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第四章・生涯で唯一一度もお相手願えなかった、気位の高い猫みたいな男と。
4-9・服従
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もはや全身で服従の体勢を取る俺に、猫塚はもう一度優美な微笑みを向けた。
「そうそう。言いつけを守れた犬には、ご褒美をあげないとね」
「あっ、ぅ……?」
「お望み通りに、もっと奥。……ぶち抜いてあげるよ」
「はぐっ……!?」
突き当たりに届いていたはずの先端に、更なる力が込められる。内臓の、入り込んではいけない場所への扉を、猫塚の硬直が力任せにぶち破ろうとしている。全身に冷や汗が流れた。本能の警告が白い光になって、頭の中でちかちかと明滅している。
「やっ、らめっ、そこっ、ふ、ふがいぃっ♡」
「そうだよ。キミの一番深いところ……結腸に、オレの印をつけてあげる」
「あ゛ッあ゛あっ、やめっ、ひぎっ、お゛ぁあ゛っ♡♡」
窮屈な曲がり目が、無理矢理な圧力でぶち抜かれる。
へそ裏あたりの腹筋から、ごちゅ、と硬いものがぶつかる音がした。
「お゛ッ……♡♡♡」
全身の生命活動が、一瞬だけ途切れた。
窮屈な窄まりを超えた瞬間、猫塚の亀頭は、吸い込まれるようにづるんと奥へと入ってきた。境目の窄まりが、カリ首の溝にぴったりと嵌まり込む。猫塚の長いペニスが、型取るように俺の肉に刻まれているのが理解る。
「かはっ……ああ、最高、だ……ッ」
「か、ひゅっ……ふぅっ、あ゛っ……はッ♡♡♡」
無様に緩んだ喉の奥を、ただ細い呼吸だけが行き来する。苦しい。死にそうだ。内臓の奥が、大量出血でもしたかのように鈍重な痛みを放つ。なのに馬鹿になってしまった俺の脳髄は、その苦痛すらも甘い多幸感へと変換していた。
「はっ、くっ……さすがはワン君。胎の奥までねっとり絡みついてくる……極上品だ」
「ひぎっ、お゛っぉん゛ッ♡♡♡」
ぱちゅぱちゅと音を立てて、猫塚は俺の体を揺すぶりながら突き上げる。いつの間にか肉体の拘束が緩んでいることには、もうずいぶん前から気が付いていた。もちろん逃げる気は毛ほども起こらない。それどころか自ら快感を貪れることだけが、今の俺にはこの上ない悦びだと思えた。
小便をする犬のごとく高々と片足を上げる。深いところをえぐるようにかき回されると、ひくつく穴からぐちゃぐちゃといやらしい音がした。呂律の回らない口で、唾液と哀願を一緒に垂れ流す。
「ご、ごしゅじんひゃまっ♡♡ い、ぎだいッ、も、俺、しゃせい、したいッれすっ、いきたい゛ッお゛ッああ゛ッ♡♡」
「っは、こら……主人より先にッ、がっつく犬がいるか……ッ!」
「ひう゛ンッ♡♡♡」
ずっぷりと雄を吞み込んだ尻を、猫塚の手が軽く打った。振動と痛みが内部までじぃんと響く。熱を持って震える内壁が、更にその感度を増していく。限界が近いのだと本能が囁く。けれど猫塚の言う通り、俺の体を貫いている主人より、俺が先に射精するわけにはいかない。今の俺にできるのは、尻を振って必死に強請ることだけだ。
「あ゛ぉっ早く、はや゛くっ、ご主人様、出してっ、出してくれッはやくぅッ♡♡♡」
「ふっ、どこに、何をだい? ちゃんと言葉に、するんだッ」
「あっなかっ、中にぃっ♡♡ 俺のなか、お゛っ奥にっ一番おくにぃッ、ご主人様の精子れっ、焼き印押してぇっ♡♡♡」
「っは……ッ! つくづく卑しいな、この駄犬がッ……!」
何度も擦られて痺れた肉の筒が、痙攣しながら肉棒をきゅうきゅうと締め付け始めた。もうすぐ俺は、ほじくり返された穴の最奥で猫塚の精液を受け止める。そうして身も心も猫塚に服従したその先に、未だ俺の知らない天国が待っている。全身が歓喜にわなないた。最高だ。俺の、ご主人様は。
「あ゛ッお゛ッ♡♡♡ ご主人様、ごしゅじんひゃまの卑しい犬に、種付けしてくりゃひゃいィッ♡♡♡」
「く、ははっ、それじゃあお望み通りに……出すぞっ、はっ、受精しながら、イけっ……!!」
「あ゛っお゛おォっ♡♡♡ あぁ、あつい、あ゛っ出るっ♡♡ イくっいぐっあ゛っあお゛ッ、あ゛お゛ぉおん゛ッ♡♡♡」
