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モテ期到来 その②
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✡✡✡✡✡
同じフロアで、働く弓子にカフェに呼び出されて。オレはまたまた、いつもの弓子の新しい遊びだと軽い気持ちでカフェのテーブル席で店員にブレンドコーヒーを注文して弓子を待っていた。
「藤田くん! 早かったんや! ごめん。呼び出した私が待たせてしまったね」
「ええよ! たいして待ってへんし、どうするん? 飯もここで済ますんか?」
「藤田くんは? ここでええ?」
「かまへんで。ランチもあるみたいやから、ここでええよ」
まずは、腹がペコペコやったからランチのオムライスとサラダとスープのセットを2人分注文して、先に注文したブレンドコーヒーは食後に持って来てもらうように変更してもらった。
「最近、調子どう? ストレスたまってないん? 相変わらず、ワケわからん苦情が多いみたいやん?」
「ああ。仕事やと割り切れるようになったから、前よりストレス感じてないわ。それよりどないしたん?」
「なぁ…。もしかして、彼女でも出来たんちゃう?」
「えっ!? …なんでわかるん?」
食後にひと息吐いてから、会話の流れから弓子にオレを呼び出した理由を聞こうとしたら、弓子が突然真剣な顔をして鋭い突っ込みを入れて来るもんやから、オレが口を開けてマジで驚いてると、弓子は大きなため息を1つ吐いてから苦笑していた。
「なんかムカつく。 私の気持ちには全然気付かん藤田くんが、私の知らん所で彼女と出会って恋しちゃってたやなんて。傷つくわ~」
「ちょっと待って!? 私の気持ちって? マジで?」
「気付いてないの…藤田くんだけやで。フロアの社員は皆、私が藤田くんのこと好きって知ってるもん!」
「ごめん。全然、気付かんかった」
少し瞳を涙で潤ませている弓子を見て、オレはこのやり取りが冗談では無いと確信して、背中に伝う汗をひんやりと感じていた。
「もし、私のほうが早く告白してたら付き合ってくれてた?」
「どうやろ? 弓子に恋愛感情は、正直なかったからわからんけど。弓子みたいな美人に迫られたら、付き合ってたかもな!」
「なんや~! もっと早く迫れば良かったんや~! 悔しいわ~!」
「オイオイ! そんなに自分を安売りしたらアカンって!」
真剣に悔しがってる弓子を何とかオレは必死に宥めてから、昼休みを終えてフロアへ戻った。
✡✡
フロアへ戻ってからは、さすがに仕事の出来る弓子は何事も無かったかのように。与えられた仕事をいつも通りにこなしていた。
「藤田さん、昼休みに弓子さんから告白されたんでしょ?」
「オイオイ! 何で知ってるねん?」
「多分、弓子さんが桜井さんと女子トイレで話してたんを、新人が耳にして皆にふれまわったみたいですよ!(笑)」
「難儀やなぁ~」
オレが弓子に呼び出されて、告白されたことをフロアの社員たちはすでに知ってるらしくて、女子たちはオレと目が合う度にニヤニヤ笑っていた。
✡✡
終業時間になって、オレがさっさと帰ろうとしてると弓子と桜井風沙絵がオレの腕をしっかり掴んで離してくれなかった。
「なんや? どないしたん?」
「今日は、藤田くんに飲みに連れていってもらうことにしてん♪」
「オイオイ! 月曜日やで! せめて金曜日にしようや!」
「ほんまに? 金曜日やったらええん?」
どうやら、オレはまんまと弓子にはめられたみたいで、金曜日に2人を飲みに連れて行く約束をさせられてから解放された。
「ついでに彼女を紹介してよ! 恋敵を知らずに諦めるなんて嫌やもん!」
「別に何にもせんから、会うだけ会わしてやって! 私がちゃんと付き添うから!」
「しゃーないな! わかった。でも、ほんまに会うだけやで!」
別れ際に弓子が、ついでに彼女に会わせろと言い出してオレにしつこく絡んで来たから、仕方がないので金曜日に彼女に会わせる約束もした。真面目な桜井も付き添うし、前もって彼女に話せばわかってくれるはずやと、オレは甘い考えで約束をしたんやけど。ほんまにこれで良かったんやろか? 女心のわからんオレは帰りの電車の中でも、何か嫌な予感がして落ち着かへんかった。
