49 / 61
47 温泉たまごは、最強?
しおりを挟むテンプルが現れた理由も分かり、村に帰ってきた俺はあることを思い付いた。
テンプルのタマゴは、一個食べると一年寿命が延びるなんていわれている。
「テンプルのタマゴをあの温泉で温めて食べたらどうなるんだろう?」
実は、村には第二の温泉地が作られていた。
その温泉には、魔力と体力を増幅させる効能がある。
あの普通のタマゴでさえ、魔力回復の茹で玉子になったんだからな……。
あれは、ケルビンが新しく温泉を発見してから暫くたったある日の事だった。
俺は、ケルビンに頼まれて手伝いをしてた時、ステイが珍しく料理をしたから持ってきてくれた。
料理って言っても、ゆでタマゴだけどね。
そのゆでタマゴを取ろうとしたときに、手が滑って温泉に落としてしまった。
慌てて取ってから、殻を剥いて食べた時に不思議な事が起こった。
俺の魔力が増幅したのだった。
すごい効能だと思ったが、入るぶんには軽い回復だけだった。
----------------------------------------------------------------
「テンプル、タマゴを貰うよ?いいかな?」
俺は、コカトリスの小屋に行き、テンプルが産んだタマゴを貰いに行った。
「よし。始めるぞーー!」
そして、出来上がったこの温泉タマゴはヤバイ物へと進化を遂げた。
【テンプルの温泉タマゴ】
効能:食べると寿命が10年延びる。
特別効能:魔力病を治すことが出来る。
「魔力病……。マジかよ……。」
魔力病は、魔力が突然減少してその内魔力がなくなり、魔法やスキルなど使えなくなる病だ。
例え万能薬と言われているエリクサーですら完治する事は不可能な不治の病である。
特に冒険者に多く掛かり冒険者生命を完全に奪われる事になる。
「これ………どうしよう………。みんなに相談しよう………。」
俺は、村に戻りみんなにテンプルの温泉タマゴについて相談した。
その話について、真っ先に食いついてきたのはステイだった。
「ジーク!その話は本当なの!?今、それは何処にあるの!だして!」
「ちょっ!ちょっと、落ち着け!どうしたんだよ?」
ステイの様子がいつもと違うような気がする。
一体どうしたと言うんだ。
「………ごめんなさい。ジーク…お願いがあるの…。その……テンプルの温泉タマゴを私に譲ってほしい…。これを売ればすごい額で売れるに違いないけど……私に譲ってほしいの!」
「理由を聞いてもいいか?」
「ジークは、ファントスの事は知ってるわよね…?実は、兄は魔力病なの。体は全然元気なんだけど、旅が出来なくなってから部屋に引きこもりになってるの。」
「えっ?ファントスが……魔力病だなんて……。」
「だから………お願い!」
「バカ野郎ーーーー!!ファントスは俺の大切な友達でもあるんだ!!何でもっと早く教えてくれなかったんだ!!いいから、早くこれを持ってファントスに食べさせろ!!」
「ジーク…あり……がと…う。」
ステイは、大粒の涙を流しながらテンプルの温泉タマゴを抱えて国に帰っていった。
0
お気に入りに追加
4,314
あなたにおすすめの小説
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
拝啓、お父様お母様 勇者パーティをクビになりました。
ちくわ feat. 亜鳳
ファンタジー
弱い、使えないと勇者パーティをクビになった
16歳の少年【カン】
しかし彼は転生者であり、勇者パーティに配属される前は【無冠の帝王】とまで謳われた最強の武・剣道者だ
これで魔導まで極めているのだが
王国より勇者の尊厳とレベルが上がるまではその実力を隠せと言われ
渋々それに付き合っていた…
だが、勘違いした勇者にパーティを追い出されてしまう
この物語はそんな最強の少年【カン】が「もう知るか!王命何かくそ食らえ!!」と実力解放して好き勝手に過ごすだけのストーリーである
※タイトルは思い付かなかったので適当です
※5話【ギルド長との対談】を持って前書きを廃止致しました
以降はあとがきに変更になります
※現在執筆に集中させて頂くべく
必要最低限の感想しか返信できません、ご理解のほどよろしくお願いいたします
※現在書き溜め中、もうしばらくお待ちください
神様との賭けに勝ったので異世界で無双したいと思います。
猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。
突然足元に魔法陣が現れる。
そして、気付けば神様が異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。
もっとスキルが欲しいと欲をかいた悠斗は神様に賭けをしないかと提案した。
神様とゲームをすることになった悠斗はその結果―――
※チートな主人公が異世界無双する話です。小説家になろう、ノベルバの方にも投稿しています。
「元」面倒くさがりの異世界無双
空里
ファンタジー
死んでもっと努力すればと後悔していた俺は妖精みたいなやつに転生させられた。話しているうちに名前を忘れてしまったことに気付き、その妖精みたいなやつに名付けられた。
「カイ=マールス」と。
よく分からないまま取りあえず強くなれとのことで訓練を始めるのだった。
成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?
