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28・争いは同じレベルの者同士でしか発生しない
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「は……はっぴゃく、まん……?」
「そうだよ! ハッ、本気になった大人の財力舐めんなよ!」
「マジかよ……なんでこんなクソゲーにそんな……」
「クソゲーって言うな!!!」
ぽろりと漏れてしまった俺の本音に、ミマは顔を真っ赤にして怒鳴り散らす。
「お前みたいなニワカにわかってたまるか!! 確かに宝石騎士は課金煽りエグいしゲームバランス悪いしガチャ特攻キツいしキャラ格差激しいしそのくせイベントは虚無のクソ運営ゲーだけど、それでもこのゲームは僕のすべてだったんだ!!!」
「ミ、ミマ……」
彼の魂の叫びを、俺は四つん這いのまま呆然と見上げていた。沸き上がる感情は怒りでも屈辱でもない、共感だ。わかる。わかるぞミマ。だって俺同じ運営のジュエぷりやってたから。運営の悪逆非道に何度も唇を噛み締めて、それでもキャラが好きだからやめらんないんだよな。めっちゃわかる。
「そっか……お前もかわいそうな奴だったんだな、俺と同じで……」
しんみりと呟いた俺を、ミマは憎々しげにギッと睨みつける。
「はぁ!? 一緒にするなこの無課金ヅラ!!」
「む、無課金ヅラぁ!?」
「お前明らかに課金してねえだろ! その顏といい服装といい、どう見ても初期アバター丸出しじゃねーか!」
「この顔は自前だよ!!」
言うに事欠いてなんたる暴言! 確かに無課金アバターみたいなツラしてるのは否定できねーけど! くっそ、ちょっとでも同情してやった俺がバカだった。負けじと俺も立ち上がり、ミマに向かって拳を振り上げる。
「つーか、さっきから黙って聞いてりゃ調子に乗りやがって! 仮にお前の言うことを信じるとしても、だからって俺が委縮してやるいわれなんてねーだろ!?」
「ああ!? 分を弁えろっつってんだよクソ雑魚が!! お前みたいな嫌われ悪役は荒野の果てで怪鳥の卵でも産んでろよ!!」
「特殊シチュにも程があるわ!! なーにが主人公だこの腹黒エセショタ野郎、お前の方がよっぽど悪役じみてるじゃねえか!!」
「はあぁ!? こんなキラメキ可愛い僕様のどこがエセショタだってんだ!! あーヤダヤダ、無課金アバターは視力まで産廃なんですねぇー!!」
「だから無課金アバターじゃねえっつってんだろうがあああ!!!」
「あ、あのう……」
「「ああ!?」」
醜い言い合いに入れられた横やりに、俺とミマは同時に振り返った。いかにも恐る恐るといった感じで空中から声をかけてきたのは、ピンク色のもちもちした物体、コラルだ。そういやいたな、こいつ。さっきから完全に気配消してたけど。
「あ、の……お話がよくわからなかったのですけども……要は、このチュー太郎が悪役、ということでよろしいのでしょうか……?」
「ちげーよ!!」
「そうだよ!!」
「ヒッ」
完全に萎縮しきっている小動物の顔面を、ミマは潰れるほどの勢いでわし掴む。
「ひゃわぁっ!?」
「おい、お前も何か言ってやれ!! たまにはまともに役に立て寄生虫!!」
「お、おい、それはさすがにかわいそうだろ!?」
「無課金は黙ってろ!! このピンククズ略してピンクズときたら、大した機能もないくせに石だけは馬鹿みたいにバクバクバクバク食いやがって、親愛度聞くだけで週100ジュエネルかかるってどういうことだよクソ運営!!」
「うわっ」
血を吐くようなミマの叫びについ気圧される。マジでそんな仕様なのこのゲーム? ジュエぷりでもそこまでの暴挙はなかったぞ。コラルが妙にミマのヘイト買ってるわけ、ちょっとわかったかも。もちろんコラルが悪いんじゃなく、諸悪の根元は運営なんだけど。あれ? このゲームのラスボスって運営じゃね?
