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1章: まずは結界を破ったる!

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 結界役のエルフとは、その後もしばしば戦闘が続いた。
「うわぁ!!」
「あん!」
「きゃあぁ!!」
 俺が棒を振るう度、若い女の嬌声が静かな森に響いた。
「ふぅ、これで何人目だ?」
 小規模な部隊と衝突した俺は自分が来た道を振り返る。
 いずれも俺の攻撃を受け、あでやかな醜態で気絶したエルフの女どもが転がっている。









 まさに死屍累々だ。
 いや、実際には一人も死んでいないのだが。
 ようやく戦士として認められた若い娘が、パンツ丸見えで気絶しているだけだ。
 まあ、戦士のプライドとしては既に再起不能なまでに死んでいるという解釈もできるが。
 それにしてもエルフって、結構派手な柄のパンツ履いているよな。
 外見の服装は地味なのに下着は結構過激でしたっていう奴?
 まあ、年頃の娘ならわからなくもないか。
 そういえば、あのババアはどんなパンツ履いていたんだっけ?
 尻を触った罪で追い出されたが、あの女のパンツを俺は見たことがなかった。
 パンツの柄が、エルフの年齢のバロメータになるのだろうか。
 新たな仮説を実証するためには、この先へ進めばわかるだろう。
 何せ、この奥には齢数百年を生きた熟練の戦士が待ち構えているのだから。
「ちょっと何よ! 前線部隊は全滅じゃない!」
 そこへタイミングよく、武装した集団が俺の前に現れた。
 どうやら急報を聞きつけた迎撃部隊が来たらしい。
 里への急襲をかけて数時間足らず。
 その短時間で即応部隊を展開させるとは中々優秀だ。
「ミリア!」
「セフィーネス!」
 迎撃部隊の集団から仲間を呼ぶ悲壮な声がする。
 どうやら俺がぶちのめしてその辺でのびているエルフの身内が混じっているらしい。
 安心しろ、峰打ちだ。というか俺の武器にはそもそも刃がない。
「我らの里にここまで踏み入るとは、人間もなかなかやるではないか――ミリア、クランチェス、エリン、ティーセ、フェイナ、ブラーチェカ、キットリン、ジェーミア、ノルア・・・・・・優秀な配下達だったものを」
 部隊の頭と思しきエルフが不敵な笑みで倒れている仲間を見回すのだが・・・・・・
「・・・・・・それにしてもその、なぜ、皆こんなにもはしたない恰好をしているのだ? 貴様、討ち取った娘を辱めたのか?」
「は? 知らないぞ? 俺はただ生意気なエルフの女どもを棒でぶん殴っただけだ。あの格好は倒れた奴らが勝手にそうなっただけだ」
「嘘を申すな! 我らエルフは高潔な種族。それが仮にもあのような、おマ・・・・・・倒れ方をするはずなかろう!」
「だから違うって言ってんだろ! どうしてエルフ共はどいつもこいつも人のせいにしやがるんだ! そもそもお前ら、森で身を隠すのにそのパンツは派手過ぎないか!」
「黙れ! 我らを愚弄した罪、万死に値する! 者ども掛かれ!」
 こうしてしょうもないきっかけで俺とエルフの全面戦争が始まった。
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