死が二人を分かたない世界

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魔界編:第11章

《R-18》照れ隠し

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 ベッドに押し倒されて、顔を隠したくなった。ユキに対して欲情してる顔を見られたくなかったから。

 なのにユキはいつものように、僕が顔を隠すために塞いだ腕を、無理矢理引っぺがしてくる。

「なんで隠すんだ?」
「だって……!」
 目を開ければ、つい視線が胸にいってしまう。さっき僕がつけた赤い印と、感じないって言ってたけど、薄くて綺麗な乳首に……!
 さっき触れた場所、僕が舐めた唾液で少しツヤがでてて……ダメだ、また!

「俺は見たいけどな、真里が俺に欲情してる顔」
「――っ!!!」
 僕を見下ろす位置に満足しているのか、ユキは余裕そうな表情で、でもさっきまでの名残か顔は赤みを帯びていて……。

「今、ムラッとした?」
「……した」
 視線が合わないように思わず目を伏せると、チュッと音を鳴らしてキスされる。
「さっきは真里が興奮してて、俺もドキドキした」
 まだしてるけど……なんて言いながら、僕の手を自分の胸に当ててくる。

 本当にドクドクといつもより速い鼓動が手のひらから伝わって、ユキの体が熱くて、もっと触れたくなった。
 首元に向かって指を這わせたら、ユキの手が僕の腰の下に入ってするりと下へとおりてくる。

 お尻の割れ目をヌルヌルにした指で何度も行き来されて、ユキの指で中心部に触れられると、体がビクッと反応してしまう。
 そこを撫でられて、爪先でくすぐられて、開かれて……これは、焦らされてる!
「んっ、ユキ……」
「可愛い顔になってきたな、欲しくなってきた?」
 指先が入口を浅く出入りして、もっと奥まで欲しいと思ってしまう。

「焦らさないで」
「さっきは、俺にこうしたかったんだろ」
「んんんっ……!?」
 ユキの指が奥まで差し込まれて体が震えた。すぐに二本目の指が入ってきて、潤滑剤が水音を鳴らしはじめる。

「俺の中に、入れたいって思った?」
 耳元で囁かれて、背中と首筋がゾクゾクした。
「あっ、はっ……思っ……た」
 口に出して言えば恥ずかしてくて、頭から火が出そうだ!
「素直で可愛いな、ここもこんなに腫らして」
 後ろを攻められながら、前を握り込まれたらダメだ、一緒にされるの弱いのに……!

「ああっ!? ダメッ!」
「これで俺と繋がりたかったんだろう、こうやって俺の弱いところを探して」
 お腹側にある気持ちいいところをクリクリとされると、もう我慢できないッ……!
「まって! ダメ……ダメぇっ! ――ッッ!!!」
 腰が浮いて、目の前のユキにしがみついたままその手の中で果ててしまった。

「イッてしまったな、可愛い」
「うぅ、意地悪だ」
 ユキとまた繋がりたくて仕方ないのに、僕だけなんて……。

「まだイケるだろ?」
「ん゛うぅ!?」
 グッと一番奥まで指を入れられてかき混ぜられると、イッたばかりの体は過剰なほど感じてしまう。
「さっきまで俺の事抱きたいと思ってたの、忘れてしまったみたいだな、すっかり可愛くなって」
 ユキが嬉しそうに耳を舐めてきて、ユキに可愛がられてると思うと僕だって嬉しいけど……!
 でも、ずっとさっきの事でいじられ続けるのは恥ずかしい!!

「も……やだ」
「もうしたくない?」
 そんなわけないって分かってるくせに、意地悪ばっかりだ。
「違う、抱いてほしい……のに……」
 不安で足の間にいるユキをキュッと挟んだ、逃げられたくない、側にいたい。

「ユキはもうしたくない……? あんな事して幻滅した?」
 ユキが襲われそうになったすぐ後なのに、僕までユキに対して興奮してしまったから。
「……すまない、意地悪が過ぎたな」
 指を抜いて両腕で強く抱きしめられると、ユキの鼓動も暖かさも、より強く感じられるようになる。

「真里におねだりして欲しくて……その……ただの、照れ隠しだ」
 ベッドで顔を隠すユキの犬耳は、分かりやすく後ろにペタンと寝ていた。
 そんなユキの耳の付け根を撫でると、スリっと甘えるように頬擦りされて、それだけで僕はとろけてしまいそうなほど、愛しくなってしまう。

 僕がした事、嫌だったんじゃなくて、恥ずかしかったって事だよね。
 ユキの気持ちを考えれば、いつも下になってる僕からああいう事をされたわけだから、気まずいみたいな気持ちがあるんだろうか……?
 そう思うと、なんだかすごく可愛いような気がしてきた。僕がユキにこれからも抱かれたいって思ってる事、ちゃんと伝えて安心させてあげたい。

