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オカルトハンター渚編
特別話 ある夏の日
しおりを挟む夏も終わりに近づき、涼しい日が増えてきた。
大学は遅い夏休みの真っただ中で、ようやく試験勉強から解放されたと、ルカは羽目を外しまくっている。
マンションだというのに小さなビニールプールを買い、氷水を入れてベランダに置き、誰も見てないからと言ってきわどい水着を着た。
渚にも当然のような顔をして勧めたがあっさりと断られ、今はひとり寂しくビニールプールに浮かぶ痴女のようになっていた。
「なんで着てくれないんですか?」
「恥ずかしいじゃん、ルカには見られるんだし」
「お風呂に入る仲なのに?」
リビングで水着に着替える渚へと、ルカの不満そうな声が届く。
渚が着ているのはフリルの付いた黒いビキニで、水着と言えばこれというほどお気に入りの物だ。
ルカはベランダからその光景を眺め、勿体ないなと思っていた。
オシャレな事にはオシャレなのだが、フリルのせいでせっかくのプロポーションが隠れてしまう。
黒によって引き立てられる肌の白さも隠れてしまえば台無しで、裸の威力を知っているだけにとても勿体ない。
今ルカが着ているようなスリングショットを着れば、男も女も全員目を奪われるだろう。
ルカは自分の体へと視線を下ろし、はぁと小さくため息をついた。
数センチの紐が最小限隠すべき所を隠すだけのこの水着も、自分が着ていては魅力半減だとルカは思っていた。
実際は、胸が小さいが故に生まれる僅かな隙間が見えるのではないかという期待を高め、十分目を惹きつける魅力があるのだが、ルカの比較対象はモデルのような体型の渚なのだから仕方ない。
子供のように思える自分の胸を、ルカは不満げな顔でぎゅっと抱き寄せた。
外はあと何日あるかわからない快晴の真夏日で、ベランダに居てもその日差しの強さが伝わってくる。
水面に浮いた氷も小さな粒になっており、プールから出た皮膚がじりじりと焼かれるのを感じる。
ルカは腹ばいになってプールへと寝そべり、日光から隠れた。
ルカが手足を曲げてぎりぎり体を浸せる程度の小さなプールは、子供だましのようだがひんやりと冷たく、プールとしての役割を十分果たしている。
ルカがその心地良さを堪能していると、がらがらとベランダの窓の開く音がした。
水に浸けていた顔を上げ、音の方を見る。
水着を着た渚はそっとしゃがむと、ルカの上に馬乗りになった。
「ちょっと、渚さん?」
「顔が沈んだらルカの負けね?」
「なに言って、んあっ」
ルカの腰のあたりに座った渚は足を絡ませながら体を密着させ、紐の隙間から手を差し入れた。
氷水で冷えた乳房が渚の両手によって温められ、ルカはそのくすぐったさから思わず声を上げてしまう。
渚の手はそんなルカなどお構いなしに、乳首に触れるか触れないかの位置で乳輪をなぞった。
「可愛いね」
「なにがで……ぅぅん」
「おっぱい全部。 ちっちゃい所も、感じやすい所も可愛いなって」
「そんなエロ親父みたいなぁっ……」
渚の手はわざと一番感じてしまう乳房の縁と乳首を避け、焦らすようにルカを責める。
ルカは快感とくすぐったさの間のような感覚に襲われながら、自らの中に熱が宿っていくのを感じていた。
マンションの中とは言え、ここはベランダだ。
あまり大きな声を立てれば他の住人に聞かれてしまうかもしれない。
そんな緊張感と大胆な水着を着ているという状況が、ルカの中の熱をどんどんと大きくさせていく。
背後から首筋をなぞる様に舌が這うと、ルカは小さく体を震わせた。
羞恥心を抱かせるためにあえて胸にだけ言及したが、渚はルカが可愛くて仕方ない。
ふわふわに毛先が巻かれた明るい茶色の髪も、くりくりとした同じく茶色の大きな目も、長く、薄ピンク色の綺麗な舌も、最近、少しだけ丸くなってきたそのお腹も、全てが可愛らしい。
そんな可愛らしいルカがエッチな水着を着て、自分の責めに体を震わせて感じているのだから我慢できるはずがない。
渚はかぷっとルカの耳を口に含むと、舌を這わせながら優しく歯を立てた。
