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2章 夜見のパーティー
11話 探索
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「なんでジジイが世話を焼くかって?ジジイも生きてなげぇから情でも湧くんじゃねぇか?」
そういうのじゃない気がするけどなぁと思いつつも、僕はダビデの情報探索についていく。
「まあこういう裏の話はジャンキーに聞くほかねぇ」
ダビデに連れられて、A区の夜市に入る。A区は麻薬などのブローカーが多いらしく、もくもくとした煙が焚かれていて吸っていいものじゃない気がするので鼻をつまむ。それにしてもダビデは娼婦の女によく声をかけられる。
「モテモテだね」
「顔がイイからな」
腹立つ返答が返ってきたのでそれ以上は褒めない。
「ここだここ」
そういうと夜市の壁に指で何かを書く。と、書いた跡がひかりだした。
「なにこれ?魔法?」
「混ざりもんだが俺に魔力はねぇよ。この壁は登録した模様をなぞると開くようになってんだよ。ほら、開くぞ」
今のはどうやら壁が開くためのパスワードだったようだ。壁の煉瓦がうまいことずれて開いた。
「いくぞ。用があるのは中のやつだ」
中は夜市より濃い薬の空気が充満していて、息ができそうにもなく口をぱくぱくする。
「ジャンキー!いるか?」
「いなかったらどうすんだい」
暗闇から声が聞こえた。酷く顔色の悪い女がソファに身を沈めていた。上半身は僕みたいな人間だが、下半身は芋虫のそれであった。
「最近流行りの少女失踪について聞きてぇんだが…」
ダビデの言葉の途中だが、ジャンキーはダビデの顔に吸った煙草の煙を吹きかけて笑う。
「んなこたぁ知っとるよ。あたしがほしいのはわかってんだろう?」
「ちっ、おらよ」
ダビデがバサッと何かが写った写真をばらまいた。
「これこれ!!これだ、あたしがほしいのは!はぁ~…綺麗だねぇ…」
ジャンキーは写真を広い集め、嬉しそうに眺めている。
「何あげたの?怖いんだけど…」
「ディーバの写真だよ。ここらはあいつのファンが多いんだ」
なるほどね。
「はぁ…いいだろ。情報をくれてやる。少女が消えているのは上流階級のパーティー。しかも催しているのは七王の配下の一人ときた」
「七王?また厄介な名前だなぁ…。あぁ、ローレンも会ったろ。解体王みたいな奴らの集まりだよ」
解体王。僕を買った男。ディーバを楽器にしようとした男。あんな奴みたいな仲間が少女をさらっているとしたら、早く奪還しないとまずいのではないか。
「だろうな。けど参ったな…。B区の俺らには上流階級なんてツテがねぇ」
「しょうがないねぇ。あたしの知り合いに上流階級に通じてるのが一人いるから、話しといてやる」
「さすがジャンキー。話がわかるぜ」
ジャンキーは、嬉しそうに壁に写真を貼り付けていた。これで、少女までの道が少し、開かれた。
そういうのじゃない気がするけどなぁと思いつつも、僕はダビデの情報探索についていく。
「まあこういう裏の話はジャンキーに聞くほかねぇ」
ダビデに連れられて、A区の夜市に入る。A区は麻薬などのブローカーが多いらしく、もくもくとした煙が焚かれていて吸っていいものじゃない気がするので鼻をつまむ。それにしてもダビデは娼婦の女によく声をかけられる。
「モテモテだね」
「顔がイイからな」
腹立つ返答が返ってきたのでそれ以上は褒めない。
「ここだここ」
そういうと夜市の壁に指で何かを書く。と、書いた跡がひかりだした。
「なにこれ?魔法?」
「混ざりもんだが俺に魔力はねぇよ。この壁は登録した模様をなぞると開くようになってんだよ。ほら、開くぞ」
今のはどうやら壁が開くためのパスワードだったようだ。壁の煉瓦がうまいことずれて開いた。
「いくぞ。用があるのは中のやつだ」
中は夜市より濃い薬の空気が充満していて、息ができそうにもなく口をぱくぱくする。
「ジャンキー!いるか?」
「いなかったらどうすんだい」
暗闇から声が聞こえた。酷く顔色の悪い女がソファに身を沈めていた。上半身は僕みたいな人間だが、下半身は芋虫のそれであった。
「最近流行りの少女失踪について聞きてぇんだが…」
ダビデの言葉の途中だが、ジャンキーはダビデの顔に吸った煙草の煙を吹きかけて笑う。
「んなこたぁ知っとるよ。あたしがほしいのはわかってんだろう?」
「ちっ、おらよ」
ダビデがバサッと何かが写った写真をばらまいた。
「これこれ!!これだ、あたしがほしいのは!はぁ~…綺麗だねぇ…」
ジャンキーは写真を広い集め、嬉しそうに眺めている。
「何あげたの?怖いんだけど…」
「ディーバの写真だよ。ここらはあいつのファンが多いんだ」
なるほどね。
「はぁ…いいだろ。情報をくれてやる。少女が消えているのは上流階級のパーティー。しかも催しているのは七王の配下の一人ときた」
「七王?また厄介な名前だなぁ…。あぁ、ローレンも会ったろ。解体王みたいな奴らの集まりだよ」
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「だろうな。けど参ったな…。B区の俺らには上流階級なんてツテがねぇ」
「しょうがないねぇ。あたしの知り合いに上流階級に通じてるのが一人いるから、話しといてやる」
「さすがジャンキー。話がわかるぜ」
ジャンキーは、嬉しそうに壁に写真を貼り付けていた。これで、少女までの道が少し、開かれた。
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