「今日は、ユキの好きにしていいよ」
 こういうセリフは恥ずかしいけど、小さな声で伝えてもユキは聞き取ってくれるからと、囁き声で伝えた。
 するとユキがガバッと体を持ち上げて、僕の顔をまじまじと見てくる。

 自分から誘うみたいな事、僕だって言うのは恥ずかしいのに……! なんて思ってたら、おもむろに口の中に指を突っ込まれた。
「んんっ!?」
「飲んで、真里」
 舌を撫でるように指が奥へと移動して、甘ったるい味が口内に広がる。
 指が邪魔をして飲み込みにくいながらも、ユキの手首を掴んで離さないようにしてから、こぼさないように全部飲み干した。

「かっ……は……!」
「はぁ……真里、その顔エロいな」
 指が抜かれて、ユキの指先から僕の口にかけて糸が伸びた。
 飲まされたものが何かなんて、すぐに分かった。気持ち良くなるお薬だ。

 口の中をユキの指で撫でられただけで、まだ薬の効果も現れてないのに、僕のはまた痛いくらいに腫れていた。
「ユキ……ッ、もう我慢できない」
 自分の呼吸が荒くなっていく自覚がある、ユキに触れられてたところが疼いて、切なくて、早く埋めて欲しいって気持ちが高まってくる。

 恥ずかしいなんて理性が弱くなってしまって、自分から足を開いて腰を揺らした。
「俺を欲しがって、真里」
「ほしい……! ユキが……欲しい! はやく!」
 繋がりたくて、ユキが欲しくてたまらなくて、涙が出てきた。
「あぁ、可愛いな……真里! いっぱいイかせてやるからな」
 ガバッと僕に覆いかぶさってきたユキは、まるで見えないしっぽをブンブンと振ってるみたいに見えた。

 僕が欲しがるだけでこんなに喜んでくれるなら、ユキの気がすむまで抱かれたいし、愛したい。
 ユキから興奮気味に擦り付けられて、充てがわれた。既に二回も受け入れていたそこは、簡単にユキを飲み込んでいく。
「あー……あーっ……! きたッ……!」
「――ッ、その声……クるな、欲しくてたまらなかったって感じだ、もっと聞かせて」
 グッグッと一番奥に押しつけられたら、ビリビリと頭のてっぺんまで気持ちいいのが走る。
「んふぁッ!? あっ……深い……!」
「奥が好きだろ? もっと乱れて、真里」
 手と指を絡ませて、両手を繋いでベッドに押し付けられて……ユキが僕の中を擦り始めると、腰が勝手に揺らいだ。

 ユキの熱くて硬くて、気持ちいい……! こんなのすぐイッちゃう……!
「ふぁぁっ……ゆきっ……あぁぅ、あ゛っ」
「口元緩んでて可愛い」
 ペロッとユキがだらしなくこぼした唾液を舐め取ってきて、恥ずかしいのと嬉しいので感度が増していく。

「ああぁぁっ、イッちゃう……もう! イッ……くううっ!!」
 まだ両手で数えられるほどしか突かれてないのに、体に押し込むように一番奥まで入れられて、頭の中が真っ白になった。
 こんなに早く……恥ずかしい! でも気持ち良過ぎて、我慢できなかった。

「射精せずにイッたのか? 真里、本当に可愛い」
 嬉しそうなユキに顔中にキスされて、嬉しいのと恥ずかしいのと、でもやっぱり嬉しいので口元が緩む。
「俺、やっぱり真里を愛したい……こうやって可愛がってる時が幸せだ」
「んっ……僕も、ユキとひとつになるの……好き」
「可愛い」
 可愛い可愛いって言われて、チュッと口にキスされると、なんだがむずかゆいような、恥ずかしような気持ちになる。

「いっぱいイかせていい?」
「ん……ユキも……気持ち良くなって」
「気持ちいいよ、すごく……真里に包まれてると愛されてるって感じる」
 首を舐められて、また中をかき混ぜられると、すぐにスイッチが入ってしまう。
 あぁ、この薬……本当にまずい……! 溺れちゃいそう……!

「あぁっ! もう気持ち、いいッ……ふあぁぁん!?」
「もう腰振ってる、フフッ……可愛いな」
 腰を掴まれて、激しく突かれたら意識が飛びそうなほどの強烈な快感に襲われた。
「あ゛ぁぁぁんっ!! ――ッッ! ひうぅ!!」
 ユキにしがみついて、頭を振って快感を逃がそうとしても、気持ち良さは高まっていくばかりで……!

「もっと乱れさせたい」
 ユキの欲情した目を見て期待と覚悟をした、これは簡単には離してくれないなって……。
 思わず口元が緩んでしまった、やっぱり僕はユキに追い詰められていくのが、どうしようもなく好きみたいだ。
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