「あっ…… それっ…… 力が抜けてぇっ……」
同時に乳房の縁を撫で、指を立てて乳首へと触れる。
刺激の少ない、蕩けるような快感がルカを襲い、ルカの体は少しずつ水へと沈んでいく。
「ほら、もう顎がついちゃった。 鼻まで浸かったら溺れちゃうよ?」
「だって、弱い所ばっかり触るからぁ……」
背後を取られたルカはばたばたと足を動かして、精一杯抵抗しているフリをする。
本当は今すぐにでも負けを認め、お仕置きと称した激しい責めに溺れたい。
しかしあまりにも簡単に快感に溺れていては、いつか渚に嫌われるのではと心配していた。
ルカは、渚が思っている以上に快楽の虜になっている。
もしも渚が許すなら、一日中抱かれていたいと何度も考えていた。
しかし、村から帰ってからの渚はどこかドライで、村に居た時のような執着心が感じられない。
行雄を助けようとしたルカを止めた、身も心も、全てを絡め取る蜘蛛の糸のような狂愛。
あの時のときめきが忘れられず、ルカは常に焦らされているかのように情欲を高めていた。
「ルカがそんなエッチな格好してるからかな、なんか盛り上がってきちゃった」
「盛り上がるって…… あぁぁ……」
渚の片手が秘部へと伸び、ルカの細い内ももを優しく撫でる。
たったそれだけの事でルカの秘部はゆっくりと開いていき、冷たい水をナカへと取り込んだ。
火照った体が中から冷やされ、快感に流されかけていたルカを冷静にしていく。
冷静になった頭は耳を舐める舌の動きを、くすぐるように胸を撫でる手の動きを、 焦らすように秘部の入口をなぞる指の動きを、事細かにルカへと伝えてくる。
その感覚がルカを堕としていった。
強い快感に脳を溶かされ、訳もわからず快楽に溺れるのとは違う。
自分が今何をされ、どうなっているのかを理解しながらも抵抗できない。
はっきりとした意識のままで、さらなる快楽を与えられるのを期待して、秘部が熱く蕩けていくのを実感した。
気持ち良い所を責められ続けたから。
なんどもイかされたから。
普段ならそう理由をつけて、淫らな考えを浮かべる自分を正当化しただろう。
「あの…… もっと激しく……」
乳房を揉みしだきながら乳首をつねりあげ、逃げようとする体を無理やり押さえつけて欲しい。
秘部の奥深くへと指を挿れ、腰が抜けるまで犯して欲しい。
唇を重ね、脳が蕩けるまで嬲って欲しい。
淫らな想像が頭の中を支配して、ルカは自分が本当に堕ちてしまったのだと理解した。
渚に抱かれるためなら、きっと何でもしてしまう。
渚の手へと体を預け、ルカは静かに水へ沈んだ。
「ダメ。 今日はいっぱい可愛がってあげるね」
渚の手がルカの体を起こし、仰向けへと変えた。
はぁはぁと熱い息を漏らすルカの表情はまだしっかりとしたもので、いつものような蕩けた物ではない。
余裕の無くなった、懇願するようなその表情が堪らない。
渚は加虐心を大いに刺激され、ルカが限界になるまで意地悪をしてみようと思いついてしまった。
氷水に浸かったルカはあくまで冷静なまま、蕩けるような快楽に浸っている。
体中を責める手は相変わらずもどかしく、求めるように伸ばした舌も受け入れられる事は無い。
決して絶頂へと辿り着く事の無いその弱い刺激は、徐々に苦しさとなってルカを襲った。
イきたい、イきたい、イきたい。
いつしかルカの頭は絶頂の事しか考えられなくなっていた。
しかし、冷静な頭ではどうしたら良いのかわからない。
おねだりしようにも、快感に流されるまま自然と口走るのとは訳が違う。
どう言ったら受け入れられ、絶頂へと導いてくれるのか。
ルカは必死に頭を働かせながら、物言いたげな顔を渚へと向ける。
渚はふふっと妖しい笑みを浮かべて、ルカの耳を舐め回した。
「渚さんっ…… もう限界ですっ……」
「うそ。 まだ全然蕩けてないよ?」
「体冷えてるからそう見えてるだけで…… もうほんとに限界です……」
ルカの潤んだ瞳が渚の劣情を煽る。
乱れ、蕩けきった淫らな姿を見るのも良いが、今はもっと困った顔が見たい。
イけない、満足出来ないような弱い快感を与え続け、泣きそうな顔で体を震わせるのが見たい。
