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「……イチゴ、喉が渇かないかい?」

「あ、それならさっき歩いたところにジュースの屋台が……」

 あった、と言いかけた時にぐいっと腕を引かれた。
 

「イチゴのミルクが飲みたい」


「……っ!」


 その言葉が熱い吐息とと共に耳奥に送り込まれ、腰に来る低い声のせいで俺は動けなくなってしまった。

「ね? だめかい?」

 ぐっと腰を掴まれて隆起した下半身を押し当ててくる。
 スミスさんのがすっごい大きくなってのがわかった。

「や、けど……こんなとこじゃ……」

「近くに宿があるから」

 デカいものを押し当てられて、俺もちょっとその気になりかけたけど、2人でせっかく屋台街に来たのにまだガレット焼きも食べてないし、他の屋台もみたい。

「でもさ、せっかく来たんだし」

「イチゴが」

 スミスさんは、むぎゅうううっと、俺をそのむっちりとした胸筋の中に閉じ込めた。

「イチゴが気になってたピアスの色が、私の色みたいだとか嬉しいことを言うから、もう我慢できない」

「いや、でも」

「もう喉がからからなんだ。飲ませて」

「とりあえずさ、ジュース飲みに行こうよ、ね?」

 俺は何とか説得しようと試みるが、スミスさん中々しぶとい。

「やだ。イチゴのミルクがいい」

 ワガママか。
 これじゃどっちが子どもなんだかわかんないじゃん。

「そんなに?」

「許されるならそこの狭い路地裏にひっぱっていってイチゴの服をひん剥いて飲みたいくらい」

「それはヤメテクダサイ」

 ほんとやめて。
 そんなことしたら公序良俗違反で捕まるよ?
 騎士団長様なのに。

「お願い」

 うるうると瞳を潤ませて懇願してきた。

 (うっ、かわいい)

 ずきゅん、と胸に矢が刺さるくらいかわいい。

 普通、こんなどでかいムキムキの騎士様がそんなことしてきたらみんな引くかもだけど、スミスさんに限ってはむちゃくちゃ可愛く見える。
 ギャップ萌えってやつだ。
 惚れたせいで俺の目にフィルターかかってるのもあるかもしれない。

 それにこうなるとスミスさんは俺を宿に連れ込むまで引かないだろう。

「はぁ、もぉ……わかったよ」

「やった!」

 るんるんとした足取りで近くの宿に行こうと俺の手を引くスミスさん。

 全くしょうのない人だ。

 今から宿に行って、スミスさんが満足したらまた屋台にくればいいか。



 ◇

 宿の部屋に入ると、すぐにスミスさんが体を密着させて甘いキスをしてくる。

 俺もそれに応えていると、角度を変えながら深いキスに変わっていった。

「ベッド、いこ」

 スミスさんとのキスは気持ちよくて好きだ。けどドアの前でことが始まってしまいそうな雰囲気に、俺はスミスさんをベッドに誘った。

 スミスさんは俺を軽々と片手で抱き抱えてベッドへ連れて行ってくれた。

 優しくベッドへ俺の体を乗せてくれて、俺のズボンに手をかける。

 下着ごと取りさられると、俺の期待し始めたちんぽが現れた。
 スミスさんがそれに顔を寄せてきた。

「イチゴの匂いが濃い」

「や、そんなとこ、匂い嗅がないで……」

「えっちな甘い匂い、興奮する」

 亀頭にちゅ、ちゅ、ちゅ、とキスをされると、先端から透明な液体が漏れて来た。

「んっ、んッ……ふ……ッ」

 全体をスミスさんの大きな手に揉まれながら、大きく足を開かれて窄まりの入口を指でつつかれる。

 俺はびくびくと体を震わせた。

 スミスさんが自分の指を口に含みぬめらせると、ゆっくりと俺の中に指を埋め込む。

「ぁあぁあ……」

「毎日してるから、柔らかくなってきたね、ここ」

 最初から簡単にスミスさんの指が入るようになってしまった。
 俺の体はどんどんスミスさんを受け入れて作り変えられていく。

 スミスさんが俺のちんぽをぬめった舌先で舐めると、早くフェラしてほしくて腰が浮く。

「スミスさん……」

 期待を含ませてそう名前を呼ぶと、スミスさんは俺のちんぽの先をちゅぷりと口に入れる。

 上下されながら口で扱き上げられて、中に入れられた指も出し入れされると、俺はすぐにいきそうになる。

「んぁあ、あ、んんぅ……ッ、も、すぐイっちゃ、……ンッ」

「イって、飲ませて」

 強く吸い上げられると今まで体が教えられた通りに、簡単に迫り上がってくる絶頂。

「ぁ、ん、――ひぁんんッ……!」

 

