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45 みんな、それぞれ秘密ありです。

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 俺が、スポック達に怖がられている原因を知ったのは、スポック達が来て既に半年が過ぎていた。

ある朝の日だった。

「うぅーー!今日もいい天気だな~!いつもより、早く起きちゃったなぁ~。」

俺が、朝早く起きてしまい皆はまだ寝てる時間だった。
 皆が寝てると思っていた。
畑へ向かって進んでいると、ベル達が何かをしていた。

〈みなさーん!早くしないとジークさんが起きてきてしまいますよー!早く終わらせましょう!〉

〈〈〈〈〈はーーい!〉〉〉〉〉

「ベル達は何をしてるんだ?」

じーっと見つめながら作業を観察していると、五人の妖精が何かを畑の土へと埋めた。

で最後ですか?〉

〈〈あと、一匹います!〉〉 


〈わかりました!急ぎましょう!〉


〈ベル様~!大変ですー!〉


〈そんな大声を出したら皆が起きてきてしまうでしょう!!それで、どうしたの?〉 


〈それが………最後の一匹が……サナギになってしまいました……。〉


〈何ですって!!どうしましょ……。〉


 俺は、何となくわかった。カイーコの幼虫は、ベル達がこの村に連れ込んだんだろうと。
 俺は、その場から離れた。


俺は、スポックのいる湖へと向かっていた。
 湖に着くとそこには沢山のキュウリと果物をスポックファミリーに餌付けしているステイがいた。


「あの、キュウリと果物は保存食用としているやつだよな。あいつ勝手に餌付け用にしてるな……。」


暫く、ステイを監視しているとドワーフ兄弟がやってきた。

「おーい!これを持ってきたぞ!スポック達も喜ぶといいんだがな~。」


うん?あれは、俺がドワーフ達に頼まれて海まで行って捕ってきた珊瑚だな。


「この珊瑚に魔道具をつけて、湖でも育つようにしてやったわい!!湖の中は殺風景だからな!」


珊瑚は、その為の物だったのか。


「って事は、あいつら前から湖にスポックがいた事知っていたんじゃないのか?珊瑚以外にもいろいろと意味のわからないお願いをされたことあったし。」


俺は、コカトリス達の餌をあげに向かった。
 コカトリス達は、いつもの用に俺にお辞儀をしてから餌を食べ始めた。
 テンプルは、コカトリスに混じってる餌を食べていた。

「このテンプルは、どうやって来たんだろう?」

 ボソッと言うと、一匹のコカトリスがビクッとした。


「うん?どうかしたのか?」

 ブンブン!ブンブン!ブンブン!
コカトリスの首がもげるんじゃないかっていうぐらいに横に振っていた。

「まぁ、テンプルと仲良くしてるみたいだしいいけどね!よーし!みんな、タマゴをもらうぞ!いつも、ありがとうな!」
   












俺は、いつも通りに畑へ向かう。

「いつも、ご苦労様!!」


〈ジ、ジ、ジークさん…。おはようございます。〉


「ベル?元気ないみたいだけど、大丈夫か?」


〈元気ハツラツでしゅよ!〉

何か、最後噛んだな。


「それならいいけど。そういえば、カイーコの」

〈ジ、ジ、ジークさん!カイーコの幼虫なんですが、サナギになりました!〉


うん。知ってる。だけど、俺が知ってるのは秘密。
 だって、明らかにサナギになったのは、だと思わせたいみたいだから。


「……へえ~そうなのか!サナギは何処に居るんだ?」


〈休憩所の屋根の下にいます。一週間もするとカイーコになります。〉


「そうなのか!カイーコになったら、絹がとれるんだよな?どうしようかな?」

〈でしたら、私達に任せてください!〉


 「じゃあ、よろしくな!」


俺は、一人でハイエルフの村に向かったのだった。
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