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男子高校生は店長とデートしたい(2/4)
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「母ちゃーん! 服おかしくない!?」
店長との初デート当日、俺は服を決めかねていた。
「アンタまさか……デート!?」
「ま、まぁね!」
聞かれることは覚悟の上だ、いやむしろ言いたい、俺は今日人生初のデートだと!
「はぁ~……はじめがデートねぇ、同い年なの?」
「いやぁ、ちょっと年上でおしゃれな人だから、大人っぽくしたいんだけど」
本当はちょっとじゃなくて、かなり年上だ。
「変に背伸びしなくていいんじゃない? いつものままでいいのよ」
そんな感じで言いくるめられて、新しめのGパンとパーカーで家を出てきた。そもそも普段着は土日出勤の時に見せてるから、今更カッコつけても仕方なかった。
待ち合わせ場所には15分前に着いた、5分位ソワソワしながら待っていたら、私服の店長が俺の目の前に。店ではいつも黒の制服でカッコいいけど、私服は白のインナーにグレーのジャケットでこれもまたカッコいい!
「もう着いてたのか、早いね」
「楽しみすぎて……いや、今来たとこッスよ!」
「僕も楽しみだったよ」
フワッと笑う店長がすごく可愛い! 店長はカッコいいと可愛いのハイブリットだ、皆さんこの素敵な人が俺の恋人なんですと世界中に叫びたい。
お昼前に待ち合わせしたので、お昼を一緒に食べることにした。お店は俺が母ちゃんに聞いて、美味しい生パスタの店を決めておいた。
「ん! うまいなここのボロネーゼ」
「俺のクリームソースのも美味いッスよ! 小皿に入れますね!」
「僕のも取るよ、交換しよう」
「本当はあーんってしたいんスけどね」
それはさすがに恥ずかしいと言われてしまったけど、店長はこの店の味を気に入ってくれたようだ。これは店選び成功したんじゃないだろうか!?
「ウチもやるか、生パスタ」
「店長の作ったのも食いたいッスね!」
「……伸之」
「へ?」
「デートなんだろ? 名前で呼べ」
ののののの伸之さんっ!! 声に出せてない!
名前で呼ぶ権利を貰った! めちゃめちゃ嬉しいけど、呼ぶのはすごく緊張する。
「が、頑張りますっ……!」
俺はしっかりデザートまで堪能して、少しトイレに立った隙にお会計は済まされていた! こ、これがスマートな大人の対応!?
「スンマセン、奢ってもらって」
「気にしないで……はじめ君が社会人になったら、素敵なディナーにでも誘ってよ」
社会人になったら……店長は軽く言ったけど、俺にはその言葉が衝撃だった。今まで同性が好きな事ずっと悩んできたし、告白すらままならなかったのに……。こうやって恋人になってくれて、デートしてくれて、それだけでも幸せで舞い上がってる。こんな俺に未来の話をしてくれたのが、泣きたくなるほど嬉しかった。
「え、はじめ君どうした!?」
「っなんでもないッス!」
訂正、ちょっと泣いた。
「店長! カラオケ行きませんか!」
店長と二人きりになりたいと思って計画したけど、今は店長に全力でラブソングを捧げたい!
部屋に入ると、店長と二人きりなのをいいことにピッタリ隣に座った。
「ははは、くっつくねぇ」
「店長に触れたくて……ダメッスかね?」
「いいよ」
そうあの色っぽい視線で許可してくれる、その後伏し目がちに視線をスッと外されるのもキュンとくる! 店長の隣にべったりとくっついて、マイクを手に取った。
「俺先に歌っていいッスか! 店長次入れて下さいね!」
「あー……僕はあまり歌は得意じゃないから、はじめ君たくさん歌ってね」
……もしかして、俺 失敗した!?
せめて楽しんでもらおうと、全曲店長へのラブソングを熱唱した!
「スンマセン、俺ばっかり楽しんで」
「僕も楽しかったよ、はじめ君すごく歌上手いよね」
店長の笑顔が優しすぎる、自分が情けない、挽回したい!
「店長! 次、隣のゲーセン行きましょう!」
「ゲーセン……」
「俺、お菓子のクレーンゲーム得意なんスよ!」
意気揚々とゲーセンに入り、ガサガサとお菓子を乱獲して、すごいすごいと言われるのに得意げになっていた。
「店長、これ俺からのプレゼントです!」
そう言って両手にいっぱいのお菓子を渡そうと思ったら、店長がその中のお菓子を一つ開けて、中の小さい個包装を1つ手に取った。
「ありがとう、この歳で太るとなかなか痩せないから、これだけ貰うね」
「うっ……なんか、本当スンマセン」
「はじめ君今日謝ってばかりだね、楽しくない?」
少し困った表情で覗き込まれて、なんとも情けない気持ちだ。
「店長と一緒に居るだけで楽しいです……」
「ははは、可愛いなぁ本当!」
「でも店長は楽しめてないんじゃないかと思って」
「楽しんでるけど……そう思わせてるなら僕が悪いね」
ハッとした、店長は全然悪くない! むしろ店長に行きたいところも聞かず、自分の計画を押し通した俺が悪い!
