少女は自重を知らない~私、普通ですよね?

チャチャ

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27 買いたい理由

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私は、カイルさんにもしもの話をした。


「カイルさんに聞きたい事があるんですけどいいですか?」


「聞きたい事ですか?もちろん構いませんよ。なんでしょうか?」


「どうして獣人の奴隷だけ買う事ができないのですか?」


「おや?ミサト様は、隷属の首輪を見るのは初めてだったのですね。理由は、簡単です。隷属の首輪を嵌められると、最初に隷属の首輪に魔力を流した者が解除しない限りは外せないのです。」


「それだったら、オー………トンソクさんに魔力を流して貰えばいいんじゃないですか?」


「私どもも、そう思っていたのですがトンソクの魔力ではなかったのです。」


「えっ?じゃあ、誰の?」


「トンソクもわからないみたいなんです。隷属の首輪を違法な手段で手に入れて使ったらしいので……。」


「そう、なんですね。所で、獣人の方と二人でお話ってできますか?」


「話ぐらいでしたら、いいですよ。今、連れてきますね!」

暫くしてからカイルさんと一緒にやってきた。


「ミサト様、私になんのご用でしょうか……?」


私は、どこから話をしたらいいか悩んだけどありのままを話した。


彼はかなり驚いていたけど、涙を流しながら私の話を聞いていた。


「この隷属の首輪さえなんとか出来れば、貴方を助けられるんだけど………。」


「いや、この隷属の首輪を外すことなど出来るわけがないよ。」


「そうだよね………。なんてできないよね。どうしようかな~。」

すると突然、ガシャンっという音がした。


「「えっ?」」

私と彼の声がハモった。

私と彼の足元には、彼の首に付いていた隷属の首輪が落ちていたのだった。


「首輪……外れたね…。」


「どうしてだ………?」


「首輪…外れたし、これで買えるかな……?」


「………新たな問題も増えたと思うがな……。」


彼と話をしていると、扉のノック音がした。
扉が開くと、カイルさんが入ってきた。


「そろそろ、よろしいですか?」

カイルが、入ってきたので私たちは話をやめてカイルさんに首輪が何故か外れた事を伝えた。


「……………」

カイルさんは、目を見開いたまま固まっていた。


「カイルさん?これで、彼買うことできますよね?」


「えっ!?はっ!はい。買えます………?」


随分と歯切れの悪い返事だなぁ。


「やったーーー!良かったですね!さん!!」


私が、獣人の彼(フウスケ)に話を振ると彼は苦笑いをしていた。


「……はははぁ。そうだな。良かったよ……。」

彼をお店で見たときは、尻尾のもふもふに引かれていたけど、鑑定をした時は驚いてしまった。オーク貴族を初めて見た時より驚いた。

だって、私の他にもまさかがいたなんて思っていなかったから嬉しかった。


彼を無事に買う事が出来、お店を出ようとしたら奥の方から叫び声が響いた。


「どうしてだーーー!あの獣がうれるんだーー!俺のオマケの癖にーーーー!」



「黙りなさい!!お前など売れる訳がないでしょ!!多少の売り上げに貢献してもらいます。貴方を犯罪奴隷商に売りしょう。」


「嫌だ嫌だーー!」




そんな言葉を聞きながら私たちは、店をでた。





※オーク貴族は、悪事を働いたが元貴族だった為、普通の奴隷落ちで留まった。
犯罪奴隷は、殺人などを犯してしまった罪人。犯罪奴隷商は、死ぬまでひたすらと働かされ休む事すら許されない。まさに地獄のような所だ。
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