上 下
5 / 16

4

しおりを挟む
人が死にます
ちょっと流血表現あり

えろはありませんっっ。
___________






「あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!」

呻き声を上げながら、部屋のベットから
起き上がる
張り裂けるような頭の痛みは消えていて、
代わりに頭の中には色々な情報があった。


………………

俺は前世、工事現場で働いていた。
34歳、独身、名前は縁下治郎(えんのした じろう)、兄弟は上と下に男が1人ずつ。
あまり仲は良くなかった気がする。
親は数年前に病気で他界。
俺は一人暮らしだった。
頭が悪くて丈夫な体にしか取り柄がなかったから、低賃金の肉体労働をしていた。大変だったけどそこであった仲間たちのおかげでそれなりの人生は送れていた。特に歳が近くて働き始めたのも同じぐらいだった南雲 春樹(なぐも はるき)とはよく互いの家に泊まりあったり、一緒に飯を食ったりと学生みたいに仲が良かったと思う。

その日は、現地リーダーが不在で、代わりに指示を出しといて欲しいと連絡が来ていた。そこに書いてあった通りに仕事をこなしていた。何度かある事だったし特別なことでもなかったんだ。
でも機械が壊れかけていたのに、上が修理費をけちっていたのか鉄格子を釣り上げていたロープの付け根の部分ががブチブチブチといやな音を立て始めていてそのとき俺は部下達に指示をするため見渡しのいい所にいたからロープが切れていくのが見えてた。だから咄嗟にその真下にいた南雲の元へ声を出しながら走った。

「南雲っっ!!!危ないっ!!」

こんなに必死になったことは今までなかったんじゃないかってぐらい声をはりあげて走った。
でも南雲は上にも声にも気づかなくて、荷物を担いでいない方の手で手を振ってきたんだ。すごい笑顔で。

「くそっっ…南雲っーー!!!上だ!!上を見ろ!」

叫んだと同時に

ブチ……ブチブチブチッ

ロープが切れて、
あぁ、届かない……と思ったんだ。
そのとき誰かが背中を押してくれたような感覚がして

俺は南雲の体にぶつかった




そして上から落ちてきた鉄格子に下半身を潰された

南雲は落ちてきた鉄格子の隙間に足が挟まっていて、俺がぶつかっていなかったら、下半身どころか頭から潰されていたと思う。
足怪我してると思うけど……すっげぇ安心したんだよ。だから

「足……だい……じょう…ぶか?」

出てきた言葉はそんな言葉だった

積み重なった鉄格子の下から血が溢れてくる
痛みなんか感じなかった

南雲は顔を真っ青にしたあと目から涙が溢れてきて

「お、おい……嘘だろ?治郎?おい、これどうなってだ?おいっクソ!お前ら鉄格子退けるの手伝ってくれ!!おい!治郎死ぬな!大丈夫だから!」

唖然としていた周りの仲間たちは「縁下さんっ!?」「治郎っ!!おい!誰か救急車呼べ!」と咄嗟に動き出して、近くにいた者は鉄格子を退けようとし始めた

「お前ら…わか…だろ、こんなに血……でてんだ。南雲…声…かけたんだから、もっ……と早く気づけよ……はは」

早くこんな俺より南雲の足の鉄格子退けてやってくれ

「喋るな……助かる助かるからっ!!!くそっ足抜けろよっ」

んなわけないだろ……
下半身潰れてんだぞ笑
という方南雲お前
何笑顔に手降ってやがったんだよ
気づけよ……

「俺の分も……幸せに……なれよ…、か…ぞく
…だと…思ってたん…だ。あり……がとう…………」

この俺が助けてやったんだ。そんのぐらいしてくれよな…………

こんなことならもっと言いたいこと言っておけばよかった
大好きだってありがとうって、ハーゲンダッツ勝手に食ってごめんって、くだらないことから全部
あぁ、
血が出すぎてもう意識が保てない。
逆にこんだけ話せたことに感謝するべきか
最後に大切なやつを守れたんだ。悪くない人生だった。うん。

「っっ!!!俺たちふたりで幸せになるんだっ!家族とか何今更言ってんだよ!!!なんで俺なんか助けたんだよ!!!お前そういうやつじゃないだろ…………あぁっっああああ」

そこで意識が途絶えた。









俺の34年の人生ここで終わり。
今考えると親友助けるために命投げ出せるような人間だったんだなって思うよ。

南雲元気にしてるかな




_________

次郎はLike南雲だけど
南雲はLove治郎だと思ってます。

受けは苗字呼びだけど、攻めが名前呼びって良くないですか!?

……
エロまであと1話くらいです
すみません“〇| ̄|_

そして
話が明らかにおかしかったら
教えていただけると嬉しいです。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

ヤンデレBL作品集

みるきぃ
BL
主にヤンデレ攻めを中心としたBL作品集となっています。

ヤンデレだらけの短編集

BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。 全8話。1日1話更新(20時)。 □ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡 □ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生 □アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫 □ラベンダー:希死念慮不良とおバカ □デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。 かなり昔に書いたもので、最近の作品と書き方やテーマが違うと思いますが、楽しんでいただければ嬉しいです。

童話パロディ集ー童話の中でもめちゃくちゃにされるって本当ですか?ー

山田ハメ太郎
BL
童話パロディのBLです。 一話完結型。 基本的にあほえろなので気軽な気持ちでどうぞ。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

普通の男の子がヤンデレや変態に愛されるだけの短編集、はじめました。

山田ハメ太郎
BL
タイトル通りです。 お話ごとに章分けしており、ひとつの章が大体1万文字以下のショート詰め合わせです。 サクッと読めますので、お好きなお話からどうぞ。

言い逃げしたら5年後捕まった件について。

なるせ
BL
 「ずっと、好きだよ。」 …長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。 もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。 ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。  そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…  なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!? ーーーーー 美形×平凡っていいですよね、、、、

ヤンデレ化していた幼稚園ぶりの友人に食べられました

ミルク珈琲
BL
幼稚園の頃ずっと後ろを着いてきて、泣き虫だった男の子がいた。 「優ちゃんは絶対に僕のものにする♡」 ストーリーを分かりやすくするために少しだけ変更させて頂きましたm(_ _)m ・洸sideも投稿させて頂く予定です

処理中です...