武器屋の看板娘に転生したつもりでしたが、図らずも最強の剣士として戦うことになりそうです

2章: Aman loves someone not by him but in his mind.

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「あ、待ちなさい！！　こらっ！」
　チハルが呼び止めようとした矢先――
「おぐっ！！」
　角を曲がり、姿を消そうとした隊員の顔面に、ストレートの拳がめり込んだ。
　疾走する方向からの殴打に、あっけなく隊員は崩れ落ちる。
「全く、人の獲物に手を出すなんて」
　聞き覚えのある嘆息がした。
　現れたのはエリー元小隊長だ。
「え、どうして？」
「どうしても何も、あなたはいずれ私が決着をつける相手ですのよ。それをこんな小者に邪魔されてたまるものですか。あなた達ならこんな雑魚相手に心配はいらないと思っていましたが、コイツだけは逃げ出しそうだったので仕留めてやりましたよ」
　エリー小隊長は奪い返した日本刀をチハルに手渡す。
「あ、ありがとうございます」
「それより、これは一体どういう騒ぎなのですか？　そちらの方が悪いというわけでもなさそうですが」
　その通り、この事件に黒幕は別にいる。
　何者かがフェミル連隊長の失脚を目論んでいる。
　チハルもまた、同じことを確信していた。