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21.王様が土下座しました

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 俺とフェンリース、トガーさんとそのパーティーが謁見の間に入ると、如何にも異世界あるあるみたいな感じだった。

俺達は、中央まで歩き片膝を付きお辞儀をした。

この人がこの国トップのガルム・ローレンス・キメロスタ国王か…。

随分とふくよかデブだ。

「お前達か、珍しい食べ物を手にしたと言うのは?」

国王から言われた言葉は、食べ物についてだった。

「えっーと……はい。お…私が作った料理です。その…匂いが近くにいたリューカス様に興味を持って頂いたしだいです……。」

真っ先に飯の事を聞くなんてやっぱり、『色気より食い気』『花より団子』が似合う系の人か。
 俺が日本で生きていた時にもいたよなぁ…。


「それを是非、献上しなさい。悪いようにはしないから!」


「……………」


俺は、周りを見てどうしたらいいか目で合図をした。

として俺と目を合わせる者が居なかった。

いつも、俺を立ててくれるフェンリースですらずっと下を向いたままだった。

フェンリースは、仕方がないのかもしれない。
 フェンリースを見ると、小刻みに震えていている。もしかしたら、怖いのかもしれない。


「はぁー。献上するとどうなるのでしょうか?」


「王族に認められたというブランドが付く!そして、王族や貴族に食する事を許されるようになるのだ!お主には、新たな食べ物を発見した者として褒賞しよう。」


うん?今、王族や貴族だけって言われたような気がするぞ?
それって、ダメダメな奴じゃんか!


「屑だな…。」


「えっ?何か言ったか?」

 国王には、聞こえなかったみたいだった。


「そんなもんいらないと言ったんだ!俺は、帰らせてもらう。フェンリース行くぞ。」


「ご主人様の仰せのままに!」


俺とフェンリースが謁見の広間を出ようとすると、兵士に止められてしまった。

「「ここから出すわけにはいかない!!」」


「ハルト!国王様に刃向かうなんてどうかしてるぞ!!」

トガーさん達も呆れたような顔をしていたが、一応俺に注意をした。


国のトップがこんなんじゃこの国はこれ以上の発展はないな。


「国王様に献上するような食べ物はございません。あれは、俺が作った料理ですから。国王様の口に合わないでしょう。何せ庶民の味ですからね。」


「うぬぬぬヴ…………すまなかったーーーーー!どうか、その庶民の味という料理を食べさせてくれ!!」


「「「えっ?」」」


国のトップである国王様が土下座をした。

この国大丈夫か………?


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