「……お詫びに、ウチで晩ご飯食べるかい?」
「食べます!」
反省した気持ちを吹っ飛ばして即答した、食い気味に。
店長との初デート当日、俺は服を決めかねていた。
「アンタまさか……デート!?」
「ま、まぁね!」
聞かれることは覚悟の上だ、いやむしろ言いたい、俺は今日人生初のデートだと!
「はぁ~……はじめがデートねぇ、同い年なの?」
「いやぁ、ちょっと年上でおしゃれな人だから、大人っぽくしたいんだけど」
本当はちょっとじゃなくて、かなり年上だ。
「変に背伸びしなくていいんじゃない? いつものままでいいのよ」
そんな感じで言いくるめられて、新しめのGパンとパーカーで家を出てきた。そもそも普段着は土日出勤の時に見せてるから、今更カッコつけても仕方なかった。
待ち合わせ場所には15分前に着いた、5分位ソワソワしながら待っていたら、私服の店長が俺の目の前に。店ではいつも黒の制服でカッコいいけど、私服は白のインナーにグレーのジャケットでこれもまたカッコいい!
「もう着いてたのか、早いね」
「楽しみすぎて……いや、今来たとこッスよ!」
「僕も楽しみだったよ」
フワッと笑う店長がすごく可愛い! 店長はカッコいいと可愛いのハイブリットだ、皆さんこの素敵な人が俺の恋人なんですと世界中に叫びたい。
お昼前に待ち合わせしたので、お昼を一緒に食べることにした。お店は俺が母ちゃんに聞いて、美味しい生パスタの店を決めておいた。
「ん! うまいなここのボロネーゼ」
「俺のクリームソースのも美味いッスよ! 小皿に入れますね!」
「僕のも取るよ、交換しよう」
「本当はあーんってしたいんスけどね」
それはさすがに恥ずかしいと言われてしまったけど、店長はこの店の味を気に入ってくれたようだ。これは店選び成功したんじゃないだろうか!?
「ウチもやるか、生パスタ」
「店長の作ったのも食いたいッスね!」
「……伸之」
「へ?」
「デートなんだろ? 名前で呼べ」
ののののの伸之さんっ!! 声に出せてない!
名前で呼ぶ権利を貰った! めちゃめちゃ嬉しいけど、呼ぶのはすごく緊張する。
「が、頑張りますっ……!」
俺はしっかりデザートまで堪能して、少しトイレに立った隙にお会計は済まされていた! こ、これがスマートな大人の対応!?
「スンマセン、奢ってもらって」
「気にしないで……はじめ君が社会人になったら、素敵なディナーにでも誘ってよ」
社会人になったら……店長は軽く言ったけど、俺にはその言葉が衝撃だった。今まで同性が好きな事ずっと悩んできたし、告白すらままならなかったのに……。こうやって恋人になってくれて、デートしてくれて、それだけでも幸せで舞い上がってる。こんな俺に未来の話をしてくれたのが、泣きたくなるほど嬉しかった。
「え、はじめ君どうした!?」
「っなんでもないッス!」
訂正、ちょっと泣いた。
「店長! カラオケ行きませんか!」
店長と二人きりになりたいと思って計画したけど、今は店長に全力でラブソングを捧げたい!
部屋に入ると、店長と二人きりなのをいいことにピッタリ隣に座った。
「ははは、くっつくねぇ」
「店長に触れたくて……ダメッスかね?」
「いいよ」
そうあの色っぽい視線で許可してくれる、その後伏し目がちに視線をスッと外されるのもキュンとくる! 店長の隣にべったりとくっついて、マイクを手に取った。
「俺先に歌っていいッスか! 店長次入れて下さいね!」
「あー……僕はあまり歌は得意じゃないから、はじめ君たくさん歌ってね」
……もしかして、俺 失敗した!?
せめて楽しんでもらおうと、全曲店長へのラブソングを熱唱した!
「スンマセン、俺ばっかり楽しんで」
「僕も楽しかったよ、はじめ君すごく歌上手いよね」
店長の笑顔が優しすぎる、自分が情けない、挽回したい!
「店長! 次、隣のゲーセン行きましょう!」
「ゲーセン……」
「俺、お菓子のクレーンゲーム得意なんスよ!」
意気揚々とゲーセンに入り、ガサガサとお菓子を乱獲して、すごいすごいと言われるのに得意げになっていた。
「店長、これ俺からのプレゼントです!」
そう言って両手にいっぱいのお菓子を渡そうと思ったら、店長がその中のお菓子を一つ開けて、中の小さい個包装を1つ手に取った。
「ありがとう、この歳で太るとなかなか痩せないから、これだけ貰うね」
「うっ……なんか、本当スンマセン」
「はじめ君今日謝ってばかりだね、楽しくない?」
少し困った表情で覗き込まれて、なんとも情けない気持ちだ。
「店長と一緒に居るだけで楽しいです……」
「ははは、可愛いなぁ本当!」
「でも店長は楽しめてないんじゃないかと思って」
「楽しんでるけど……そう思わせてるなら僕が悪いね」
ハッとした、店長は全然悪くない! むしろ店長に行きたいところも聞かず、自分の計画を押し通した俺が悪い!
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