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26 とある大商会

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  とある商会が衝撃をうけた。

商会の名は、サントス商会。

ワンスの街の大商会であり、唯一王宮と取引をしていた。

だが、そんなサントス商会会頭のサムスはどうにかして、入手場所を調べて取引先にしたいと思っていた。

「何なのだ!この素晴らしい食材は!今まで見たことも食べたこともないぞ!こんな素晴らしい食材を作る農家が何故、私と取引をしないであんな小娘の所にするんだ!」

  サムスは、この食材が王宮に知られてしまうのをなんとか阻止したいと考えていた。

 サムスの配下の男が

「サムス様、小娘を商会で働けるようにすれば宜しいかと……。」

「お前も良い事を言うな!」

「はっ!有り難き幸せ」

「俺の商会に勧誘して喜ばない商人などいるわけがない!」

  サムスは、有力な商人を見つけては勧誘をして取引先を増やして大きくしてきたのだった。

 「今すぐに、小娘の所に使いをやれ。絶対にが入るまでは失礼がないようにするんだ!」

「わかりました!」












「えっ?今なんと言った!?聞き間違いだよな?」


「……いいえ…。あの小娘は、笑顔で断ってきました。」


「商会の名前をちゃんと言ったのか?」


「商会の名前とサムス様から直々の勧誘だぞ?と言いましたが断られました。」


「小娘はバカなのか?」


「えーっと……。頭がいいようにはみえませんでした。」


「だろうなぁ……。」


「あと、他の商会も狙ってるようです。噂では、商会ギルドのギルドマスターも狙ってると聞きました。」


「あのギルドマスターが狙ってるだと!ろくに仕事をしないあの形だけのマスターが!何かあるかもしれないな……。」
         

「………」


「暫く、小娘を監視して取引先まで尾行しろ!小娘が話さないのなら、尾行して取引先の場所まで連れて行ってもらうしかないな。」


「わかりました!必ず成功させてみせます!」











「何故だ!!尾行してわかったのは、大量に種を買っているだけというのは!」


「申し訳ございません…。それが、種を買ったら家に帰り、次の日には品物を売に行くんですよね…。取引先に行く気配が全くないんですよ……。」


「もしかしたら………家に秘密があるのかもしれん。」


「どういうことですか?」


「お前は、娘が家から出てから尾行しているだろ?家には取引先の何者かがいて、娘がいなくなってから後から家を出ているとしたら、謎は解ける。」


「さすが会頭です!よっ!大商会のドン!」


「そんなに褒めても何もないぞ~。明日は、娘の尾行はいいから家から出てきた者を尾行するように!」


「わかりました!」














その日の夜、アントスがでサニアの家に遊びに来ていた。

次の日、アントスはサニアがでた後に依頼を受けに出掛けた。


「サムス様が言ってた通り出てきたぞ!さすがだ!よし!尾行するぞー!」


そして、アントスを尾行したことによりこの男は死にかけるのだった。


「サムス様ー!助けてー!ひぇー!ヒュドラ!何でー!?あいつ冒険者じゃん!」

  アントスに助けられ、アントスに惚れてしまったのだった……。











「で?取引先は?情報は?」

「………長い間お世話になりました。」

「えっ?辞めなくてもよくないか?」


「俺、冒険者になります!」


「待ってくれ!お前がいなくなると困るんだよー!」
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