万能知識チートの軍師は無血連勝してきましたが無能として解任されました

フルーツパフェ

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4章: 血縁なき絆

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「何よ、それ?」
「先ほど、アイシャさんが吹き飛ばしてくれたのと同じ火薬です。同じことができるというなら、この火薬を吹き飛ばしてくれませんか? 僕が持っていますから」
「は?」
「レムダ! 何を言い出すのです? そんなことをしたらあなたまで消炭になりますよ?」
「大丈夫ですよ」
「あのぉ、レムダ様がいなくなったら、ご飯食べれなくなるんだけど?」
「心配には及ばない」
「いいの? アンタ、本当に死ぬわよ?」
「いいよ」
「本当に、本当にいいのね?」
「早くしてください」
「じゃあ、燃えろ!!」
 遠くから大勢が見守る中、レムダが片手にぶら下げる袋に火が付いた。
 袋はみるみる燃えていくが、先程と同じ爆発は起こらない。
 燃えカスだけが地面に堆積して火は消沈した。
「何で、何で火が付かないのよ? まさかアンタ、それ火薬の入っていない偽物じゃないでしょうね?」
「そんなインチキするわけないでしょ?」
 観衆の方まで歩み寄るレムダが不意にアイシャの方を向く。
「アイシャさん、さっきの袋をもう一度魔法で狙ってくれませんか。さっきと同じように」
「うん、わかった・・・・・・燃えろ」
 灰になったはずの燃えカスから再び光が射したかと思うと、爆炎と爆風がもう一つ上がった。
「ひぃ!! な、何でよ! さっき燃えたんじゃなかったの?」
「燃えはしましたが爆発には至りませんでした。魔法の火力不足でね」
「ど、どういうからくりなのよ?」
「簡単なことです。魔法を凝縮して、発火温度を極限まで高めた。あの火薬はね、爆発力が高くても着火温度を高くしないと火が付かないように火薬の粒子をコーティングしたものなんですよ」
「じゃあ、私だって魔力を凝縮すれば・・・・・・」
「やってみますか? まだ火薬はありますよ」
「アンタ、そんな危険なものを何個作っているのよ?」
「大丈夫。こうなるだろうことを見越して、量は減らしたので」
「魔力を、絞ればいいんでしょ?」
 アイシャの姉が魔力を絞って炎魔法を発動する。
 火花が散ったように見えたが、火薬には発火しない。やはり表面が焦げるだけだ。
「何で、何で爆発しないのよ!」
「これがアイシャさんとあなたの、魔法の素養の違いですよ。アイシャさんは魔力が小さいが、魔力の凝縮技術に関して言えば非常に優れている。だからこの火薬はアイシャさんでなければ役に立たない代物なんです。これで、アイシャさんが無能だと、まだ言い切れますか?」
「あぅ・・・・・・わかったわよ! 私が悪かった!! だから許して! その前に着替えさせて!」
 アイシャの姉は半べそをかきながら、仲間を残して走り去った。
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