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37 失敗の真実

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  アントスが街に帰っていった。

 村では、アントスから言われた内容を皆に伝えた。

 ステイが俺の顔をジーッと見つめながら答える。

「ジークって普通の戦い方の指導って出来るの?」

ステイは、冗談のつもりで言っているのだろう。

「俺だって戦い方ぐらい教えられるよ!」


「例えば?どんな戦い方?ファンティングベアの戦い方は?」


「そりゃあ、身体強化をして額に思いっきりデコピンをして倒す!簡単倒せるし、素材も綺麗に確保できて一石二鳥だろ?」


「……………」

  ステイは、呆れたような顔とダメだコイツみたいな顔をしていた。

「ステイ?聞いてるか?」


「聞いてるわよ……ジークには普通の戦い方が出来ないのがわかったわ。普通は、デコピンで倒せないもの…ハァー。」



  どうやら、俺には指導者としては不向きだということがわかったらしい。

そんなこと、俺にだってわかっている。
 なんたって、何度か失敗しているのだから。

 以前に指導者として新人に教えた時、俺が普通だと思っていた戦い方が普通じゃないという事を知った。
  新人は、怪我したり死にかけたりしたのを思い出す。













その頃、アントスはギルドに着いていた。


「聞きたい事がある!最近の新人の依頼の失敗の原因は何だ!?」


「えっ?あっはい!ちょっとお待ちください。」


受付嬢が調べに行った。


「お待たせしました。えーっと、失敗の原因ですよね?依頼を受けた全員が目的の討伐対象が発見できなかったそうです。」


「やっぱりか………。その討伐依頼の失敗があるのは、だろ?」


「えっ?よくわかりましたね!そうなんですよ!ギルド内では、新人がちゃん仕事をしていないとみなしてペナルティーを与える事も考えています。だって、森の中にちゃんと入っていれば絶対に見つかるじゃないですか!?」


絶対に見つかるか……。俺は、新人に同情してしまった。

「失敗の原因は、新人じゃない。原因は、森の魔物が事だ。」


「えっ?どういうことですか?ギルドマスターに説明をお願いします!」


「わかった。」



すぐに、ギルマスの部屋へと案内された。

「アントスどういう事だ?森の魔物が減っているというのは?」


「実は、ジークが原因だよ。」


ギルマスの顔が硬直する。


「詳しく説明をしろ!」


「ジークは、死の森に住んでいて森の魔物とかを狩ったりしているから街の近くまで魔物が来ないんだよ。奥にいけばいるが、新人には無理だよ。」


「………ということは、新人は悪くないじゃないか!ジークは、森に住んでるのか?」


「そういう事だな。ジークだけじゃないが……村を作って住んでいる…。」


「もう頭が痛い………。」

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