『たった6文字のHOPE ~神谷探偵事務所はぐれ事件簿~』

水由岐水礼

文字の大きさ
30 / 36
FILE・#9 THE CHARIOT

30

しおりを挟む

      1

「まさか、あなたも……なんですか?」
 自分でも驚くほどに、冷たい響きを持った声だった。
 簾髪の下から、涼介は真っすぐに多恵子を見つめる。
「…………」
 多恵子は答えない。無言で、震える唇を噛み締めている。
「松井さん」
 静かに1歩、涼介は踏み出した。
 対し、多恵子は後退さる。
 2歩、3歩……涼介が進むのに合わせ、多恵子は同じ歩数だけ退いた。
 状況が飲み込めないらしく、涼介の後ろで唖然としていた美咲も、戸惑った様子で涼介の後から続いた。
 ……8、9、10。
 たん……。ちょうど10歩目で、涼介の足は止まった。
 対峙場所は既に、外から神谷探偵事務所内に移っている。
 美咲が遠慮気味にドアを閉めた。
「松井さん、もう分かっているんですよ。『まさか、あなたも……』の後には、〈念動力〉や〈サイコキネシス〉なんて言葉が続くんでしょう?」
「なっ……」
 涼介の言葉に、多恵子が目を見開く。
「えっ……」
 涼介の後ろで、美咲が息を飲んだ。
 必死に押えようとしているみたいだけれど、その動揺は上手く隠しきれていない。
 多恵子の瞳には、明らかに脅えの色が浮かんでいた。
「あなたは、こう言いたいんでしょう?」
 涼介はひと呼吸置くと、言った。
「『まさか、あなたもサイコキネシスが使えるの?』」
 ……違いますか、松井さん?
 やはり、多恵子は口を開かない。
 全身を小刻みに震わせながら、「負けるもんですか!」とでも言わんばかりに、涼介から視線を逸らさない。
 なんだか、自分がいじめっ子にでもなったような気分だった。脅える多恵子を見ていると、自分がとても非道いことをしているように思えてくる。
 できるならば、早く終わらせたかった。
 けれど……勝気な多恵子のことだ。彼女は徹底的に抵抗してくることだろう。
「因みに、答えはNOです。残念ながら……オレには、あなたみたいな能力はありません」
 その言葉にホッとしたのか、
「天野くん」
 そこで、やっと多恵子が言葉を発した。
「いったい何をいってるの? 念動力とかサイコキネシスだなんて、君……ちょっとおかしいんじゃないの? サイコキネシスって、超能力のことでしょう。君は、そんなイカサマを信じているの? しかも、あたしにその能力があるだなんて……馬鹿馬鹿しい」
 まあ、当たり前といえば当たり前か。多恵子は予想通りの反応を示した。
 涼介は小さくため息を吐いた。
 どうやら、いじめっ子のお役目はまだまだ解いてはもらえそうにない。
「まさか本気じゃないわよね?」
「いいえ、本気ですよ」
 間髪を入れず、涼介は返す。
「フッ……なによそれ。川崎さんから君は優秀だって聞いていたけど、どうやら全然違ったみたいね」
 多恵子は、呆れたように首を横に振った。
「選りにも選ってサイコキネシスだなんて、いまどき小学生でも信じないわよ、そんなもの」
「そうですか? でも、オレは信じてますよ」
 涼介は何の躊躇もなく言い切る。
 その自信たっぷりな態度に、多恵子が少し怯んだ様子を見せる。
「それに信じるも信じないも、いま目の前であなたが見せてくれたじゃないですか」
 言うと、涼介は後ろを振り返り、美咲にダーツを拾ってくれるように頼んだ。
 美咲が床に落ちたダーツの1本を拾い、涼介に渡す。
「サンキュー」
 涼介はダーツを受け取ると、
「さて、松井さん……」
 ゆったりとした口調で、多恵子の呼び掛けた。
「このダーツ、さっき変な動きを見せましたね。いや、動きというよりも停止ですか。あれは一体……どういうことでしょうね?」
「そんなこと、あたしに分かるわけないでしょう! それとも君は、あたしがサイコキネシスとやらでそのダーツを操った、とでも言いたいわけ?」
「そうです。それ以外に何があるって言うんですか?」