渚の気まぐれがルカを苦しめ、段々と余裕を奪っていく。
意地悪が過ぎたのか、ついには泣き出してしまった。
「もう無理ですっ…… イかせてください…… 意地悪しないで……」
「ごめんねルカ、ちょっと意地悪しすぎちゃった。 せっかくだから、このままお風呂入ろっか」
渚はルカをひょいと起こし、お風呂場の方へと運んでいく。
そのまま浴槽へと入り、ふたりは顔を見合わせる。
落ち着きを取り戻したふたりは先ほどまでの出来事を思い出し、頬を赤く染めていた。
「私達、何してたんだろ……」
「私も…… すごく恥ずかしい事言ってましたよね……」
温かなお湯の中で一息ついたのがいけなかったのか、ふたりは完全に冷静さを取り戻していた。
マンションのベランダで性行為に及び、ましてやイかせてくださいと懇願させるなど正気では無い。
もしあのまま行為に及んでいたら、もうこのマンションには住めなくなっていたかも知れない。
夏の気温にやられたのかきわどい水着にやられたのか、とにかくどこかおかしくなっていたのは確かだ。
触れ合う肌からお互いの鼓動を感じながら、ふたりはそれぞれ己の行動を反省した。
「なんでこんな事になったんでしたっけ?」
「んー…… ルカがエッチな水着を着たせいかな?」
「触ってきたのは渚さんなのに?」
ベランダに椅子を出し、ふたり並んで空を眺めた。
空はちょうど夕焼けに差し掛かる頃で、先ほどまでの暑さが嘘のように引いている。
お風呂上がりにはちょうど良いくらいの涼しさで、吹き抜ける風がふたりの髪を撫でていた。
「夏って、ちょっとカブトムシの匂いがしません?」
「なにそれ」
ルカは渚の方を向き、楽しそうに笑った。
結局、ふたりは長い間水着で過ごしてしまったわけだが、たまにはこんな日があってもいいかと思えていた。
今まではろくに楽しんでこなかった季節ならではのイベントも、ふたりなら存分に楽しめる。
それどころか、きわどい水着やコスプレなど、見せたい相手がいるからこそ出来る物もいくつもある。
渚がこれからの季節を楽しみに思っている時、ルカは渚に黙って買ったコスプレ衣装へと思いを馳せていた。
「渚さんはどんなコスプレが好きですか?」
「急だね。 着る方? 見る方?」
「両方知りたいです!」
ルカは目を輝かせ、食い気味に答えた。
本当は見る方を聞いただけなのだが、着てくれる衣装がわかるなら大収穫だ。
急に前のめりになったルカを、渚は怪しむような目で見ている。
墓穴だったかと少し後悔したが、変な衣装を着せられるよりはマシだろう。
意を決して、ルカに答えた。
「着るなら…… レースクイーンとか? 見るなら…… メイドさんかな?」
ルカの目が輝きを増し、ごくりと唾を飲む音が聞こえた。
渚を見る視線にねちっこさが混じり、全身を吟味されているような気がしてくる。
ようやく視線がもとに戻ると、ルカは心の底から嬉しそうな顔をした。
「実は…… 両方あるんですよね」
「なんで?」
驚いた顔をする渚を横目に、ルカはクローゼットへと一目散に駆けていく。
そして隅に隠されたダンボールを手にすると、中からふたつの衣装を取り出した。
ひとつはミニスカートのメイド服。
黒を基調にしふりふりのついた、いかにもコスプレ用のメイド服だ。
もう一つはきわどい黒の水着に白いチューブトップと、ほとんどお尻が見える長さの白いミニスカートがセットの、見方によってはレースクイーンにも見える物。
本当にたまたまだったのだが、ちょうど渚の挙げたふたつが揃っていた。
ルカはそれを嬉しそうな顔で持ってくると、渚の目の前で着替えを始めてしまった。
少しして、そこには可愛らしいメイドさんが立っていた。
ヘッドドレスに、おへそが見えそうなほど丈の短い半袖の服。
手首には短い付け袖がついており、ふりふりのスカートはちょっとした段差で中が見えてしまいそうなほど短い。
可愛らしいルカには良く似合っていて、思わず目を奪われてしまった。
「どうです? メイドですよご主人様?」
指でハートを作り、舌をちらっと見せてくる。
今日はピアスをつけていないがそれでも十分に性的だ。
あまりの可愛らしさに、渚は顔を背けてしまう。
