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破廉恥だった僕

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 丁度四時限目だったということで、この後は昼休みだった。
 何を急いでか教室に駆け戻る男子生徒はあっという間に姿を消した。
 別に給食にそれほど執着しているわけでもない僕はのんびり戻ろうとする。
 その背後で、僕を呼ぶ声がした。
 振り返ると、さっきまで授業を担当した体育の先生が手招きをしている。
 四十歳くらいの男性教諭で、不良みたいなパンチパーマをしていた。
 はて、何か片付け忘れただろうか。
 僕は慌てて駆け戻る。
 その先生はなぜか体育倉庫の裏に僕を引き入れた。
 この時既に、僕は気づくべきだったのだ。
 普通なら体育倉庫の入り口に連れて行かれるべきだったのだ。
――足を開いてくれるか?
 体育の先生Aは短く命令した。
 意味が分からなかった。
 そのうちに自分が軽く跳躍して両足を少し開く。
 こんな風にやってみろという事らしい。
 なぜそんなことをするのか、僕は疑問に感じながら指示に従う。
 先生Aは僕の正面で屈みこんだ。
 伸ばした手が、いきなり敏感な内股部分を触れる。
 くすぐられるのが最も苦手な場所で、陽の光もあまり当てない最も敏感な部分を、である。
 反射的に足を閉じようとしたが、もう片方の手が僕の足をがっちりと掴み、足を閉じさせようとしない。
「あの、先生?」
 何だろう。この前の転倒のことだろうか。
 確かに派手な転び方だったけど、ジャージがすれただけで僕自身は無傷だ。
 だけど、先生Aはむしろ患部とは無関係な部分にばっかり視線を落としている。
 内股を撫でる手が、より上の方まで伸びてきた。
 そこから先は際どい部分であることは言うまでもない。
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