「ふざけないで! いい加減にしなさいよ、天野くん! ダーツはあたしに向かって飛んできたのよ。どうして、あたしが自分をダーツの的なんかにしなきゃいけないのよ!」
 多恵子は激昂した。
「でも結局、当たらなかったでしょう」
 対照的に、涼介はさらりと受け流した。
「もちろん、最初にダーツが松井さんを襲ったのは、オレが仕掛けたことです。でも、その後のダーツの空中停止はあなたがやったことです。あなたはとっさに……」
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」
 涼介の言葉を遮り、多恵子が叫ぶ。
「ダ、ダーツに、あたしを襲わせたって……天野くん! 君はいったい何を考えているよ! もし、ダーツがあたしに命中していたら……」
 蒼い顔で言う多恵子に、
「大丈夫ですよ」
 と、涼介は何の緊張感もなく返す。
「そりゃあ、当たれば少しは痛いかもしれませんけど、野球の硬球をぶつけられるのよりは全然痛くないはずですよ」
「…………」
「だって、このダーツ……偽物ですから」
 言いながら、涼介は手に持ったダーツの矢先をポキッ……と、いとも簡単に手折ってしまった。
「ほらね」
「なっ…………」
 絶句する多恵子に、涼介はさらに手品めいたものを披露する。
 折れた3センチほどの矢先から、銀色が無くなっていく。
 たちまちの内に、矢先は銀色の外皮を脱ぎ捨ててしまった。
 おそらく初めて見たであろうダーツの脱皮に、多恵子は惚けた顔になる。
 銀色の正体は、特殊な光沢感を持った銀紙だった。
 そして、矢先の正体は……。
「これ、叔父さんの大好物なんですよね」
「…………ポッキー?」
 幸い、それは床に落ちたショックで折れたりはしていなかった。
 ……先端の少し削られたポッキー。それが、ダーツの矢先の正体だった。
 ポキッ!
 涼介はポッキーをかじる。
「…………」
 黙って見つめる多恵子の前で、彼はダーツの矢先を食べてしまった。
「よく出来てるでしょう、これ? 叔父さんがね、こういうの得意なんですよ」
 涼介の手の中には、ダーツの尻、もち手の部分が残っている。
 ダーツの尻は、ポッキーのチョコがついていない方から黒いゴムを螺旋状に巻きつけ、模造品の羽根を取り付けただけのものだった。
 銀紙とゴムと模造品の羽根、そしてポッキーが1本。たったそれだけの材料で作られたとは思えないほどに、それは見事な出来映えの作品だった。
 実は以前、この〈ポッキーダーツ〉には、涼介もまんまと騙されていたりする。
「どうですか、少しも危なくなんかないでしょう? このダーツで人を傷つけることなんて出来ませんよ」
 涼介はダーツの尻を近くの机に置いた。
「まあ、驚きや一瞬の恐怖なんていう、軽い精神的ダメージくらいなら、与えられるかもしれませんけどね」
 付け足しのひと言に、多恵子の眉がピクリと吊り上がる。
「フン……それで、君は何が言いたいの? そのふざけたダーツが空中停止したからって、それで何かを証明したつもり? 悪いけど、そんなの何の証明にもなっていないわよ。
 こんな子供騙し……。どんなトリックを使ったかは知らないけど、なかなか面白い手品だったわ。だけど、これ以上、こんな馬鹿馬鹿しいお遊戯には付き合ってられないわ!」
 多恵子はドアに向けて歩き出した。
「残念ながら。トリックなんて上等なものはありませんよ。松井さん、あなたが落下させた図書館の本と同じです」
 涼介の横を通り過ぎかけた、多恵子の足が止まる。
「あの時、現場に残っていたっていうテグス、実はあれは使われていないんでしょう? あの事件にトリックなんてなかった……あれは、あなたが念動力を使って行ったものです。テグスは、然も何か仕掛けが施されていたかように見せ掛けるため、どさくさ紛れにあなたが落としておいた。
 そうですよね、松井さん?」
「天野くん。君はどうしても、あたしにサイコキネシス……念動の能力があることを認めさせたいわけね?」
「ええ、それが事実ですから」