ご主人様と言われたのが効いたのか、渚の胸はきゅんきゅんとときめいている。
自分があまり可愛いとは縁が無いと思っている渚にとって、可愛らしさの暴力とも言えるルカのコスプレは、興味を引くとともに憧れだった。
自分が着ては絶対に似合わないであろう衣装を着こなすルカの姿はとても眩しく見える。
感動を覚える渚の様子を見て、ルカは少し首を傾げていた。
可愛い! だとか、似合ってる! だとか。
とにかく感想を言ってくれるとばかり思っていた。
それが顔を赤くして視線を逸らすものだから、ルカの中に眠るいたずら心に火がついてしまう。
ルカは渚の膝の上に座り、上目遣いに顔を覗き込んだ。
「ほら、貴女だけのメイドですよ、ご主人様。 なんでも命令してください?」
「なんでもって言われても……」
「エッチな事も大歓迎ですよ? 下着だって着てないんですから……」
左耳に囁くようにして、ルカは体を密着させる。
メイド服の薄い生地越しに柔らかさと熱が伝わり、渚の胸をいっぱいにしていく。
ルカの甘い香りも手伝って、渚はもういっぱいいっぱいだった。
痴漢をする犯罪者たちもこんな心境なのだろう。
湧き上がる欲求が抑えきれず、体が言うことを聞かない。
気づくと片手はルカの背中を抱き、片手はそのスカートの下の小さなお尻を揉みしだいていた。
そのいやらしい手つきにルカは嬉しそうな顔をして、更に意識させるように体の密着度を高めていく。
渚の頭の中はルカの柔らかさ、熱、甘い香り、唆るような挑発的な表情で埋め尽くされ、他の事が考えられない。
無我夢中な渚の様子に、ルカは気分が高まるのを感じていた。
もっと自分を感じて欲しい。
もっと夢中にさせたい。
お返しばかりに渚の左耳へと噛み付くと、囁きながら水着の下へと手を差し入れた。
「なんでも命令して良いんですよ、ご主人様。 上になるのも下になるのも、ご主人様の命令ひとつで自由自在です……」
「ルカ、これちょっとヤバいかも……」
ルカの手が渚の乳首をなぞる度、渚は必死に快感に耐える顔をして体をぴくりと跳ねさせた。
クールな渚が快感に悶えているのが堪らない。
ルカはメイドの姿をしていながら、すっかり主導権を握っていた。
「ほら、続きはベッドでしましょう? いっぱい鳴かせてあげますから」
「うん、わかった……」
ルカに誘われるまま、渚はふらふらとベッドへと向かう。
その表情は虚ろで、もう快感の虜になっているのがわかる。
服ひとつでこんなになってしまう渚が可愛くて、その首筋へと舌を這わせながら体を密着させてベッドへと向かった。
寝室。
最近買い替えたダブルベッドの上に渚の体が沈む。
ベッドは優しく渚の体を受け止めて、続けて体を重ねたルカの重さによって渚の体をより深く沈めていく。
全身を柔らかな感触が包み込むと、ルカは渚の腰の上に跨った。
「どうです、すごくエッチだと思いませんか? もし渚さんが男だったら、きっともう入っちゃってますよ?」
渚の秘部の上、男なら男根が生えているであろうその場所にルカは跨り、ぐりぐりと押し付けるように腰を動かしている。
当然渚に男根は無いのだが、ルカのその魅惑的な腰つきが渚の情欲を刺激する。
もし本当に生えていたなら、どれだけの快感を与えられただろう。
知らず知らずの内にルカの動きに合わせて腰が上がり、ルカの体は存在しない男根によって突き上げられる。
ルカはその動きに合わせてわざとらしく喘ぎ、渚の情欲をさらに刺激した。
「あっ♡ あっ♡ あっ♡ そうです、ご主人様…… その逞しいおちんちんで私をぐちゃぐちゃにしてください♡」
「でも私生えてない……」
「ダメですよ渚さん、ちゃんとご主人様になりきって……」
ルカはそっと耳元で囁くと、ご主人様を襲う淫らなメイドへと戻っていく。
ふたりの想像の世界では、奥手なご主人様が淫乱なメイドに襲われる、逆レイプのシチュエーションが出来ていた。
ふたりはそれぞれの役に合わせ、その世界を作り上げていく。
「渚さん、挿れちゃいますね」
「なに、を…… あぁぁぁぁ!」
ルカが手に持っていたのは特殊なディルドだった。