同じフロアで、働く弓子にカフェに呼び出されて。オレはまたまた、いつもの弓子の新しい遊びだと軽い気持ちでカフェのテーブル席で店員にブレンドコーヒーを注文して弓子を待っていた。
「藤田くん! 早かったんや! ごめん。呼び出した私が待たせてしまったね」
「ええよ! たいして待ってへんし、どうするん? 飯もここで済ますんか?」
「藤田くんは? ここでええ?」
「かまへんで。ランチもあるみたいやから、ここでええよ」
まずは、腹がペコペコやったからランチのオムライスとサラダとスープのセットを2人分注文して、先に注文したブレンドコーヒーは食後に持って来てもらうように変更してもらった。
「最近、調子どう? ストレスたまってないん? 相変わらず、ワケわからん苦情が多いみたいやん?」
「ああ。仕事やと割り切れるようになったから、前よりストレス感じてないわ。それよりどないしたん?」
「なぁ…。もしかして、彼女でも出来たんちゃう?」
「えっ!? …なんでわかるん?」
食後にひと息吐いてから、会話の流れから弓子にオレを呼び出した理由を聞こうとしたら、弓子が突然真剣な顔をして鋭い突っ込みを入れて来るもんやから、オレが口を開けてマジで驚いてると、弓子は大きなため息を1つ吐いてから苦笑していた。
「なんかムカつく。 私の気持ちには全然気付かん藤田くんが、私の知らん所で彼女と出会って恋しちゃってたやなんて。傷つくわ~」
「ちょっと待って!? 私の気持ちって? マジで?」
「気付いてないの…藤田くんだけやで。フロアの社員は皆、私が藤田くんのこと好きって知ってるもん!」
「ごめん。全然、気付かんかった」
少し瞳を涙で潤ませている弓子を見て、オレはこのやり取りが冗談では無いと確信して、背中に伝う汗をひんやりと感じていた。
「もし、私のほうが早く告白してたら付き合ってくれてた?」
「どうやろ? 弓子に恋愛感情は、正直なかったからわからんけど。弓子みたいな美人に迫られたら、付き合ってたかもな!」
「なんや~! もっと早く迫れば良かったんや~! 悔しいわ~!」
「オイオイ! そんなに自分を安売りしたらアカンって!」
真剣に悔しがってる弓子を何とかオレは必死に宥めてから、昼休みを終えてフロアへ戻った。
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フロアへ戻ってからは、さすがに仕事の出来る弓子は何事も無かったかのように。与えられた仕事をいつも通りにこなしていた。
「藤田さん、昼休みに弓子さんから告白されたんでしょ?」
「オイオイ! 何で知ってるねん?」
「多分、弓子さんが桜井さんと女子トイレで話してたんを、新人が耳にして皆にふれまわったみたいですよ!(笑)」
「難儀やなぁ~」
オレが弓子に呼び出されて、告白されたことをフロアの社員たちはすでに知ってるらしくて、女子たちはオレと目が合う度にニヤニヤ笑っていた。
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終業時間になって、オレがさっさと帰ろうとしてると弓子と桜井風沙絵がオレの腕をしっかり掴んで離してくれなかった。
「なんや? どないしたん?」
「今日は、藤田くんに飲みに連れていってもらうことにしてん♪」
「オイオイ! 月曜日やで! せめて金曜日にしようや!」
「ほんまに? 金曜日やったらええん?」
どうやら、オレはまんまと弓子にはめられたみたいで、金曜日に2人を飲みに連れて行く約束をさせられてから解放された。
「ついでに彼女を紹介してよ! 恋敵を知らずに諦めるなんて嫌やもん!」
「別に何にもせんから、会うだけ会わしてやって! 私がちゃんと付き添うから!」
「しゃーないな! わかった。でも、ほんまに会うだけやで!」
別れ際に弓子が、ついでに彼女に会わせろと言い出してオレにしつこく絡んで来たから、仕方がないので金曜日に彼女に会わせる約束もした。真面目な桜井も付き添うし、前もって彼女に話せばわかってくれるはずやと、オレは甘い考えで約束をしたんやけど。ほんまにこれで良かったんやろか? 女心のわからんオレは帰りの電車の中でも、何か嫌な予感がして落ち着かへんかった。
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