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私、事務ですけど?
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就職先が決まったとはいえ、ハローワークへの報告やその他諸々の準備があるので、入社日は約二週間後に決まった。
私の予想通り、例の部屋が事務所で、そこが私の勤務場所となった。
その日は月曜日だったこともあり、簡単に自己紹介を済ませる。
その後はオリエンテーションで、会社の細かい規則や業務内容が説明された。
この会社、とにかく何でもやる挑戦企業ということだ。
まさに絵に描いたような町工場と評していい。
具体的には電気機器の試作品を大企業相手に取引している。
私は以前の生産管理部門の職歴ということから、経理や営業事務ではなく、生産部門のサポート的な仕事に回ることになった。
「それで早速、やって欲しいことがあるんだけど」
私の前に、会社から支給されたものとは別のパソコンが置かれた。
社長がさも楽しみに待ち侘びていたかのように、なぜかもう一台のパソコンを置いたのだ。
「えっと、これは?」
「君、ロボットのマイコンって作れるの?」
「え・・・・・・」
私の脳裏に、最近見たロボットアニメの記憶がふと蘇る。
あれとまではいかないまでも、ほぼ同じ事をしろというのか。
「えっと、マイコンって要するに」
「コイツを動かしたいんだ」
――あれぇ!! それはぁ!!
偶然というものの恐ろしさを、私はこの時初めて知った。
社長の手に握られていたのは丁度大型本サイズのプラモデル。
そのシルエットには見覚えがある。それもつい最近のことだ。
「あれ、このロボット、知っているの?」
知っているも何も、先週の再放送で見たロボットアニメで、主人公が大幅パワーアップさせた機体、そのものズバリだ。
私の予想通り、例の部屋が事務所で、そこが私の勤務場所となった。
その日は月曜日だったこともあり、簡単に自己紹介を済ませる。
その後はオリエンテーションで、会社の細かい規則や業務内容が説明された。
この会社、とにかく何でもやる挑戦企業ということだ。
まさに絵に描いたような町工場と評していい。
具体的には電気機器の試作品を大企業相手に取引している。
私は以前の生産管理部門の職歴ということから、経理や営業事務ではなく、生産部門のサポート的な仕事に回ることになった。
「それで早速、やって欲しいことがあるんだけど」
私の前に、会社から支給されたものとは別のパソコンが置かれた。
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「えっと、これは?」
「君、ロボットのマイコンって作れるの?」
「え・・・・・・」
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あれとまではいかないまでも、ほぼ同じ事をしろというのか。
「えっと、マイコンって要するに」
「コイツを動かしたいんだ」
――あれぇ!! それはぁ!!
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社長の手に握られていたのは丁度大型本サイズのプラモデル。
そのシルエットには見覚えがある。それもつい最近のことだ。
「あれ、このロボット、知っているの?」
知っているも何も、先週の再放送で見たロボットアニメで、主人公が大幅パワーアップさせた機体、そのものズバリだ。
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