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1章: Love is hate against itself.

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「さっきから聞いていれば、あなたは他の子を傷つけるだけじゃないですか! 小隊長だからって、こんなことが本当に許されるんですか?」
「風紀を守るのは隊長の務めよ」
「皆の前でこんな凌辱をして、何が風紀ですか! あなたはただ、他の子を押しのけて自分が皇太子殿下を独り占めしたいだけではないですか?」
「ん?」
 エリー小隊長の顔色が変わった。
「それ以上言うようなら・・・・・・いいでしょう。あなたにチャンスを与えます」
「小隊長?」
 その場がどよめいた。
 特に反響が大きかったのは、エリー小隊長の背後にいる取り巻き達だ。
「チャンス?」
「そうです。あなたと私で、決闘をし、立場はどうであれ勝った方の主張を認める、ということです」
「要するに、武器を使っての実力行使というわけですか?」
「ご名答。武器は好きなものを選びなさい。それと・・・・・・クラウデ小隊長!」
 エリー小隊長は別部隊の指揮をしている灰色の髪の少女を呼んだ。
 冬の湖面のような感情のない凍てついた印象の少女がこちらを向いた。
「何か?」
「クラウデ小隊長。私はこれより、ここに居る両新入隊員達との決闘を受諾することになりました」
「両、新入隊員?」
「殿下を汚そうとしたそこの泥棒猫と、それを庇った反抗娘です」
「ちょっと待って下さい! 決闘をするのは私だけでは?」
 チハルが異論を唱えたが、クラウデ小隊長の一睨みが彼女を沈黙させた。
 よくわからないが、この人には逆らうべきではないと直感したのだ。
「それで、私に立ち合えと」
「相変わらず話が早いわね。つまりはそう言う事です」
「承ったわ。この決闘、クラウデが見届けます」
「決闘は明日。それまでにせいぜい、覚悟を決めておくことね」
 事態は既にとんでもない方向に動き出しているようだった。
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