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第一章・病に倒れたおれをいつも隣で励ましてくれた、幼なじみのあいつと。
1-8・生きてるって感じ
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「じゃ……、彬」
「うん……、……っく……」
十分すぎるくらい慣らしてもらったそこに、硬くなったアレはゆっくりゆっくり侵入してきた。想像していたよりも痛みはなかった。ただやっぱり身もふたもなく言ってしまえば、そこは本来入れるとこじゃなくて出すとこだ。ほんとは入ってきちゃいけない場所を他人の肉体で広げられるのは、痛み未満の違和感がものすごい。心拍数が上がる。額に汗が垂れ落ちる。今だけは健康なはずの肉体が、もう無理だとばかりに悲鳴を上げている。
「っは……、はぁっ、……はあっ……」
「……っ、は……彬、だいじょぶか? 苦しい?」
「ん、いや……へ、へいき……っ」
「無理すんな。辛かったら一回やめ」
「っ、やだっ!」
跳ねるように首だけで振り向くと、至近距離の光亮と目が合った。眉間に少しだけ皴が寄っている。気持ちいいと思って、くれてるんだろうか。
「辛くない……辛くないから、マジで、お願い、やめないで」
「でも、彬」
「だって!」
知らず悲鳴のような声が出た。光亮の体がびくりと震える。その胸に触れるように手を伸ばして、荒い息を抑え切れないまま呟いた。
「だって今、おれ、光亮と……セックスしてるんだ」
「……!」
光亮が息を呑む。同時におれの中に入ったものが少しだけ大きくなった。ああ、やっぱり。やっぱり光亮も、おれとのセックスで興奮してくれてるんだ。だったらこんなに幸せな時間、おれには一生に一度しかない。
首を持ち上げて光亮に近づける。無理な姿勢を気遣ったのか、光亮の方からもおれに顔を寄せてくれた。同情でもいい。理由がなんだって、今おれの中にいる光亮の熱さだけは本物だ。
「ん……ふ、こうすけぇ……」
「っは……、……彬」
何度もキスを繰り返しながら、甘えるように腰を揺すった。光亮の腕がおれの腰をそっと支えて、それからためらいがちに動き始める。抜かれるときはともかく奥までぐっと押し込まれると、圧迫感で口から内臓が飛び出そうになる。これ以上心配かけたくないのに、うっ、うっと小さな呻きが勝手に漏れる。
「っあ、ふ……、うぅ……っ」
「彬……、っ……、……こっち、も」
「っあ!? や、うぁ……っ!」
後ろから回ってきた光亮の手のひらが、おれの大事な部分を包み込んで擦り上げた。反射的に跳ねた腰に、光亮のアレがより深く突き刺さる。気持ちいい。苦しい。矛盾する二つの感覚が解け合って、わけのわからない渦の中に飲み込まれていく。
「あっ、は、ははっ……光亮、こうすけぇ……ははっ」
「え、ど、どうした、彬。なんか、だいじょぶか」
「うん、なんかね、おれ、ふふっ……今おれ、すごい、生きてるって感じする」
「……っは……、……そっか」
おれのアレを握る手の力が、少しだけ強くなった。同時に光亮の動きがだんだん激しくなって、背中越しの体温もどんどん熱を増していく。ああ、そうか。好きな人とセックスするって、こういう気持ちなんだ。よかった。最期に一回だけでもそれを知ることができて、おまけにその相手が光亮で。
おれ、ほんとに、生きててよかった。
中を行き来する熱いものを、体が勝手にきゅう、と締めつける。同じリズムで擦られる前が、絶頂を悟って震え始めている。
「あ、あぁ、も、いく、光亮、こーすけぇっ!」
「うん、俺も……っ、……っは、あき、ら……っ!」
「あっ、あ、あ……、……っあぁっ!」
「…………っ!!」
出した精液は全部、光亮の手のひらが受け止めてくれた。おれの中の光亮もどくどく脈打って、光亮も今、出してるんだな、ってわかった。はぁ、と深く息をつく。光亮の吐息が耳元をくすぐる。
全力で走ったあとみたいに、ベッドの上に崩れ落ちる。こんな心地いい疲労感はほんとに久しぶりだ。光亮もおれの上に乗っかったまま、荒くなった呼吸を整えている。
「なんかさ……試合のあとみたいだな」
光亮が呟いた感想は、お世辞にもロマンチックなもんじゃない。けど正直、おれも同感だ。
「あのさ、光亮」
「ん?」
「その……ありがとな。いろいろ」
「なんだよ。お礼言うようなことじゃないだろ」
振り返って告げた心からの感謝に、光亮は苦笑しながらおれの頭を叩く。
ああ。なんかおれ、このまま死んでもいいや。
