死ぬ前に一度だけ、セックスしたい人はいますか?──自称ノンケな欲望担当天使のつがわせお仕事日記

スイセイ

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第四章・生涯で唯一一度もお相手願えなかった、気位の高い猫みたいな男と。

4-0・カケラ

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 後悔、とは言わない。
 未練だ。現世に残した執着、叶えることのできなかった願望。それらの果たし得なかった無念を未練と呼ぶのなら、俺にとっての未練は生涯を通じてただ一つしかない。
 ただ一つの未練。つまり換言すれば、他の願いはすべて、生きているうちに俺自身の手で叶えてきたということだ。素晴らしい。とかく後悔ばかりが世に聞こえる人生という演目において、俺みたいな実例はなかなかないだろう?
 そうだ。後悔は無い。他人にどう評されようと、間違いなく愉しい人生だった。俺の腕に一度でも抱かれた数多の男女も同じことを言うはずだ。俺に出会えてよかった、俺と肌を重ねてよかった、と。それこそが俺の誇りであり、人生の意義だった。
 だが、長いようで短かった俺の生涯でただひとり。
 人生の終幕に至るまで、ただひとりだけ、望んでもそのセリフを吐かせられなかったヤツがいる。
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