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3章: 威厳なき名家
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「話って、何のこと?」
「あなた、本当にこの学校に何をしに来たのですか?」
「何って、士官になるため?」
「本当にそのつもりがあるのですか? 午前の授業では教授の前であんなふざけた回答をしておきながら、部屋に戻ったら裁縫と土いじりと金細工ばかりして・・・・・・このままでは本当に退学になりますよ?」
「それでもかまわないよ。元々自分から決めてここに来たわけではないし」
「お家の事情、ですか?」
フェリスは同情するような声で訊く。
「そうだね。僕が生まれる以前から、軍人になることに決まっていたらしい。兄も姉も、剣や魔法の腕は抜群だけど、僕にはその才能がない。それでもゲオルグ家の人間である以上、父親からはここへ行くように言われてね」
「それならば、あなたは戦うべきです」
「僕には軍人なんて最初から向いていないよ。学長は買い被っているみたいだけど、最初の決闘で僕があんな負け方をしたのは、本当に勝てないと思ったからなんだ」
レムダは率直に胸の内を話すが、それでも作業の手は止めない。
「ここだけの話ですが・・・・・・あの決闘は本当に私の負けだったと思っています。一騎打ちはともかくとして、これがお互い軍勢を率いての戦いだとしたら。だから、あなたにはそういう面で才能があると、私は思います。どうしてそれを信じてもっと研鑽に励まないのですか? 今だって、あなたは他の学生が目もくれない兵站や兵器開発のことまで考えているではありませんか」
「僕の学校での評判は知れているでしょう? このまま卒業しても、軍師に出世できるとは思えない。卒業を機に、僕は実家へ帰ろうと思います。その前にここで学んだ事の中で使える物を持ち帰って、悠々自適に暮らしたい」
「ああ、もう!!」
フェリスは大股で歩み寄り、レムダの椅子を強引に自分の方へ向けた。
「えっと、フェリスさん?」
触れるか触れないかという距離まで迫ったフェリスの顔に、レムダはおずおずとしていた。
「どうしてあなたは! 自分に自信が持てないのですか? この私が用兵の才能を認めるのだから、もっと前向きになりなさい! それに、あなたの士官学校での悪評の一因は、私の突っ走りが原因でもあるのですよ!その罪滅ぼしをしなければ、私の気が済みませんの!」
「いや、罪滅ぼしだなんてそんな。ていうか、今更どうやって?」
「あなた、今度の配属実習の申請は、どちらに出されていますか?」
「あなた、本当にこの学校に何をしに来たのですか?」
「何って、士官になるため?」
「本当にそのつもりがあるのですか? 午前の授業では教授の前であんなふざけた回答をしておきながら、部屋に戻ったら裁縫と土いじりと金細工ばかりして・・・・・・このままでは本当に退学になりますよ?」
「それでもかまわないよ。元々自分から決めてここに来たわけではないし」
「お家の事情、ですか?」
フェリスは同情するような声で訊く。
「そうだね。僕が生まれる以前から、軍人になることに決まっていたらしい。兄も姉も、剣や魔法の腕は抜群だけど、僕にはその才能がない。それでもゲオルグ家の人間である以上、父親からはここへ行くように言われてね」
「それならば、あなたは戦うべきです」
「僕には軍人なんて最初から向いていないよ。学長は買い被っているみたいだけど、最初の決闘で僕があんな負け方をしたのは、本当に勝てないと思ったからなんだ」
レムダは率直に胸の内を話すが、それでも作業の手は止めない。
「ここだけの話ですが・・・・・・あの決闘は本当に私の負けだったと思っています。一騎打ちはともかくとして、これがお互い軍勢を率いての戦いだとしたら。だから、あなたにはそういう面で才能があると、私は思います。どうしてそれを信じてもっと研鑽に励まないのですか? 今だって、あなたは他の学生が目もくれない兵站や兵器開発のことまで考えているではありませんか」
「僕の学校での評判は知れているでしょう? このまま卒業しても、軍師に出世できるとは思えない。卒業を機に、僕は実家へ帰ろうと思います。その前にここで学んだ事の中で使える物を持ち帰って、悠々自適に暮らしたい」
「ああ、もう!!」
フェリスは大股で歩み寄り、レムダの椅子を強引に自分の方へ向けた。
「えっと、フェリスさん?」
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「どうしてあなたは! 自分に自信が持てないのですか? この私が用兵の才能を認めるのだから、もっと前向きになりなさい! それに、あなたの士官学校での悪評の一因は、私の突っ走りが原因でもあるのですよ!その罪滅ぼしをしなければ、私の気が済みませんの!」
「いや、罪滅ぼしだなんてそんな。ていうか、今更どうやって?」
「あなた、今度の配属実習の申請は、どちらに出されていますか?」
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