自分の現状を考えるとちょっと不謹慎なそのセリフは、光亮の前で口に出すのはやめにしておいた。
「うん……、……っく……」
十分すぎるくらい慣らしてもらったそこに、硬くなったアレはゆっくりゆっくり侵入してきた。想像していたよりも痛みはなかった。ただやっぱり身もふたもなく言ってしまえば、そこは本来入れるとこじゃなくて出すとこだ。ほんとは入ってきちゃいけない場所を他人の肉体で広げられるのは、痛み未満の違和感がものすごい。心拍数が上がる。額に汗が垂れ落ちる。今だけは健康なはずの肉体が、もう無理だとばかりに悲鳴を上げている。
「っは……、はぁっ、……はあっ……」
「……っ、は……彬、だいじょぶか? 苦しい?」
「ん、いや……へ、へいき……っ」
「無理すんな。辛かったら一回やめ」
「っ、やだっ!」
跳ねるように首だけで振り向くと、至近距離の光亮と目が合った。眉間に少しだけ皴が寄っている。気持ちいいと思って、くれてるんだろうか。
「辛くない……辛くないから、マジで、お願い、やめないで」
「でも、彬」
「だって!」
知らず悲鳴のような声が出た。光亮の体がびくりと震える。その胸に触れるように手を伸ばして、荒い息を抑え切れないまま呟いた。
「だって今、おれ、光亮と……セックスしてるんだ」
「……!」
光亮が息を呑む。同時におれの中に入ったものが少しだけ大きくなった。ああ、やっぱり。やっぱり光亮も、おれとのセックスで興奮してくれてるんだ。だったらこんなに幸せな時間、おれには一生に一度しかない。
首を持ち上げて光亮に近づける。無理な姿勢を気遣ったのか、光亮の方からもおれに顔を寄せてくれた。同情でもいい。理由がなんだって、今おれの中にいる光亮の熱さだけは本物だ。
「ん……ふ、こうすけぇ……」
「っは……、……彬」
何度もキスを繰り返しながら、甘えるように腰を揺すった。光亮の腕がおれの腰をそっと支えて、それからためらいがちに動き始める。抜かれるときはともかく奥までぐっと押し込まれると、圧迫感で口から内臓が飛び出そうになる。これ以上心配かけたくないのに、うっ、うっと小さな呻きが勝手に漏れる。
「っあ、ふ……、うぅ……っ」
「彬……、っ……、……こっち、も」
「っあ!? や、うぁ……っ!」
後ろから回ってきた光亮の手のひらが、おれの大事な部分を包み込んで擦り上げた。反射的に跳ねた腰に、光亮のアレがより深く突き刺さる。気持ちいい。苦しい。矛盾する二つの感覚が解け合って、わけのわからない渦の中に飲み込まれていく。
「あっ、は、ははっ……光亮、こうすけぇ……ははっ」
「え、ど、どうした、彬。なんか、だいじょぶか」
「うん、なんかね、おれ、ふふっ……今おれ、すごい、生きてるって感じする」
「……っは……、……そっか」
おれのアレを握る手の力が、少しだけ強くなった。同時に光亮の動きがだんだん激しくなって、背中越しの体温もどんどん熱を増していく。ああ、そうか。好きな人とセックスするって、こういう気持ちなんだ。よかった。最期に一回だけでもそれを知ることができて、おまけにその相手が光亮で。
おれ、ほんとに、生きててよかった。
中を行き来する熱いものを、体が勝手にきゅう、と締めつける。同じリズムで擦られる前が、絶頂を悟って震え始めている。
「あ、あぁ、も、いく、光亮、こーすけぇっ!」
「うん、俺も……っ、……っは、あき、ら……っ!」
「あっ、あ、あ……、……っあぁっ!」
「…………っ!!」
出した精液は全部、光亮の手のひらが受け止めてくれた。おれの中の光亮もどくどく脈打って、光亮も今、出してるんだな、ってわかった。はぁ、と深く息をつく。光亮の吐息が耳元をくすぐる。
全力で走ったあとみたいに、ベッドの上に崩れ落ちる。こんな心地いい疲労感はほんとに久しぶりだ。光亮もおれの上に乗っかったまま、荒くなった呼吸を整えている。
「なんかさ……試合のあとみたいだな」
光亮が呟いた感想は、お世辞にもロマンチックなもんじゃない。けど正直、おれも同感だ。
「あのさ、光亮」
「ん?」
「その……ありがとな。いろいろ」
「なんだよ。お礼言うようなことじゃないだろ」
振り返って告げた心からの感謝に、光亮は苦笑しながらおれの頭を叩く。
ああ。なんかおれ、このまま死んでもいいや。
自分の現状を考えるとちょっと不謹慎なそのセリフは、光亮の前で口に出すのはやめにしておいた。
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