神に同情された転生者物語

17.かなり強かった……。

 俺達は、依頼を受けにサムスの森に来ていた。
依頼の内容は、オークの討伐だ。
 オークは、Cランクの依頼だったが一つ上の依頼は受けてもいいらしい。

 フェンリースがいるからもっと簡単な依頼を受けようと思ったがフェンリースが大丈夫だというので受けてみた。

 討伐依頼は三匹だったが、目の前に居るのは沢山のオークだった。

「………なんじゃこりゃー！」

これって、集落になってるんじゃないかな。
フェンリースに聞いてみた。

「ご主人様。間違いなく、オークの集落になっているようですね。どうしますか？殺りますか？」


「………フェンリースって戦えるの？」


「ご主人様、剣を貸して頂けませんか？」


「フェンリース用にミスリルの剣を買ってあるから使ってくれ！はい。これね！」


「………ご主人様……奴隷の私なんかにミスリルの剣だなんて……つ、つ、使えません！」

尻尾がブンブンしている。

どうやら、フェンリースは喜んでるようだ。いや、違うな。かなり喜んでるようだ。


「えーー！残念だなぁ～。折角、買ったのに無駄になっちゃうなぁーー。」

チラッ。フェンリースを見ると、尻尾がブンブン左右に激しく振った後、ピタッと止まった。


「ご主人様の好意を無駄にする事は出来ませんので、有り難く使わせて頂きます！」

フェンリースがミスリルの剣を持つと、素早く集落に突っ込んでいく。

「えっ？」

あっという間の出来事で俺は、その場に突っ立っていた。


数分後

「ご主人様、オークの集落を潰しました。オークを全て討伐しました。」


「……フェンリースって強すぎない？」


「滅相もございません。オークの死骸はどういたしますか？」


「全部、持って帰るよ！どれぐらい居たの？」


「五十匹ほどでしょうか。」


「結構、居たんだね………。じゃあ、全部しまうか～。」


「ご主人様は、五十匹のオークを運べるんですか？」


「見ていれば分かるよ！」

俺は、次々とオークを収納していった。
それを見ていたフェンリースが目をキラキラしていた。


「ご主人様はスゴいです！！あんなに沢山あったのに簡単にしまえるなんて！素晴らしいです！」


「俺からしたら、フェンリースの方がすごいんだけど……。」


こうして、俺達はギルドに依頼完了と集落が出来ていた事を報告した。

もちろん、集落を潰した事も報告した。

「えっ？オークの集落を二人だけで潰したのですか？そんな、ウソの報告はダメですよ？集落の場合は、ランクがAランクに上がります。二人だけで潰すなんて、ありえませんよ！」

どうやら、集落になるとランクが上がるらしい。しかも、Aランクってすごいな。

だって、さっきから二人だけって言ってるけど、実際はフェンリースだけで潰してるのだから。