 言うと、涼介は美咲の方を振り向いた。
「美咲、いま雪乃さんはどこにいる?」
「えっ……ああ、うん……」
 いきなり話を振られ、美咲はまごついた。
「正面。雪乃ちゃんなら、涼ちゃんの真正面、叔父さんのデスクの前にいるよ」
 答える美咲を、多恵子が不審げに見る。
「怖い顔で、多恵子さんのことを睨んでる」
 その言葉に、多恵子は後ろを振り返った。
 が、しかし、そこには人の姿などない。慎也のデスク前は、どう見ても無人だった。
「なに言ってるの? ゆきのって誰? 他にも誰かいるの?」
 訊いた多恵子を無視し、涼介は答えとは全然別のことを言った。
「松井さん、あなたをまだ帰すわけにはいきません」
「な、なによそれ!」
 涼介の無視はさらに続く。
「雪乃さん、松井さんに席を用意してもらえますか?」
 涼介の指示通り、所長席の手前にある雪乃用のデスクから椅子が引かれ、涼介たちの方へ向けられた。
「ど、どどど……どうなってるのよ、これ!」
 くるくるとキャスターを回転させて、椅子が独りでに多恵子の方に近づいてくる。
 椅子が、涼介の4、5歩前あたりで動きを止めた。
「ありがとう、雪乃さん」
 見えない幽霊に礼をいい、「さあ、どうぞ」と涼介は多恵子に椅子を勧めた。
「さて……紹介が遅れましたが、雪乃さんっていうのは、この事務所の正所員で幽霊の女の子です。ケーキ作りがとっても得意な娘なんですよ」
「…………」
「あなたを襲ったダーツは彼女の仕業です。いわゆる怪奇現象、あれですよ、ポルターガイストってやつです」
「…………」
 多恵子は沈黙している。引き攣った表情で固まっている。
「あれ、もしかして……松井さんって、幽霊とかが駄目な……」
「ち、違うわよ! 勝手に決めつけないで!」
 わずかに震えを含んだ声で、多恵子は思いっきり否定した。
「あたしはただ呆れ果てて……声が出せなかっただけよ。まったく……今度は幽霊にポルターガイストですって! 天野くん、ホントに君、いい加減にしなさいよ。おまけに、美咲さんまで一緒になって……」
「何か、おかしいですか?」
「当たり前でしょう! 幽霊なんて、馬鹿馬鹿しいったらありゃしない。どこの世界に、幽霊の所員がいる探偵事務所なんてあるっていうのよ!」
「だから、ここにあるって言ってるじゃないですか。それに、サイコキネシスが使える人がいるんです。幽霊や、幽霊の見えるくらい霊感が強い人間がいたところで、何の不思議もないと思いますけど?」
「まだそんなこと……」
 多恵子は呟き、最高に不快げに顔を歪めた。
「多恵子さん、あなただって知ってるでしょう? この城山ビルが、少し前までなんて呼ばれていたか?」
「…………あっ。幽霊、ビル」
 多恵子の顔色がさっと蒼くなる。
「つまり……あの噂は本当だったってこと?」
「まあ、そういうことですね」
「でも、あれは悪質な地上げ屋の仕業だったんじゃ……」
「ああ、確かにそんな噂も流れているらしいですね」
 神谷探偵事務所がこのフロアのテナントになって以来、ポルターガイスト現象はピタリと止んだ。そのため、幽霊ビルの噂は次第に鳴りを潜めていった。
 入れ替わるように登場したのが、〈悪質な地上げ屋の仕業説〉の噂だった。
 噂の内容は、ごく単純なものだ。
 城山ビルでのポルターガイスト現象は、怪奇現象なんかじゃなかった。あれは完全に人為的なもの、狂言だったと。つまり、城山ビルを手に入れたがっていた地上げ屋がいて、城山氏に嫌がらせをしていたのだと。当時入れ替わり立ち替わりしていたテナントは、その地上げ屋が送り込んだものだった……という風に。そういう噂が流れているのである。
「だけど、地上げ屋がこのビル一つだけを手に入れて、何になるっていうんです。それに今時、地上げなんてもう流行りませんよ。地上げ屋や土地ブローカーがどうとかいうよりも、幽霊ビルの噂を信じた方が素直ってもんですよ。この事務所がいま平和なのは、ここの先住人だった雪乃さんにちゃんと許可を得ているから……と、ただ単にそれだけのことです」
