『R18』バッドエンドテラリウム

Arreis(アレイス)

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近未来スカベンジャーアスカ編

第28話 ポラリス

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 脱出ポットを出たふたりは何も無い灰色の地面を彷徨っている。
 ユートピアとクレイドルからは遥か遠くへと離され、金属を豊富に含んだ地面以外には何も無い。
 川はおろか人工物すら存在せず、ふたりはただただ歩いていた。

 「ゴールドラッシュは気候変動の無い常昼星です。 寒さに震える心配はありませんが、水分が問題ですね」
 「クレイドルはこっちに向かってる?」
 「はい、もう数時間後には到着します」

 その場に留まり続けなかったのは、ブッチャーに位置を特定されないためだ。
 確証はないのだが、ブッチャーたちは人間がどこに居るのかをわかっていた節がある。
 共生生物によるものかブッチャー独自のレーダーか、どちらにせよその場に留まるのは危険だとポラリスの勘が告げていた。
 アスカはそれに従い、重い足を引きずりながら歩いている。
 脱出ポットにあった僅かな食料と水分を頼りに、もう随分と歩き続けていた。
 
 はぁはぁと息を切らすアスカの横へとそっと近づき、ポラリスはちゅっとキスの真似をする。
 脱出ポットの中で死の淵に立たされ、咄嗟に取ったアスカの行動を茶化しているのだ。
 怒る元気も無いアスカはそんなポラリスへと恨みのこもった目を向けて、ただただ歩き続けている。
 そうこうしていると突然、ふたりの足元を影が覆った。
 見上げた先には小型のスペースシップが浮いており、大型ライトをこちらへと向けている。
 おそらくマーシャルの放った追手だろう。
 ふたりは持っていた武器を捨て、戦う意思が無いことをアピールする。
 ふたりのすぐ近くへと停まったスペースシップの後ろが開くと、中からはヘルメットを被り、ライフルとアーマーで武装した三人の兵士が現れた。
 
 「スカベンジャーのアスカとアンドロイドのポラリスだな?」
 「ええ」
 「はい」

 先頭の男はふたりの手を後ろに回すと、冷たい手錠をかけていく。
 ふたりには三人分のライフルと視線が向けられ、その行動の一挙手一投足に注目されていた。
 もし不審な動きをすればすぐにでも蜂の巣にされるだろう。
 アスカとポラリスは男たちに連れられてスペースシップへと乗り込むと、その金属の床へと膝をついた。
 片腕の無いポラリスは右腕とスペースシップの床を手錠で繋がれ、身動きが取れなくされている。

 「こちらアルファー、アスカとポラリスを確保した。 ……ダメだな」
 
 アルファーと名乗った男は首元の機械に手を置き、誰かと通信をしている。
 ヘルメットのせいでその表情は伺えないが、正規の兵士のような冷徹さが感じられない。
 三人の装備が統一されていない所から見ても、この三人は傭兵か何かだろう。
 アルファーは三人の中で一番まともな装備をしているが、アスカへと銃を向ける小太りの兵士などは明らかに体格に合っていないアーマーを着ていた。

 「で、受け渡すのか?」

 小太りの男がその体格通りの少しこもった声を上げる。
 ヘルメットも旧式の物なのか、安いマイクを通したような耳障りな声がした。
 
 「そりゃそうだ。 一体いくらになると思う?」

 ポラリスへと銃を向ける細身の男は、その体格に似合わない重装備に身を包んでいた。
 堅牢なアーマーは男の体を大きく見せ、隙間から覗く手首などまるで骨のようだ。
 
 「ひとまず通信可能エリアを目指そう。 ここじゃろくに通信も出来ない」

 アルファーはひとり、スペースシップの前の方へと歩いていく。
 前部分と後ろ部分とを分ける扉が開き、アルファーは運転席の方へと消えてしまった。
 倉庫のようになった後部へと残されたアスカとポラリスの体へと、男たちの下卑た視線が注がれる。
 ヘルメット越しに伝わる舐め回すような視線は、アスカに鳥肌を立たせていた。
 
 「あの、私たちはどうなるんですか?」

 その初めて聞くポラリスの声にアスカは耳を疑った。
 今すぐにでも泣きだしてしまいそうな、弱々しい少女のような声をポラリスは出している。
 その目は涙を浮かべており、全く抵抗する気力が無いかのように俯いている。
 
 「口封じで牧場行きだろうな。 牧場はもう見たんだろ?」

 小太りの男はポラリスへと近づくと膝を付き、その頬へと手を伸ばす。
 ポラリスはその手を払おうともせず、好きなように触らせていた。
 頬にあった手が首へと伸び、髪を撫で、背中へと回される。
 
 「ポラリスだったか。 立て」
 「はい……」

 男は銃から手を離し手錠を床から外すと、ポラリスの体を強く抱き寄せた。
 左手でポラリスの手錠を掴みながら、右手でいやらしく乳房を揉みしだく。
 ポラリスは涙をためた目で男の顔をじっと見ながら、男の手へと体を預けている。
 男はヘルメットを外すと、ポラリスの頬をゆっくりと味見するかのように舐めた。
 脂ぎった男の顔があまりにも醜悪に見え、アスカは思わず吐き気を覚えてしまう。
 しかし男たちはアスカの方など微塵も見ておらず、弱々しくされるがままになっているポラリスへと血走った目を向けていた。
 
