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4章: 血縁なき絆

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「フェリスさんも、魔法は使えるんですよね?」
「私の魔法など・・・・・・魔力というのは多かれ少なかれ、誰にでも存在するものですから訓練すればある程度は使えます。魔導科に集まる学生は、人一倍魔力が多いか、あるいは魔法技術に関する造詣の深い人物が多く集まる所です。それ故に、入学を許される人数は多くありません」
「だとすると、なぜ僕のベッドにいたんでしょうか? 僕は全然魔法なんか使えないのに」
「それは・・・・・・私の方が訊きたいくらいです。ただ、思い当たることがあるとすれば、あなたがゲオルグ家の人間だからではありませんか?」
「僕の家と、何の関係が? 確かに姉は魔法の第一人者ですけど?」
「実は魔導科、というより魔法研究者の間ではとある学説が最近、物議を醸しているのです。血統説、聞いたことがありませんか?」
「いいえ」
「要するに、人が先天的に持つ魔力は血筋が決定要因とする考え方があるのです」
「僕みたいな反例があるのに?」
「そう言って、学者の間でも意見が真っ二つに割れています。でも、あの子の発言から考えてもゲオルグ家のあなたと結びつくことを狙っていたと考えるのが合理的です。不潔な話ではありますが」
「じゃあ・・・・・・あの子は」
 その時ドアを開いたことでベルが鳴った。
「ね、いい店でしょ?」
「本当だぁ!」
「あ~、お腹すいた」
 陽気な声と共に三人の少女が次々と店に入ってくる。
 どこかの学校の学生のようで、各々着こなしにアレンジはあるものの、黒と赤のチェック柄の制服を着ていた。
「あんな制服の学校、見たことないな」
「何を言っているんですか。噂をすれば影。あれがウチの魔導科の制服ですよ」
 フェリスが何食わぬ素振りを繕いながら呟く。
「ほら、そこに座ろぉ!」
 長い赤髪の少女がリーダー格らしい。
 紫色のサイドテールの少女と、栗毛色のボブガットの少女が彼女に続く。
「あれ? アイシャは?」
――アイシャ?
 取り巻きの一人が辺りを見回す。
「あのトロは何やってんのよ、もう!」
 そこへ、レムダ以上に大荷物を抱えた黒のセミショートの少女が息を切らして駆け込んできた。
「すいません!」
「あれは・・・・・・」
 それは朝、レムダのベッドに潜り込んできた少女だった。
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