「で、その許可を得る時、霊感の強い美咲さんが、雪乃とかいう幽霊との交渉役を務めたっていうわけ?」
「正しくは通訳です。交渉の方は、叔父さん自身がやりましたから」
 涼介の回答に、多恵子が笑い声を上げる。
 高らかな嘲笑だった。けれど、いま一つ強さが足りない。高らかではあるが、笑い声はやや引き攣っていた。
「それを信じろっていうの? あははっ、法螺話もそこまで来れば大したもんね。でも、ふざけるのも大概にしなさいよ。誰がそんな与太話、信じるもんですか!」
「そうですか? その割には、オレにはあなたが怖がっているように見えますけど?」
「な……なに言ってるのよ! そんなこと、ある訳ないでしょう!」
 しかし、多恵子が強がっているのは明らかだった。オカルトが苦手とは……意外な弱点があったものだ。
「だったら、座ったらどうですか? それとも……幽霊が用意した椅子になんて、気味が悪くて座れないですか? 自分に念動力があるだけに、やっぱり幽霊も信じてしまいますか?」
「──っ!!」
 多恵子は、キッとまなじりを吊り上げた。
「天野くん」
 怒りの眼差しが涼介を睨みつける。
「念動力がある……それを、君は意地でもあたしに認めさせたいわけね?」
「いいえ、意地なんかじゃありません。さっきも言ったように……」
 ――それは事実です。
 涼介は強い口調で言い切った。
「そうでしょう、松井さん? いいえ、嫌がらせ犯Xさん」
 多恵子をはっきりと「嫌がらせ犯」呼ばわりしたことで、事務所内の緊迫感が一気に増した。
 ぶつかり合う多恵子の怒気と、涼介の悲しみと苛立ち。
「松井さん。水島さんへの嫌がらせは全て、あなたの仕業ですね?」
 ……無言。ひたすらに無言。
 ただ鋭い眼差しで、多恵子は涼介のことを射続けている。
 簾髪の下から、涼介も負けずに多恵子を見つめ続けた。
 双方ともに沈黙し、静寂が場を支配する。
 やがて……。
「どうやら、このままだと本当に帰してはもらえないみたいね」
 多恵子が大きくため息を吐いた。
 身体の向きを変え、雪乃の用意した椅子の方へ歩み寄る。
 どかっ!と、半ば自棄くそ気味に椅子に腰を下ろすと、
「わかったわ……聴いてあげる。もう少しだけ、このお遊戯に付き合ってあげるわ」
 脚を組み、多恵子は挑発的に言った。
「さあ、迷探偵さん。君がどんな滑稽な推理を組み立てたのか、じっくりと聴かせてもらいましょうか」
 敵意丸出しの二つの瞳が、挑みかかるように涼介を見た。
「まあ、時間の無駄だとは思うけどね」
 多恵子の言葉に、心の中が諦めの気持ちでいっぱいになる。
 やはり、彼女は徹底抗戦を挑んでくるようだ。
 涼介は静かに嘆息し、瞼を閉じた。
「……わかりました」
 そして。ゆっくりと、自分のGジャンのポケットへ手を差し入れた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ママはヤンママ女子高生! ラン&ジュリー!!

オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》
キャラ文芸
神崎ランの父親の再婚相手は幼馴染みで女子高生の高原ジュリーだった。 ジュリーは金髪美少女だが、地元では『ワイルドビーナス』の異名を取る有名なヤンキーだった。 学校ではジュリーは、ランを使いっ走りにしていた。 当然のようにアゴで使われたが、ジュリーは十八歳になったら結婚する事を告白した。 同級生のジュリーが結婚するなんて信じられない。 ランは密かにジュリーの事を憧れていたので、失恋した気分だ。 そう言えば、昨夜、ランの父親も再婚すると言っていた。 まさかとは思ったが、ランはジュリーに結婚相手を聞くと、ランの父親だと判明した。  その夜、改めて父親とジュリーのふたりは結婚すると報告された。 こうしてジュリーとの同居が決まった。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

処理中です...