チート魔法の魔導書

フルーツパフェ

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7章:黒幕の影

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「だったら読み取ってみろよ。そのまま」
「いいだろう・・・・・・これは、何だ?」
 ヘンリマンの表情に陰りが射した。
「おかしい。何だ、この文字は。全く読めないではないか。一体、どこの言語で書かれたものだ?」
「生憎だったな。お前の専属魔法は相手の知覚をコピーするものだ。つまり、お前が見ているのは俺が魔導書を読んだ時のそのままの記憶だ。だからお前では、そこに書いてある文字を読めない」
「馬鹿な! こんなはずでは! だが、私にも考えがあるぞ! 貴様だって、生まれたと同時にこの言語を覚えたわけではないだろう。つまり、貴様がこの言語を学んだ記憶を呼び起こして魔導書の記憶と合わせれば、解読が可能ということになる!」
「ふん、やってみろ。それだけ時間があれば、お前を倒すのは十分だ」
「私を見くびるなよ、小僧!」
 ヘンリマンは剣を翻してラスタに斬りかかる。
「【火球砲】!」
 ラスタは魔法で応戦するも、ヘンリマンはそれを巧みにかわした。二人の剣が火花を散らして交差する。
「どうやら解読の間に魔法は使えないらしいな」
「すぐに解読して見せるさ。《もう半分は理解したぞ》」
「お前、その言葉!」
 ヘンリマンが口走ったのはラスタしか読めないはずの言語だ。
「こんな言語、すぐに習得して見せるさ。だが、その前にお前が死ぬかな?」
「やってみろよ!」
 今度はラスタが斬りかかる。ヘンリマンはそれを面白がるようにラスタの剣筋を右に、左に交互に流した。
「わからんな。小僧。お前はどうやら《所有者》ではなかったらしい。だとすれば、《所有者》達が支配するこの世界に矛盾を感じているはずではないか?」
「確かに連中は頭に来ることもあるけど、そのために専属魔法で人殺しをしようとは思わない!」
「ほざけ!」
 激しい剣戟の合間からヘンリマンの剣がラスタの肩口を切り裂く。おびただしい出血が石畳を濡らした。
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