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2章: Aman loves someone not by him but in his mind.
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「い、今の悲鳴は!?」
アンリがすくみ上る。
用を済ませていなかったら、恐らく失禁していたに違いない。
「アンリはここに居て! 私が見てきます!」
「え! ちょっと、チハル!!」
チハルはアンリの許可も得ず走り出していた。
今度は西門の方角だ。
一体、誰が何のために親衛隊を狙うのだろう。
襲われた隊員達はすぐに気絶させられていて、下手人の姿すら見ていないというのだから情けない。
どうやら、チハルがその最初の目撃者となってしまったようだ。
「そこにいるのは、誰ですか?」
城壁の傍で、散乱した衣服の先に隊員が横たわっている。
その上に馬乗りになって、必死にまさぐり回る影があった。
チハルの誰何に影がこちらを振り向く。
立ち上がるとそれなりに背が高い。
チハルは日本刀を抜く。
「あなたが、隠したの?」
影が問い詰めた。
「その声は?」
落ち着いたその声は、サナ=クオルハートのもので間違いなかった。
「サナさん? どうしてあなたが?」
月明かりが雲間から漏れる。
チハルの目の前に、青白いサナの顔が浮かび上がる。
その後ろでは、下着姿で倒れている隊員が三人。
全てサナがやったというのか。
「ねえ、答えて。ディオラをどこへ隠したの?」
「落ち着いて下さい。どういうことですか? なぜ、親衛隊員を襲うんですか?」
「あなたもそうやって、とぼけるつもりなのね?」
サナはチハルに近づく間に奇怪なステップを踏む。
地面に転がっていた長柄の何かが宙に浮きあがり、その中心を彼女は掴んだ。
まるで生き物のように伸縮と旋転の動きを見せたそれは、ショートスピア。
サナの武器だった。
アンリがすくみ上る。
用を済ませていなかったら、恐らく失禁していたに違いない。
「アンリはここに居て! 私が見てきます!」
「え! ちょっと、チハル!!」
チハルはアンリの許可も得ず走り出していた。
今度は西門の方角だ。
一体、誰が何のために親衛隊を狙うのだろう。
襲われた隊員達はすぐに気絶させられていて、下手人の姿すら見ていないというのだから情けない。
どうやら、チハルがその最初の目撃者となってしまったようだ。
「そこにいるのは、誰ですか?」
城壁の傍で、散乱した衣服の先に隊員が横たわっている。
その上に馬乗りになって、必死にまさぐり回る影があった。
チハルの誰何に影がこちらを振り向く。
立ち上がるとそれなりに背が高い。
チハルは日本刀を抜く。
「あなたが、隠したの?」
影が問い詰めた。
「その声は?」
落ち着いたその声は、サナ=クオルハートのもので間違いなかった。
「サナさん? どうしてあなたが?」
月明かりが雲間から漏れる。
チハルの目の前に、青白いサナの顔が浮かび上がる。
その後ろでは、下着姿で倒れている隊員が三人。
全てサナがやったというのか。
「ねえ、答えて。ディオラをどこへ隠したの?」
「落ち着いて下さい。どういうことですか? なぜ、親衛隊員を襲うんですか?」
「あなたもそうやって、とぼけるつもりなのね?」
サナはチハルに近づく間に奇怪なステップを踏む。
地面に転がっていた長柄の何かが宙に浮きあがり、その中心を彼女は掴んだ。
まるで生き物のように伸縮と旋転の動きを見せたそれは、ショートスピア。
サナの武器だった。
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