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3章: 威厳なき名家
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翌日の昼になっても、連中が仕掛けてくることはなかった。
だがこれで連中が諦めたとも思えない。
体勢を立て直して、もっと大人数で攻めてくる可能性は十分にある。
士官の心得があるフェリスにも、それはわかっていた。
「だったらいっそのこと、連中を一網打尽にするまでです!」
いきなり席を立ち上ると、これから野盗の討伐に向かうのだという。
ねぐらも戦力もわからないのに、無謀と言う他なかった。
レムダは何とか諭して引き留める。
「それに、連中を討伐したところでここが無法地帯であることに変わりはない。すぐに他の勢力がやってくるだろう」
「ではどうすればよいのですか? 私はトレスデン家の人間として、一介の帝国軍人として、民を見捨てることはできません。学校に無理を申し上げてでもここに残って・・・・・・」
「その前に一つ確かめたいことがあります」
そう言ってレムダは村長の下に言った。
「この地域の領主ですかな?」
村長は何を今更という態度だ。
「お話しした通り、この寂れた村は領主様からさえ見捨てられております。しかるに帝国軍の警備隊さえ駆けつけてはくれぬのです」
「名目上の領主だけでも教えてくれると助かります」
「それでしたら、ガウリゼン男爵の所領ということになります。ここより東の平原に屋敷がございます」
「そうですか。助かります」
「領主に会って、この村の防衛を請願するつもりですか?」
ガウリゼンの屋敷へ向かう途中、フェリスが尋ねる。
「頭を下げた所で、無理でしょう。今までがそうだったし」
「わかっているなら何用で?」
「真意を確かめる、それだけのことです」
「真意とは、どういう意味ですか?」
「今話すと長い話になるので、しばらく僕に任せてくれませんか?」
「・・・・・・その様子ですと、また何か企んでいるようですね?」
「その言い方は」
「言っておきますけど、土下座で謝るなんて小細工は通用しませんからね?」
「わかっています。この戦いだけは、絶対に負けられないことも含めて」
だがこれで連中が諦めたとも思えない。
体勢を立て直して、もっと大人数で攻めてくる可能性は十分にある。
士官の心得があるフェリスにも、それはわかっていた。
「だったらいっそのこと、連中を一網打尽にするまでです!」
いきなり席を立ち上ると、これから野盗の討伐に向かうのだという。
ねぐらも戦力もわからないのに、無謀と言う他なかった。
レムダは何とか諭して引き留める。
「それに、連中を討伐したところでここが無法地帯であることに変わりはない。すぐに他の勢力がやってくるだろう」
「ではどうすればよいのですか? 私はトレスデン家の人間として、一介の帝国軍人として、民を見捨てることはできません。学校に無理を申し上げてでもここに残って・・・・・・」
「その前に一つ確かめたいことがあります」
そう言ってレムダは村長の下に言った。
「この地域の領主ですかな?」
村長は何を今更という態度だ。
「お話しした通り、この寂れた村は領主様からさえ見捨てられております。しかるに帝国軍の警備隊さえ駆けつけてはくれぬのです」
「名目上の領主だけでも教えてくれると助かります」
「それでしたら、ガウリゼン男爵の所領ということになります。ここより東の平原に屋敷がございます」
「そうですか。助かります」
「領主に会って、この村の防衛を請願するつもりですか?」
ガウリゼンの屋敷へ向かう途中、フェリスが尋ねる。
「頭を下げた所で、無理でしょう。今までがそうだったし」
「わかっているなら何用で?」
「真意を確かめる、それだけのことです」
「真意とは、どういう意味ですか?」
「今話すと長い話になるので、しばらく僕に任せてくれませんか?」
「・・・・・・その様子ですと、また何か企んでいるようですね?」
「その言い方は」
「言っておきますけど、土下座で謝るなんて小細工は通用しませんからね?」
「わかっています。この戦いだけは、絶対に負けられないことも含めて」
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