後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。
目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。
日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。
そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。
さて、新しい人生はどんな人生になるのかな?
※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします!
◇◇◇◇◇◇◇◇
お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。
執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。
◇◇◇◇◇◇◇◇
9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます!
9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!
クラス転移で神様に?
空見 大
ファンタジー
集団転移に巻き込まれ、クラスごと異世界へと転移することになった主人公晴人はこれといって特徴のない平均的な学生であった。
異世界の神から能力獲得について詳しく教えられる中で、晴人は自らの能力欄獲得可能欄に他人とは違う機能があることに気が付く。
そこに隠されていた能力は龍神から始まり魔神、邪神、妖精神、鍛冶神、盗神の六つの神の称号といくつかの特殊な能力。
異世界での安泰を確かなものとして受け入れ転移を待つ晴人であったが、神の能力を手に入れたことが原因なのか転移魔法の不発によりあろうことか異世界へと転生してしまうこととなる。
龍人の母親と英雄の父、これ以上ない程に恵まれた環境で新たな生を得た晴人は新たな名前をエルピスとしてこの世界を生きていくのだった。
現在設定調整中につき最新話更新遅れます2022/09/11~2022/09/17まで予定
勇者から逃亡した魔王は、北海道の片田舎から人生をやり直す
栗金団(くりきんとん)
ファンタジー
「ふははは!さぁ勇者よ、開戦だ!」
魔族と人間が対立して1000年。
災厄と呼ばれる魔王がいる魔王城に、世界平和を取り戻すため、勇者一向が訪れる。
城に攻め入り四大幹部を打ち倒した勇者は、ついに魔族の頂点に君臨する「転移の魔王」とあいまみえる。
魔族を倒すことに特化した聖魔法の奥義魔法を使い、勇者は魔王を追い詰める。
千年間生きていて最大の危機に、魔王は前代未聞の「逃走」を選択する。
そして、異世界で最強種族の頂点にいた魔王は現代日本に転移する。
命からがら転移するも大気圏から落下して重症の魔王は、怪我をした動物と間違われて少年に拾われる。
この物語は、魔族としては初めて勇者から逃亡した魔王のその後の物語。
そして、新しい世界で初めて魔族と出会ったとある少年の話だ。
身体強化って、何気にチートじゃないですか!?
ルーグイウル
ファンタジー
病弱で寝たきりの少年「立原隆人」はある日他界する。そんな彼の意志に残ったのは『もっと強い体が欲しい』。
そんな彼の意志と強靭な魂は世界の壁を越え異世界へとたどり着く。でも目覚めたのは真っ暗なダンジョンの奥地で…?
これは異世界で新たな肉体を得た立原隆人-リュートがパワーレベリングして得たぶっ飛んだレベルとチートっぽいスキルをひっさげアヴァロンを王道ルートまっしぐら、テンプレート通りに謳歌する物語。
初投稿作品です。つたない文章だと思いますが温かい目で見ていただけたらと思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる