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悪役令嬢たるもの窃盗すべし!?

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【作戦2  物を紛失させる】

あの後何度か口調や姿勢を指摘するも堪えた様子は見受けられませんでしたわ。流石ヒロイン。打たれ強い。
なので第二段階へ移行したいと思うのですが、あの、これ普通に犯罪ではなくて?いえこれ以外も誹謗中傷といった犯罪なのですけれど…。
こちらの娯楽小説でもよく見る手ではあるのでメジャーなのは確かなようです。侍女のミーシャも言っていましたし。
というかどうして悪役令嬢のわたくしとヒロインのリリー嬢が別のクラスなんですの!?リリー嬢が引き取られたばかりで知識も教養も勉強中だから?そうですわね納得ですわ!でもやりにくいんですのよ…。それに、奪ったものはどうすればいいのかしら。

…ええいままよ!女は度胸、ですわ!

「…あら?」

彼女の教室に入れば机に花。しかも献花だなんて、なんとも古典的ですこと。

「あ、ティアナ様。」
「貴女これ、大丈夫なの?」

わたくしが尋ねると彼女は少し困った顔をしました。やっぱり何も思ってないわけではないようですわね。

「えっと、ちょっと悲しいですけど、心配してくれる人がいるので大丈夫です。それにほら、お花も綺麗ですし!」

そう言いながら花を退かし、鞄から取り出したのはボロボロの教科書とノート。なるほど。似たような考えの方がいらっしゃるようね。でもこれはいただけないわ。あとお話の最中に別のことするのはよろしくなくてよ。授業の準備に取り掛かるんじゃありません!

「そう…。次同じことがあったら殿下に言いなさい。今日はわたくしのものを貸してさしあげます。」
「え?」
「この様子だと物が無くなることも多いのでしょう。だからといって新しく購入するのも馬鹿らしいわ。貴女が損するだけだもの。全く、こういうことは殿方は気付かないのよ。必ず言いなさいね。」
「あの、ティアナ様…!」
「ではごきげんよう。」

同じことしようとした身で何をと仰るかも知れませんが、私には荷が重かったようです。本人の前で盗むのもおかしいですし。

「ティアは優しいねぇ。なんでそんなにリリー令嬢のこと気にかけるの。」
「っ、ファウスト様いつの間に?別に気にかけてるつもりはありませんわ。」
「ふうん?僕を置いて先に行くぐらい気に入ってるみたいだけど。」
「別に約束してませんでしょう。私がいつ登校するかは私の自由ですわ。まだ始まったばかりですもの。どの時間が良いかはわたくしが決めます。」
「それならこれからは僕と一緒に登校しようね。決まり。」
「はい?」

最近のファウスト様はよく分かりませんわ…。






「あ、ファウスト様、1年次の教科書貸してくださいまし。」
「ティアも大概だよねぇ。」
「?」
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