「そうだよ! ハッ、本気になった大人の財力舐めんなよ!」
「マジかよ……なんでこんなクソゲーにそんな……」
「クソゲーって言うな!!!」
ぽろりと漏れてしまった俺の本音に、ミマは顔を真っ赤にして怒鳴り散らす。
「お前みたいなニワカにわかってたまるか!! 確かに宝石騎士は課金煽りエグいしゲームバランス悪いしガチャ特攻キツいしキャラ格差激しいしそのくせイベントは虚無のクソ運営ゲーだけど、それでもこのゲームは僕のすべてだったんだ!!!」
「ミ、ミマ……」
彼の魂の叫びを、俺は四つん這いのまま呆然と見上げていた。沸き上がる感情は怒りでも屈辱でもない、共感だ。わかる。わかるぞミマ。だって俺同じ運営のジュエぷりやってたから。運営の悪逆非道に何度も唇を噛み締めて、それでもキャラが好きだからやめらんないんだよな。めっちゃわかる。
「そっか……お前もかわいそうな奴だったんだな、俺と同じで……」
しんみりと呟いた俺を、ミマは憎々しげにギッと睨みつける。
「はぁ!? 一緒にするなこの無課金ヅラ!!」
「む、無課金ヅラぁ!?」
「お前明らかに課金してねえだろ! その顏といい服装といい、どう見ても初期アバター丸出しじゃねーか!」
「この顔は自前だよ!!」
言うに事欠いてなんたる暴言! 確かに無課金アバターみたいなツラしてるのは否定できねーけど! くっそ、ちょっとでも同情してやった俺がバカだった。負けじと俺も立ち上がり、ミマに向かって拳を振り上げる。
「つーか、さっきから黙って聞いてりゃ調子に乗りやがって! 仮にお前の言うことを信じるとしても、だからって俺が委縮してやるいわれなんてねーだろ!?」
「ああ!? 分を弁えろっつってんだよクソ雑魚が!! お前みたいな嫌われ悪役は荒野の果てで怪鳥の卵でも産んでろよ!!」
「特殊シチュにも程があるわ!! なーにが主人公だこの腹黒エセショタ野郎、お前の方がよっぽど悪役じみてるじゃねえか!!」
「はあぁ!? こんなキラメキ可愛い僕様のどこがエセショタだってんだ!! あーヤダヤダ、無課金アバターは視力まで産廃なんですねぇー!!」
「だから無課金アバターじゃねえっつってんだろうがあああ!!!」
「あ、あのう……」
「「ああ!?」」
醜い言い合いに入れられた横やりに、俺とミマは同時に振り返った。いかにも恐る恐るといった感じで空中から声をかけてきたのは、ピンク色のもちもちした物体、コラルだ。そういやいたな、こいつ。さっきから完全に気配消してたけど。
「あ、の……お話がよくわからなかったのですけども……要は、このチュー太郎が悪役、ということでよろしいのでしょうか……?」
「ちげーよ!!」
「そうだよ!!」
「ヒッ」
完全に萎縮しきっている小動物の顔面を、ミマは潰れるほどの勢いでわし掴む。
「ひゃわぁっ!?」
「おい、お前も何か言ってやれ!! たまにはまともに役に立て寄生虫!!」
「お、おい、それはさすがにかわいそうだろ!?」
「無課金は黙ってろ!! このピンククズ略してピンクズときたら、大した機能もないくせに石だけは馬鹿みたいにバクバクバクバク食いやがって、親愛度聞くだけで週100ジュエネルかかるってどういうことだよクソ運営!!」
「うわっ」
血を吐くようなミマの叫びについ気圧される。マジでそんな仕様なのこのゲーム? ジュエぷりでもそこまでの暴挙はなかったぞ。コラルが妙にミマのヘイト買ってるわけ、ちょっとわかったかも。もちろんコラルが悪いんじゃなく、諸悪の根元は運営なんだけど。あれ? このゲームのラスボスって運営じゃね?
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