片側は男根を模した形状をしており、その反対側は落ちないように秘部へと固定するためのストッパーとなっている。
渚の秘部へはストッパーの側が挿れられたのだが、その刺激だけで渚はイってしまいそうだった。
はぁはぁと息を漏らし潤んだ瞳をする渚を、ルカの獲物を狙うかのような鋭い視線が襲う。
冷静に状況を判断し、的確に弱点を狙うその視線が渚の体へと突き刺さる。
その視線からこれから犯すぞという強い決意が伝わってきて、渚はその視線だけで軽くイってしまった。
渚から生えたディルドの亀頭部分が、ルカの秘部へと咥えられる。
本来感じるはずのないルカのナカの感触が、渚にははっきりと感じられる。
ひだのひとつひとつが男根へと絡みつき、逃さないようにぴったりと纏わりついてくる。
その快感は腰が抜けそうになるほどで、渚の背中にぞくぞくとした強い快感が走り抜けた。
もしこれが本物の男根だったなら射精していただろう。
泣き出しそうな顔で腰を震わせる渚の様子に、ルカは興奮が治まらない。
とろとろに蕩けた秘部を渚の秘部へと押し付けるように、一気にディルドを最奥へと導いた。
「くっ……ぅん♡」
「あぁぁぁぁ♡」
静かに快感を噛みしめるルカに対し、渚は大きく口を開けて喘いでいる。
本来、濡れそぼった蜜壺の一番奥まで男根を招き入れたルカの方が快感は大きいのだが、渚はその想像力により男根全体から身を焦がすような快感を受けていた。
このまま蕩けていってしまいそうな、正しくルカとひとつになるような強い快感。
今までとは違うその快感に、渚の頭はショートしている。
視界がぱちぱちと白く点滅し、何も考えられない。
ルカはそんな渚を満足そうな表情で眺めると、腰を大きく上下に動かした。
ぱん、ぱん、と、規則的に打ち下ろされる腰が肉同士のぶつかる卑猥な音を立てる。
その動きに合わせて渚はあっ♡、あっ♡と切なげな喘ぎ声を上げ、愛液を溢れさせた。
ルカは渚を見下ろしたまま挑発的な視線を向け続け、淡々と腰を動かし続ける。
渚はベッドシーツをぎゅっと掴み、全身を強張らせてその強烈な快感を受け続けていた。
「ほら、ご主人様…… もう我慢しないでイってください。 メイドに犯されて、泣きながらびゅーびゅーってイくんです」
「もうむりっ♡ ほんとにイっちゃう…… イっちゃうからぁっ♡」
腰のがくがくが大きくなり、渚は目を見開いて口をだらしなく開いている。
限界が近いのを察すると、ルカは腰のペースを更に速めた。
「ほら、良いですよ…… ナカにびゅーって射精してください♡ ほら、さん、にぃ、いち……」
「イく、もうイく、イっちゃう! イ…… あぁぁぁぁ♡」
「ゼロ♡」
渚は体を大きく震わせてルカのナカをかき乱した。
不規則なその揺れがルカを絶頂へと誘ったが、ルカは歯を食いしばりその絶頂に耐えていた。
情けなくイき果てたご主人様へと見下すような視線を向けて、その劣等感を引き立てなくてはならない。
今まで見たことのないルカの冷たい視線は渚の体へと突き刺さり、未知の快感を伝えてくる。
初めて感じた射精感も相まって、渚の体はもうどろどろに溶けてしまった。
「何してたんでしょう私たち……」
「わかんない……私、女なのに……」
ベッドで抱き合ったまま、我に返ったふたりは反省会をしていた。
あの間は確かに渚から男根が生え、蜜壺に包まれる快感を感じ、射精していた。
ルカもナカへと放たれる灼熱を感じたし、子宮がいっぱいになるまで注ぎ込まれるのを感じていた。
なんなら、卵子が精子によって犯されるのを感じたくらいだ。
しかし、現実的にそんな事はありえない。
渚の男根だったディルドはそこに転がっており、ルカのナカから白濁液は出てこない。
想像の中とはいえ、まるで現実だったかのように感じられた今回のセックスは、ふたりの中でまた新たな経験として刻み込まれた。
プールでの出来事も、現実離れしたこの一時も、ひとえに夏のせいだろう。
お互いの体温に若干の暑苦しさを感じながら、ふたりは夏の終わりを惜しんでいた。
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