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47 温泉たまごは、最強?

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 テンプルが現れた理由も分かり、村に帰ってきた俺はあることを思い付いた。

テンプルのタマゴは、一個食べると一年寿命が延びるなんていわれている。

「テンプルのタマゴをあの温泉で温めて食べたらどうなるんだろう?」








 実は、村には第二の温泉地が作られていた。

その温泉には、魔力と体力を増幅させる効能がある。


あの普通のタマゴでさえ、魔力回復の茹で玉子になったんだからな……。

 あれは、ケルビンが新しく温泉を発見してから暫くたったある日の事だった。

俺は、ケルビンに頼まれて手伝いをしてた時、ステイが珍しく料理をしたから持ってきてくれた。
 料理って言っても、ゆでタマゴだけどね。

そのゆでタマゴを取ろうとしたときに、手が滑って温泉に落としてしまった。

 慌てて取ってから、殻を剥いて食べた時に不思議な事が起こった。

俺の魔力が増幅したのだった。

すごい効能だと思ったが、入るぶんには軽い回復だけだった。


----------------------------------------------------------------

「テンプル、タマゴを貰うよ?いいかな?」

俺は、コカトリスの小屋に行き、テンプルが産んだタマゴを貰いに行った。


「よし。始めるぞーー!」


そして、出来上がったこの温泉タマゴはヤバイ物へと進化を遂げた。


【テンプルの温泉タマゴ】

効能:食べると寿命が10年延びる。

特別効能:魔力病を治すことが出来る。



「魔力病……。マジかよ……。」


  魔力病は、魔力が突然減少してその内魔力がなくなり、魔法やスキルなど使えなくなる病だ。
 例え万能薬と言われているエリクサーですら完治する事は不可能な不治の病である。
 特に冒険者に多く掛かり冒険者生命を完全に奪われる事になる。


「これ………どうしよう………。みんなに相談しよう………。」









俺は、村に戻りみんなにテンプルの温泉タマゴについて相談した。

その話について、真っ先に食いついてきたのはステイだった。

「ジーク!その話は本当なの!?今、それは何処にあるの!だして!」


「ちょっ!ちょっと、落ち着け!どうしたんだよ?」


ステイの様子がいつもと違うような気がする。
 一体どうしたと言うんだ。


「………ごめんなさい。ジーク…お願いがあるの…。その……テンプルの温泉タマゴを私に譲ってほしい…。これを売ればすごい額で売れるに違いないけど……私に譲ってほしいの!」


「理由を聞いてもいいか?」


「ジークは、ファントスの事は知ってるわよね…?実は、兄は魔力病なの。体は全然元気なんだけど、旅が出来なくなってから部屋に引きこもりになってるの。」


「えっ?ファントスが……魔力病だなんて……。」


「だから………お願い!」


「バカ野郎ーーーー!!ファントスは俺の大切な友達でもあるんだ!!何でもっと早く教えてくれなかったんだ!!いいから、早くこれを持ってファントスに食べさせろ!!」


「ジーク…あり……がと…う。」

 ステイは、大粒の涙を流しながらテンプルの温泉タマゴを抱えて国に帰っていった。      
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