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1章: 刃なき剣
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「どうしてだ? 苗字は大事じゃなかったのか」
やはり素直過ぎるというか、単純な性格なのだろう。
いかに文化圏が違うとはいえ、レムダが自分の苗字を隠したがる理由くらい、察してもいいはずだ。
「大事だからこそ、と言うべきかな。僕がゲオルグの苗字だってことはなるべく秘密にしておきたい」
「本当に、色々面倒な奴だな。それで、何て呼べばいいんだ? レムダか?」
「・・・・・・せめて様をつけるんだ」
「く・・・・・・レムダ様」
シアは眉を引きつらせながら口にした。
「それでいい、シア」
「何でこんな奴の従者に・・・・・・あ、何でもない! 独り言だ」
「別に、聞かなかったことにしてやるよ。ほら、急ぐぞ」
「なぁ、行き先の士官学校って、どんな所なんだ?」
「ああ、軍人の指揮官になる人間が通う場所だよ」
「それって、強い奴が大勢いるってことか?」
「まあね。極力連中とは仲良くするつもりだが、それでもどうにもならない時は僕のために力を貸してくれ」
「任せろ。この私が帝国軍まとめてぶん殴ってやる」
実質的にはまだ正規の軍人でもないレムダの下僕に成り下がりながら、頼もし気に胸を打つ赤眼族の少女。
身の程知らずとはこういうことを言うのだろう。
何はともあれ、軍人とは本来縁のないレムダにとって、貴重な戦力にはなるだろう。
こうしてレムダは、気まぐれをきっかけに道中で従者を得たのだった。
やはり素直過ぎるというか、単純な性格なのだろう。
いかに文化圏が違うとはいえ、レムダが自分の苗字を隠したがる理由くらい、察してもいいはずだ。
「大事だからこそ、と言うべきかな。僕がゲオルグの苗字だってことはなるべく秘密にしておきたい」
「本当に、色々面倒な奴だな。それで、何て呼べばいいんだ? レムダか?」
「・・・・・・せめて様をつけるんだ」
「く・・・・・・レムダ様」
シアは眉を引きつらせながら口にした。
「それでいい、シア」
「何でこんな奴の従者に・・・・・・あ、何でもない! 独り言だ」
「別に、聞かなかったことにしてやるよ。ほら、急ぐぞ」
「なぁ、行き先の士官学校って、どんな所なんだ?」
「ああ、軍人の指揮官になる人間が通う場所だよ」
「それって、強い奴が大勢いるってことか?」
「まあね。極力連中とは仲良くするつもりだが、それでもどうにもならない時は僕のために力を貸してくれ」
「任せろ。この私が帝国軍まとめてぶん殴ってやる」
実質的にはまだ正規の軍人でもないレムダの下僕に成り下がりながら、頼もし気に胸を打つ赤眼族の少女。
身の程知らずとはこういうことを言うのだろう。
何はともあれ、軍人とは本来縁のないレムダにとって、貴重な戦力にはなるだろう。
こうしてレムダは、気まぐれをきっかけに道中で従者を得たのだった。
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