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23.旅に出よう

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ある日、俺は突然思い付いた事を決行する。


ギルドに行き、依頼が貼ってある場所に目を通す。

「あったあった!」


俺が剥がした依頼は、【商人の護衛】だった。

受付に行き、【商人の護衛】の紙を渡す。


「これをお願いします。」


「ハルトさんが護衛なんて珍しいですね?はい!受理いたしました。」


「そろそろ、拠点を変えようかと思いまして!」


「えっ!この街から居なくなっちゃうんですか!?」


「冒険者ってそういうものじゃないんですか?」


「普通は、そうですけど。ここ、王都ですし依頼の量は他と比べるとあきらかに多いので離れる人は少ないんですよ?」


「へぇー、国王はクズなのにな。」

最後らへんは小声でボソッと言った。 


「ハルトさんも、ここに残ってもらうと助かります!」

︵ハルトさんを狙ってたのに、ここで居なくなっちゃうなんて嫌よ!︶


「ごめんなさい。いろいろな街を見てみたいんです。いつか、戻って来ます!」

︵その頃には、まともな国になっているといいなぁ。︶


そして、俺は依頼人との顔合わせをするため、商人がいる宿に向かった。


「この宿か……。ずいぶん高そうな宿だな。」

今回、フェンリースには買い出しをお願いしたから顔合わせには俺と俺の頭の上ですやすやと寝ているギンですることになった。


「貴方が、依頼を受けてくれた方ですか?私は、サモンといいます。」


「俺は、ハルト。頭の上で寝てるのはギン、あと一人仲間でフェンリースっていうのがいます。今、買い出しをしてもらってます。」


「急な依頼でしたからなかなか、依頼を受けてもらえなくて困っていたんですよ♪いや~助かりました!あははは。」


「……」

︵この人、本当に商人なのか?なんか、怪しいな。︶


「所で、その狼の子供みたいなのは……普通の狼と違うような気がするのですが…。」

︵あの狼が手に入ったら間違いなく貴族に高く売れるな……。︶


「ギンの事ですか?まぁ、普通ではないかな~。フェンリルですからね。」


「フェンリル!!」

︵俺の時代が来たーーー!何がなんでも手にいれてやるぞー!︶


「それで、護衛の話なんですが」

︵こいつ、信用しない方がいいな。ギンを狙ってる顔だ︶


俺たちは、打ち合わせをしてその日は解散した。
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