少女は自重を知らない～私、普通ですよね？

26 旅にはハプニングがつきもの？

 私にやたらと絡んできていた没落貴族ならぬオーク貴族を撃退した日から数日たった。


私は、街を探索していた時に街の住人がある噂をしていた。


「なぁ、聞いたか？あの潰れかけてた貴族様が遂に潰れたんだとさ！」


「え？あのオークみたいた貴族だったやつか？やっと終わったかー！」


町中でオークの噂をしていた。

名前ってなんだっけ？まぁ、オーク貴族でいいよね？

「やっぱり、あの貴族は皆に嫌われていたんだね～。私には関係ないけど！」

そろそろ、次の街に行こうかなー。って思っていると、私の背後から声がした。


「あの、あなたがミサト様でしょうか？」


「………はぁい？」

突然、呼ばれたことにより変な声が出てしまった。
 
（この街に、知り合いなんていないはずなんだけど……？）


「ち、ちが…違いましたか？そうだと思ったのですが……。」

明らかに落ち込んでしまっている男性をみてしまった私は…


「そうですけど？私に何かようですか？」


私がミサトだと分かると物凄く喜んだ笑顔をした。


「私は、この街でフンセルという店で奴隷商で働いております。ダガンセスといいます。」


「奴隷商………ですか？奴隷商の方が私に何のようですか？」



「実は、トンソク・バーターと言う元貴族だった者がいるのですが、どうやらいろいろと悪事を働いていたらしく奴隷落ちしたのです。その者が、奴隷として売られるならミサトという女性に買って貰うと言っており、私どもとしても……」


要するに話しは簡単なことだった。

その、元貴族という人は私の事を知っていて私に買ってほしいと言っている。
 店側は、悪事を働いていたその元貴族を買ってくれる人は居ないだろうから売れ残りになると困るから買ってほしいというはなしらしい。


「あの私、その元貴族の方を知らないんですけど？聞いたこともないのに、一方的に買ってって言われても困りますよ！」


「誠に申し訳ございません。取り敢えず、お店に来て頂いて会頭とお話をしてください！お願いしますーーー！」


「…じゃあ、お店に行きます。」


街を出ようと思ったら、変な事に巻き込まれちゃったよ。






お店に着くと、奴隷商とは思えないぐらい綺麗なお店だった。
 
中に入ると、男性が爽やかな笑顔で近付いてきて話しかけてくる。


「ミサト様ですね。お待ちしておりました。私、このフンセル会頭のカイル・フンセルと申します。」


「えーっと。ミサトです……。よろしくお願いします…。」


「では、手続きなどのお話はこちらのお部屋で致しましょう！」


「えっ？いやいや！私、買うつもりで来たんじゃないです！知らない方だから見に来ただけですよ？」


「おや？そうだったのですか……。」

明らかに落ち込んだ様子だった。私は、そのまま奴隷になった元貴族の所に案内された。



「………………」


私の目の前には、もう見ることはないだろうはずのオーク貴族がいた。
間違えました。元オーク貴族だね。


「おおおぅーーー。やはり、来てくれたのだな！そなただったら買ってくれると思っていたゾーーー！」


オークが汚い顔で叫んでいる。
トンソク・バーターって名前だったんだ。
所で何でこのオークはあんな事を私にしておいて私が買ってくれると思ったんだろう？


「えっ？貴方どちら様ですか？」

私は、カイルさんにやはり知らない人だと伝えた。

そして、私がもう１つ疑問に思った事を伝えた。

その疑問とは、オークと一緒に来た獣人の奴隷の事だ。


「この、獣人の奴隷はトンソク・バーターと一緒に奴隷落ちした者です。トンソク・バーターの奴隷です。実は、この獣人を買いたいというお客様はいるのですが、おまけでトンソク・バーターも付くというと買って頂けなく売れ残ってしまうのです。」

オークがおまけで付くなんて絶対に嫌だよね。
 でも、私にはどうしてもこの獣人の奴隷を買いたいわけがあった。

それは………。