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1章: Love is hate against itself.

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 チハルを含め、この度新しく集められた近衛兵の隊員はこの後制服に着替えて結団式に出席することになっている。
 着替えを済ませても幾分時間が余るようだったので、チハルは知り合ったばかりのアンリとの会話に盛り上がった。
「あ、似合う。似合う。やっぱり可愛いよ、チハル」
「そ、それはどうも」
 可愛らしい軍服だが、自分で着てみると少しこそばゆい気がする。
「ねえ、あなたも殿下に興味があるのかしら?」
「いえ、私はただ実家の武器屋を続けるだけのお金を稼いで実家に戻れればいいなって」
「あら、そうなの」
「アンリさんは?」
「・・・・・・身の程知らずって思われるかもしれないけどさ、私、殿下に気に入られたいなって、ちょっと思っている・・・・・・おかしいかな?」
「そんなことはないと思います。ここに来る前、兵士の人から近衛兵でも目を留めてもらえれば妾にしてもらえるって聞きましたから」
「そ、そうだよね。別に、全然チャンスがないわけじゃないよね!?」
「頑張ってください。ここには結構かわいい子が大勢いるみたいですから」
「うん、私、殿下に猛アタックしてみるよ!」
「いや、それはちょっと露骨かと・・・・・・」
 こんな時、どんなアドバイスをするべきか、チハルはよく知らない。
 前世でも転生後の今までも、恋愛と無縁の世界で生きていたのだから、他人に教えられるような経験は何一つないのだ。
 ドアをノックした音がしたのはその時だった。
「準備はできているか? 廊下に集合せよ」
「は、はい!」
 チハル達は部屋を出た。
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