル様。妾の未来の旦那様。」
「わらわを、助けてくれやれ…。」
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