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1章: Love is hate against itself.

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「ためになる話って?」
「それより、あなた達、本当にエリーと戦うつもりなの?」
 チハルは頷いた。
「私が、戦います」
「勝算は? 策でもあるの?」
「一応、実家が武器屋ですから。剣くらいは握れます」
 念のため控えめな言い方をした。
 本当はあらゆる武器を扱いなれているのだが。
 クラウデ小隊長のことはよく知らず、ここで聞きだした情報がエリー小隊長に伝わらないとも限らない。
「剣。そんなもので、あのエリーと戦うつもりなの?」
「どういう意味ですか?」
「エリー=ミルドレット。彼女は親衛隊内でも屈指の、戦斧遣いよ。剣で戦って、まず勝ち目はない」
「戦斧って・・・・・・」
「ねえ、話は変わるけど。この王宮に私達親衛隊員って、何人いると思う?」
「え? どうしてそんな話を?」
「いいから答えてみて」
「八百人くらいじゃないんですか? 昨日で百人近く入隊したんですよね?」
「答えは、三百人弱よ」
「それだけですか? でも、人数のバランスがおかしい気も」
「簡単なことよ。競争が激しいから、脱落者が多いの。あなた達の世代も、半年後には半分になっているでしょうね」
「脱落って・・・・・・」
「今回みたいな決闘は、別に珍しいことじゃないわ。むしろ、決闘という正々堂々とした戦いの場を与えられたあなた達は幸運よ。ここはね、そういう世界なの。そんな所で生き残る奴なんて、能力も性格も普通じゃない・・・・・・私も含めてね」
「それで、クラウデ小隊長は何が言いたいんですか?」
「簡単なこと。あなた達、命が惜しければ逃げるのは今のうちよ。皇太子の寵愛を求めようなんて思わないこと。お金が稼ぎたいだけでも、他を探せばいい。エリートの決闘に臨めば、死体になってここを出ることになるわ」
「大丈夫です。私、勝ちますから」
 チハルは断言した。

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