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2章: Aman loves someone not by him but in his mind.

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「サナさん!」
 チハルはサナの両脇を固めていた隊員達の間に割り込んだ。
「ちょっと、チハル? 何やっているの? 私を庇ったらあなたが・・・・・・」
「違うんです! おかしいとは思いませんか?」
「何が?」
「あなた達! 何で事件の犯人がサナさんだって、知っているんですか!」
 チハルに問い詰められて、隊員達は物も言わぬまま彼女達を取り囲んだ。
「あら、もう気付かれちゃったの?」
 日本刀を握る隊員が悪意のある笑みを浮かべた。
「残念ね。仕方がないからこのまま消えてもらうしかないか」



 隊員達の握る武器の鋭鋒が、チハル達に向けられる。
「どういうこと?」
「そっちのオバサンはまだ気づかないの?」
「お、オバサン!?」
「だってそうじゃない。もう来年にはここを出るんだし、○○だってもう下に垂れているでしょ? そのくせ、皇太子殿下の髪の毛なんか大事そうに持ってさ、マジでキ・モ・イ」
「何で私のディオラを・・・・・・それは!」
 隊員達が持っていたのはサナの大事に保管していた皇太子の髪だ。
「でも助かったわよ。これを盗んだだけで、アンタは親衛隊員を無差別に襲う化け物を演じてくれた。あとは、それをフェミルの責任として押し付ければ、あの女は失脚する!!」
「狙いは、フェミル連隊長?」
「そうよ。事件の犯人に仕立てたアンタが、実はフェミルの命令で動いていたことにすれば、反逆罪で同罪じゃない? でもアンタはとうとう、フェミルの部下にまで手を掛けた。だから早々に捕まえなければならなくなったのよ」
「そのために、私のディオラを盗んだの?」
「そもそも気持ち悪いんだよ! 婆のくせに髪の毛持ち歩きやがって! アンタみたいなのが一夜でも殿下の傍にいたとか、鳥肌立つんだけど!!」
 そう言って、隊員はサナの愛人を破り捨てた。
 風が、破片をどこかへ持ち去っていく。
「そんなこと、言わせない」
 チハルが前に進み出た。
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