そのままの君が

フルーツパフェ

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1章: 店のアイドル

更に更にその次は中華娘

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「未熟者! 修業が足りんわ!!」
 白髭を長く蓄えた老人の一喝により、赤いチャイナドレスをまとう僕は尻を何度も引っ叩かれる。
「ご、ごめんなさい! 師匠!」
 僕はとある拳法家の長男という設定で、将来は流派の宗家を継ぐはずだった。ところが僕よりも出来のいい弟を後継者に指名したい父が僕を女装させて娘として教育し、家を見返したい僕は別の達人のもとで修業を始めるというシナリオ。手の込んだ内容だが、肝心の僕はさっきからチャイナドレスの後裾を捲られて尻叩きの刑を受け続けている。こうなるともう、単に女装男子の尻を叩き続けたいだけじゃないのかという疑念も持ち始めるが、何せ客の趣向だから仕方がない。それに意見するのは店ではご法度だ。
「大体お前は普段の生活態度からだらしないわ! 今日こそ徹底的に仕置きしてやる」
「ううぇ~~ん、師匠・・・・・・もう許して下さ~い」
 僕が懇願するような悲鳴を上げる度、老人は悦に浸る表情を滲ませながらも、尚しごきの手を緩めようとはしない。既に尻の方は赤く腫れあがっていて、少し触れただけでも敏感に僕の官能を刺激する。
「罰として、井戸の水くみじゃ! その後は廊下の掃除!」
「師匠~~!! そんなぁ!」
「口答えするか、ええい!! どこまでも不埒な馬鹿弟子め! かくなる上は、こうしてくれる」
 老人は鞄の中から細縄を取り出し、慣れた手つきで僕の体に巻き付け始めた。結び目を作っては潜らせ、という網作業を何度か終えると、僕は両手を後ろ手に縛られ、首と爪先以外の身体の動きを封じられていた。
「見たか!」
 あっという間に亀甲縛りの完成だ。しかも縛り上げる時にスカートの裾が淫らにめくれるよう、縄の加減を調節してある。僕は露出したふんどし(お客さんオーダーの下着)をさらしたまま、ベッドの上に転がされていた。
「ええと、そろそろお時間です」
 壁の時計が定刻を指すと、僕は通知した。こういうプレイは本人がどんどん世界観にのめり込んでいくから、時間を指定してあげないと店はいつまで経っても回転しない。
「おっ、そうか」
 老人は意地悪な師匠役を止め、これまた手際よく僕の束縛を解いたのだった。
「お前さんのその華奢な身体は中々縛りがいがあったぞ。今度ワシの家に来てみないかね?」
「考えておきます」
 僕は苦笑いしながら絶対に行くまいと決め込んでいた。
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