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 お米。そう。それは日本人の大好物であり、全世界に広まりつつあるもの。

 和食の代表選手といってもいいだろう。

 その米を作っているのは誰?

 答えは米農家だ。

 その米農家のおっさんが異世界に行ったら?

 

 楽しいお話の始まり始まり




「今日も稲を刈り取るか!」

 米農家の朝は早い。早朝3時の起床である。

「メシメシ、って!作りおきが!」

「あら、昨日、全部食べちゃったわよ?」

 朝食なくして、米栽培なし!そんな自論を持つこのおっさん。

 齢38。山田 次郎やまだ じろう 妻(36)と子(14)を持つ一家の大黒柱。職業米農家。趣味釣り。


「じゃあ、コンビニで買ってくるか」

「いってらしゃーい」


         おっさんダッシュ中


「あぁ、いい風!気持ちいいなー」 
 
 もちろん、そこまで速くない。しかし、初秋の風は、火照る体を冷まさせる。



     テンテレレレレー♪ 

「いらしゃいませー」

 気怠そうな店員。早朝出勤で、眠たそうにしているが、おっさんは無視して、サンドイッチを人数分買う。


「毎度ありー」

     テンテレレン



         再びダッシュ


「ん?んんー?」

 来た時にはなかった、摩訶不思議な文様がそこにはあった。

「なんだこれ?息子が、ダークネスホーリーなんたらとか言って、こんなようなやつに向かって喋ってたな。いや、あれよりも、もっと細かいな」

 それは、いわゆる魔法陣というやつだ。いかにもラノベ式展開と言えるだろう。

「いたずら書き?消しとくか」

 しかし、このおっさん、致命的なまでラノベを知らないのである。



      ペカァァァァァァァァ!!

「ぬ、ぬわぁぁぁぁぁぁっぁ!!」

 いきなりの強烈な光に驚くおっさん。








「こんにちは、山田さん」

「ふぇ?ここどこ?あの幾何学的な図形は!?」

「あ、あのー」

 そこは、とても生活感あふれる部屋だった。さらに、ベットには、道行く人が10人中10人とも、美しいといいそうな女性が優雅に座っていた。

「あ、はい。こんにちは。私は山田次郎ですが、ここどこですか?」

「ふー。えーとーここは、ちぇんい…かんじゃった…うぅ」

「あー、ゆっくりでいいので、どうぞ」

「とりあえず、わ、私はめが…おほん。ル・クルミスです。あなたの転移担当のーー…えーと。だ、台本見ていいですか?」

「はい」

 勘のいい読者は気づいていると思いますが、女神です。新米の。そして、ちょっと忘れっぽい女神。神界で基本的にパシリとして使われています。

「ありがたや。P36…私はル・クルミスです。あなたの異世界転移担当を務めさせていただく、女神です」

「ん?ちょいまち」

「え?そこは普通、キタァァァァァァァ!!とか、チートくれぇぇぇぇぇ!!とか言うのではないのですか?マニュアル間違っているのですか?」

「異世界ってきこえたような?」

「ふー。よかった。聞き間違え発言ですか。聞き間違えではないですよ」

「取り消してください」

「ふぁぁ!?」

「米農家としてこれから忙しいのです!稲刈り、土休め、その他もろもろあるわけですから、家内とバカ息子だけでは回りきらないのです!」

 このおっさん、米に対して異常な執着心があり、周りから、皮肉として、米の使者とまで呼ばれている。

「え、えー」

「せめて、1ヶ月、1ヶ月でいいので、お願いします」

「で、でも……」



       ギ、ギィィィィィィィ



 扉が重々しい音をたたて開かれる。

 そして現れたのは……神々しい神でした。

「いいじゃない♪本人がそう望むなら」

 な、なななんと!全国の紳士ロリコンが発狂して喜びそうな麗しき幼女が!そこに!いるではないか!



    (貧しいは美しい)

           byマザー・テレサ

 世界の偉人もこうおっしゃる。←意味深




「で、でも!」

「ほならいってらっしゃい」

「ありがたや」







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「なぜ許したのですか?」

「ふふふ。俺はだーれだ?」

「なっ!その声は!!!!」

「Yes!!!I'm ニニギノミコト !!!」

「なあぁぁぁぁぁぁ!!じょ、女装!?」

「NoNoNo!!神格がむちゃくちゃ上がって調子に乗ってたら、おばあちゃ…麗しき祖母に女体化された」

「南無南無」

「それ宗教違うYo」

「祓いたまえ清めたまえ」

「うんうん。それそれ。って、俺は悪霊かなにか!?とりま、もみもみ」

「男のくせに、女のカラダ。生かしておけません。穢れは滅する『聖なる浄化の鉄槌ホーリープレシャス』」

「にぎゃぁぁぁぁぁぁぁ」






「もう、女の体で遊びません。お許し下さい」

「分かればよし」




____________________________


「ただいまー。って、これ、最新版の映画じゃないですか!」

「「おかー」」

「なるほど、私も観ます」












「それでは、そろそろ転移のお時間です」

「あ、はーい」

「ではスキル選びの「ちょっとまって、ビバ○バ!そこんところビバ○バ!!」」

「なんなんですか?ニニギ…モガモガ」

「私からプレゼント!いつも毎日信仰ありがとう!大盤振る舞いで『お米無限精製』『土壌開拓』『魔力無限』『不老不死』『魔法創造』『身体能力増加Ⅺ』『無垢なる信仰』『神託を承りしもの』『能力改変』『世界地図ワールドマップ』『鑑定』『全耐性』『念話』」

「お、おぉー(棒読み)」

「え?そんなにあげて大丈夫なの?」

「No problem!!!+-でいうと大幅プラスだから!」

 そう、このおっさん。毎日99回ほどお米の神様を拝んでいる。そのため、神力がわんさか手に入るのだ。

「で、では。行ってらっしゃい」

「あ、後でおにぎり送ってきてねー」

「りょーかい。いってきます」










____________________________


りんご定明

おはこんにちは。

りんごです

感想欲しいなー←高望み
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