 すぐにイかされて、俺のをスミスさんが美味しそうに喉を動かして飲み込んだ。

 奥まで埋め込んでいた指が抜かれる。
 
「ミルク、すっごい甘くて美味しい。飲ませてくれてありがとう」

 指についた俺の愛液も一緒にちゅぷちゅぷと音を立てながら舐めてくる。

「……っ」

 いつもスミスさんはそう言ってくるんだけど、俺はすっごい恥ずかしい。
 
 牛獣人のスミスさんの精液を摂取すると、体からミルクが出るようになる。
 毎日のようにスミスさんに中出しされて、口からもいっぱい飲んでるから、俺の体からはミルクがいつでも出るようになっていた。
 
 本当に、スミスさんに体を作り変えられているんだ。番いのスミスさんに。

「ん……ッ」

 出したのに、まだ俺の体は熱がこもったように熱くて、ちんぽもミルクがたまってる感じでじんじんする。

 一旦高まった俺の体は一回出したくらいじゃもう満足してくれなくなっちゃって、うずうずして切ない。

「ね、スミスさん……」

「ん? なに?」

 期待を込めた目で見つめてみるも、知らないフリをされる。

「おねがい……、スミスさん……っ」

「なにをお願い?」

 わからないなぁなんてとぼけた顔で首を傾げ、にこやかに笑っているだけだ。

 (やっぱ言わなきゃだめぇ?)

「……うぅっ、……俺のミルク、もっとのんでほしぃ……ッ」

 こんなこというの恥ずかしいけど、最近はちゃんと言わないとスミスさんは素知らぬフリをして飲んでくれなくなってきた。

 えっちで卑猥な言葉とかめっちゃ言わされる。

 てかスミスさんの方がミルク飲みたがってたはずなのに、最終的にいつも飲んで欲しいって俺が言わされるんだよ。

 そゆとこずるい。

 頭がバカみたいにとろけてる時に焦らされるとすぐに何でも言ってしまうし。
 後から我にかえった時に悶絶する。

「おねだりじょーずだね。かわいい。いいよ、いっぱい飲んであげる」

 褒められてキュンキュンくる。
 こうやって褒めてくれるから、どんどんえっちなことを言うことに抵抗なくなってくる。

 ほんっとにずるい。

「ほら足広げて持ち上げて。イチゴのえっちなところ全部見せてよ」

「ん……」

 素直に足を自分で持ち上げて興奮して昂った秘部をスミスさんに晒した。

「こんなに期待して震えて……かわいい。お尻の穴もひくひくしてるの丸見え」

「ぁ、くぅ、ん……ッ」

 優しくちんぽを撫でられて、更なる刺激を期待してぴくぴくと震える。ミルクが先っぽからじわっと滲み出てきた。

 羞恥に体が熱くなって身を捩るけど、もっと触って欲しくって足を持ち上げている手はそのままだ。
 少し動いたことで、後孔の奥からとろりと愛液が漏れてくる感覚があった。

「ふふ、えっちな液がお尻から出てきちゃってるよ?」

 スミスさんの舌が窄まりをツンツンとつつく。

「やぁ、そこは……!」

 そんなところ舐めないで。
 それはさすがにダメだろ。

 俺は手でお尻の入口を隠してスミスさんの侵入を阻む。

「手をどけて?」

 ちゅ、と指先にキスされて、優しい声色で懇願されるといつも拒めないのは何でだろう。ゆっくりと手の力を緩めてしまう。
 スミスさんのぬめった舌が指の隙間から窄まりを刺激する。
 
「力抜いて、じゃないと入らないよ」

「や……っ、そんなとこ、舌いれちゃダ……ぁあああっ!」

 俺の手を掴んで避け、スミスさんの舌がちゅくちゅくと緩んだ窄まりに埋まっていく。
 指とは違うぬるぬるとした柔らかい感触が奥に入ってきて蠢く。
 奥で舌先が内壁を確かめるように動いていく。

「ひぁ、ァア、――んぁぁあッ!」
 
 舌をいれたまま指も入ってきた。

 指で優しく中を甘やかすようにピストンされるとどうしようもなく腹の奥が熱くなる。

「あ、イく……イくぅううっ」

 体が痙攣して目の前がチカチカと光り出した。もうすぐといくところでスミスさんの動きが止まり、絶頂を目の前にした俺の体は中途半端な高さで投げ出された。

「あぁッ? ッ、やだぁっ、なんでぇ」

「ミルク出すのは私の口の中でだよ。忘れたの?」

「うぅ……っ!」

 忘れてないけどそんなの無理だ。
 だってすごい気持ちいいんだもん。
 我慢できるわけない。

 

 
 
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