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39 街に来た理由
しおりを挟む俺は、ギルマスの部屋にいた。
何故、わざわざ街まで来たのかという理由だ。
もちろんギルマスに依頼されたってこともあるが一番の理由だ。
「俺が、ここに来た理由だけど、依頼されたからとかじゃないからな?」
俺が、いうとギルマスが首を傾けた。
「どういう事だ?新人の育成に協力してくれるんじゃないのか?」
「いや、違う。新人育成は断る。俺、引退したから嫌だよ。せっかく自由に生活出来てるのに巻き込まないでくれよ。」
「………お前、随分かわったな…。昔はもっと率先してやってくれたのに。」
「あの頃は、俺にしか出来ない依頼が多かったからさ!」
ギルマスは、昔と今の俺が違うようなことを言っているが、あの頃は何も考えず心を無にしていた。
自由になりたいとか考えている暇がなかったんだ。
「俺が来た理由は、温泉だ。」
そう、村にはお風呂がなく川で洗うぐらいしかできないのだ。
俺は、どうにかして村に温泉がつくれないか考えていた。
そこで、どうやって温泉を見つけるのかを職人に聞きに来たのだった。
職人街
ここには、沢山の職人が住んでいた。
その一角に温泉職人がいる。
「どなたか、いらっしゃいませんかー?」
「なんじゃい?なんの用じゃ!」
驚いた事に、職人はリザードマンだった。
リザードマンの中でも珍しいリザードレットというリザードマンの亜種だ。
「聞きたいことがあるんだ!温泉をどうやって探してるのか教えてくれないか?」
「なんじゃと…?お前さんは、わしらの仕事を奪うつもりか?」
職人からしたら仕事を奪われてしまったら死活問題だ。
「いや、ち、違うんだ。掘って欲しい場所が危ない所にあるから自分で出来るようならやろうと思って……。やってくれるならそれにこしたことはないけど。」
「なんじゃい、危ない危ないと言いおって。まるで、死の森に温泉を作るような事を言いおって!」
「………ダメかな?」
「!?…………本気か?」
(やっぱり、そんな反応だよな。住めばけっこう快適なんだけどなぁ~。)
俺は、ちょっと苦笑いをしながら返答を待つ。
「…面白い………やってやる。」
うん?リザードマンレットがブツブツしゃべる。
「ごめん。聞き取れなかった。もう一度言ってくれ?」
「がーはっはっは!やってやると言ったんだー!」
「本当に!?よろしく頼むな!そう言えば、紹介がまだだったな!俺は、ジークだ!」
「わしゃ、ケルビンじゃ!」
「ケルビンよろしく頼むな!!」
これで、村に温泉が出来る!皆には、お世話になりっぱなしだからお礼を兼ねて温泉を村に作ろうと前から考えていた。
だが、なかなか街に行く機会もないし皆を驚かせたかったから内緒で街に向かいたかった。
丁度、ギルマスからの依頼が来たから便乗して街に来ることが出来た。
皆は、俺がギルマスからの依頼を受けに行ったと思っている。
「ふふふ。温泉。温泉。村に温泉だー!」
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