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第三章・せっくすの仕方がわからないぼくたちが、神の思し召しで遣わされた天使様方に教わって。
3-0・カケラ
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自らが正しいと信じた道を、まっすぐに歩み続けた人生だった。
神に身を捧げて他者のために尽くし、信仰の道を行く人々に寄り添う。選んだ生き方に喜びこそあれ、後悔の念は何も無い。静謐なれど穏やかで満ち足りた一生だった。今まさに神の御許に召されようとする間際に至っても、その思いは変わらない。
だがそれと同時に、今この瞬間私の心には、心残りと言うには僅かに足りない、一つの疑念が浮かんでいる。
遠い昔、まだ未熟だった少年のあの頃。ただ一度、ただ一度だけ私の中に灯った、理性では知り得ぬ小さな熱。
あのときあの熱に触れていれば。そして熱に浮かされたまま、彼の手を取っていれば。
私はどうなっていただろう。
彼は、どうなっていただろう。
神に身を捧げて他者のために尽くし、信仰の道を行く人々に寄り添う。選んだ生き方に喜びこそあれ、後悔の念は何も無い。静謐なれど穏やかで満ち足りた一生だった。今まさに神の御許に召されようとする間際に至っても、その思いは変わらない。
だがそれと同時に、今この瞬間私の心には、心残りと言うには僅かに足りない、一つの疑念が浮かんでいる。
遠い昔、まだ未熟だった少年のあの頃。ただ一度、ただ一度だけ私の中に灯った、理性では知り得ぬ小さな熱。
あのときあの熱に触れていれば。そして熱に浮かされたまま、彼の手を取っていれば。
私はどうなっていただろう。
彼は、どうなっていただろう。
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