獣の断末魔にも似た咆哮が、喉の奥から溢れ出した。
はらわたの奥で熱い精液を受け止めながら、俺は初めて知る絶頂の極みに達していた。
「そうそう。言いつけを守れた犬には、ご褒美をあげないとね」
「あっ、ぅ……?」
「お望み通りに、もっと奥。……ぶち抜いてあげるよ」
「はぐっ……!?」
突き当たりに届いていたはずの先端に、更なる力が込められる。内臓の、入り込んではいけない場所への扉を、猫塚の硬直が力任せにぶち破ろうとしている。全身に冷や汗が流れた。本能の警告が白い光になって、頭の中でちかちかと明滅している。
「やっ、らめっ、そこっ、ふ、ふがいぃっ♡」
「そうだよ。キミの一番深いところ……結腸に、オレの印をつけてあげる」
「あ゛ッあ゛あっ、やめっ、ひぎっ、お゛ぁあ゛っ♡♡」
窮屈な曲がり目が、無理矢理な圧力でぶち抜かれる。
へそ裏あたりの腹筋から、ごちゅ、と硬いものがぶつかる音がした。
「お゛ッ……♡♡♡」
全身の生命活動が、一瞬だけ途切れた。
窮屈な窄まりを超えた瞬間、猫塚の亀頭は、吸い込まれるようにづるんと奥へと入ってきた。境目の窄まりが、カリ首の溝にぴったりと嵌まり込む。猫塚の長いペニスが、型取るように俺の肉に刻まれているのが理解る。
「かはっ……ああ、最高、だ……ッ」
「か、ひゅっ……ふぅっ、あ゛っ……はッ♡♡♡」
無様に緩んだ喉の奥を、ただ細い呼吸だけが行き来する。苦しい。死にそうだ。内臓の奥が、大量出血でもしたかのように鈍重な痛みを放つ。なのに馬鹿になってしまった俺の脳髄は、その苦痛すらも甘い多幸感へと変換していた。
「はっ、くっ……さすがはワン君。胎の奥までねっとり絡みついてくる……極上品だ」
「ひぎっ、お゛っぉん゛ッ♡♡♡」
ぱちゅぱちゅと音を立てて、猫塚は俺の体を揺すぶりながら突き上げる。いつの間にか肉体の拘束が緩んでいることには、もうずいぶん前から気が付いていた。もちろん逃げる気は毛ほども起こらない。それどころか自ら快感を貪れることだけが、今の俺にはこの上ない悦びだと思えた。
小便をする犬のごとく高々と片足を上げる。深いところをえぐるようにかき回されると、ひくつく穴からぐちゃぐちゃといやらしい音がした。呂律の回らない口で、唾液と哀願を一緒に垂れ流す。
「ご、ごしゅじんひゃまっ♡♡ い、ぎだいッ、も、俺、しゃせい、したいッれすっ、いきたい゛ッお゛ッああ゛ッ♡♡」
「っは、こら……主人より先にッ、がっつく犬がいるか……ッ!」
「ひう゛ンッ♡♡♡」
ずっぷりと雄を吞み込んだ尻を、猫塚の手が軽く打った。振動と痛みが内部までじぃんと響く。熱を持って震える内壁が、更にその感度を増していく。限界が近いのだと本能が囁く。けれど猫塚の言う通り、俺の体を貫いている主人より、俺が先に射精するわけにはいかない。今の俺にできるのは、尻を振って必死に強請ることだけだ。
「あ゛ぉっ早く、はや゛くっ、ご主人様、出してっ、出してくれッはやくぅッ♡♡♡」
「ふっ、どこに、何をだい? ちゃんと言葉に、するんだッ」
「あっなかっ、中にぃっ♡♡ 俺のなか、お゛っ奥にっ一番おくにぃッ、ご主人様の精子れっ、焼き印押してぇっ♡♡♡」
「っは……ッ! つくづく卑しいな、この駄犬がッ……!」
何度も擦られて痺れた肉の筒が、痙攣しながら肉棒をきゅうきゅうと締め付け始めた。もうすぐ俺は、ほじくり返された穴の最奥で猫塚の精液を受け止める。そうして身も心も猫塚に服従したその先に、未だ俺の知らない天国が待っている。全身が歓喜にわなないた。最高だ。俺の、ご主人様は。
「あ゛ッお゛ッ♡♡♡ ご主人様、ごしゅじんひゃまの卑しい犬に、種付けしてくりゃひゃいィッ♡♡♡」
「く、ははっ、それじゃあお望み通りに……出すぞっ、はっ、受精しながら、イけっ……!!」
「あ゛っお゛おォっ♡♡♡ あぁ、あつい、あ゛っ出るっ♡♡ イくっいぐっあ゛っあお゛ッ、あ゛お゛ぉおん゛ッ♡♡♡」
獣の断末魔にも似た咆哮が、喉の奥から溢れ出した。
はらわたの奥で熱い精液を受け止めながら、俺は初めて知る絶頂の極みに達していた。
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