 「さぁご開帳だ」
 「アンドロイドなんだ、さぞ綺麗な体だろうよ」

 ただでさえ露出の多かったスポーティな服が取り去られ、ポラリスの艶めかしい肢体が露わになる。
 怯えた表情で見つめるポラリスの表情は、小太りの男の情欲を大いにかき立てた。
 
 「なぁ、少しくらい遊んでも良いよな?」
 「どうせ壊されちまうんだ、構いやしないさ」
 
 細い男が銃を構え、小太りの男は装備を脱いで裸になっていく。
 アーマーの下から現れただらしのない体には、申し訳程度の小さな男根がついている。
 汗に塗れた肉を震わせ、男はポラリスの体へとしゃぶりついた。
 その太く短い指がポラリスの乳房へと沈み、大きな口が桜色の乳首を音を立てて吸い上げる。
 ちゅばちゅばと汚らしい音が響くたび、アスカは不快感に体を震わせた。
 ポラリスは快感から足に力が入らなくなり、その体を支えるように男へと抱きついている。
 その甘い香りと柔らかさが男の情欲をさらに刺激し、貪る舌を加速させていく。
 男の指が片方の乳首を摘み、もう片方の乳首へと軽く立てた歯が鋭い快感を与えると、ポラリスは体を震わせながら弱い絶頂を迎えた。

 「お願いです…… もう許してください……」
 「だめだ。 胸だけでイく淫乱アンドロイドはちゃんと教育しないとなぁ」
 「終わったらさっさと代われよ、お前のプレイなんて見たくもない」

 銃を持つ男は呆れた声でそう言うと、壁にもたれ掛かりながら銃を向けた。
 その間も小太りな男の責めは続き、今はポラリスの秘部へと指を入れて勢い良くかき出している。
 くちゅくちゅという音と共にポラリスの小さな喘ぎ声が狭い室内へと響き渡る。
 小太りな男の男根はみるみる内に大きくなり、ようやく平均的なサイズへと変わった。
 銃を持つ男の男根もズボンの下で膨れ上がっており、ひと目見ただけで勃起がわかるほどになっていた。
 男たちの視線は淫らに乱れるポラリスへと注がれている。

 「ほら、イく時はちゃんと言ってからイくんだ。 そしたらご褒美にこいつを挿れてやろう」
 「あっ♡ イきます…… もうイきそうで…… くぅぅぅ♡」

 男が三本の指で乱暴に秘部をかき回すと、ポラリスは愛液を撒き散らしながらその場にへたり込んでしまった。
 ポラリスは開いた秘部をヒクつかせながら、上目遣いに男の顔を見る。
 その上気しながらも怯える小動物のような表情が、男の理性を奪っていく。
 
 「よし、ご褒美だ…… 足を開け」
 「どうかここだけは……」

 男の理性は崩れ去り、ポラリスの太ももを掴むと足を無理やり開かせて、一気に蜜壺の最奥へと男根を突き立てた。
 大きな男の体がポラリスの上へとのしかかり、ずんずんと勢いをつけて押し潰す。
 肉のぶつかる音がしないのは、ポラリスが両足を男の腰へと回し、完全に密着しているからだ。
 男は腰を引き、ポラリスのナカで抽送を繰り返そうとしているが、ポラリスの足がそれを許さない。
 そうしている内に、ボキッと、鈍い嫌な音が響いた。
 
 「ぎぃやぁぁぁぁ!!」
 
 突然小太りの男がうずくまり、獣のような悲鳴を上げる。
 銃を持つ男が慌ててその体を抱き起こそうと手を伸ばした時、ポラリスのしなやかな足がその首へと巻き付いた。
 ゴキッと、またも嫌な音がして男の首があらぬ方向へと曲がる。
 力無くその場に倒れ込んだ細身の男は、そのままぴくりとも動かなくなった。
 
 「気持ち悪いだけでした。自分本位で、ほとんどオナニーと一緒ですね。 ではさようなら」
 「何言って……ごぁ」

 ポラリスの右手が自分の胸へと埋められていた男の顔を起こし、その太い首をへし折った。
 男の首は直角に曲がり、天井の方を向いている。
 そのまま銃を拾い上げると前の部屋へと入っていき、銃声がふたつした後、ポラリスは優雅な足取りで戻ってきた。
 
 「キーはその辺の死体から拾っておいてください。 船は自動運転にしたので、もうじきクレイドルと合流できるかと」

 あまりの出来事にアスカは何が何だかわからなくなっていた。
 敵の油断を誘う演技だという事はわかっていたが、その結果がこんな凄惨な物になるとは。
 涼しい顔で装備を奪い、裸に剥いた男の死体を後部ハッチから投げ捨てるポラリスの姿に、アスカは思わず恐怖を覚えてしまう。
 
 「大丈夫でしたか? 気持ちの悪い物を見せてしまいましたね」
 
 優しげな笑顔を向けられ、アスカはさらに混乱してしまった。
 涼しげで、優しく、頼りになるポラリスも、無表情で冷徹な、なんの躊躇もなく人を殺すポラリスも、どちらもポラリスなのだろう。
 そう理解しつつも伸ばされた右手が頬へと触れた時、体は自然と震えてしまっていた。
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