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悪女は月夜に舞い踊る
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もてあそばれたのだ。
完全に、自分はもてあそばれたのだ。あの、錬金術師に。
「ひどい話だわ、まったく」
ひとり市警の庁舎をあとにするアリシアは、その建物を振り仰ぎ、頬を膨らませた。
はじめから、アニエスはわかっていたのだ。アリシアが嗅いだ甘い香りの正体を。わかっていたくせに、わざと違う香りを嗅がせて、楽しんでいたのだ。そう思うと、ふつふつと怒りがこみ上げてくる。
馬鹿にして……と、むくれながら門をくぐれば、そこには見知った顔があった。
「やあ、アリシア」
「え……エリク?」
そう。エリク、という名の騎士崩れ、というか、木っ端役人と言うか。どこぞの大貴族の嫡男の側近、だと自称している青年である。ひょろりと背が高く、枯れ木に鬘を被せたような印象の男だ。ひょんなことから知り合って以来、何故かアリシアにつきまとっている。彼女の唯一の高価な飾りは、この男からの贈り物だった。いわく、愛の証だそうだが。
好きではない男からもらう贈り物は、嬉しくもなんともない。
それでも、高価な代物だと思うと身につけずにいられないのは、貧乏貴族の悲しい見栄か。
エリクは件の耳飾りを目にすると
「気に入ってくれたんだねえ」
これ以上ない笑顔を見せた。それがなんとなく腹立たしい。
先程の錬金術師に対する怒りと重なり、
「たまたま、今日の衣裳に合うからつけただけです」
ぷん、とそっぽを向く。
「へえ、衣裳ねえ」
妹たちと従姉妹の衣裳を作り直した、桃色の衣裳。耳飾りと合うかと言えば、微妙である。
詰まらぬところに突っ込むな、と、視線で威嚇するが
「いいねえ、怒った顔も魅力的」
エリクが喜ぶだけだった。
「誘拐、されたんだって? 大変だったね。怖かったでしょ。家まで送るよ」
彼は親指で通りを指す。そこには、栗毛の馬が佇んでいた。馬。馬車ではない。まさか、二人乗りをしようというのか。冗談ではない。
「遠慮します」
これなら、徒歩で帰宅するほうがマシだった。辻馬車の代金を払う気は毛頭ない。だが、アリシアの実家である男爵家の屋敷は、王都の外れにあり、ここからはかなり距離もあった。不本意だが、二人乗りでも馬で行けるのはありがたいと思うところだが。ここで甘えれば、また、この男がつけあがる。それでも、歩くことを考えれば……。
「ねえ、ものは相談だけど」
アリシアは、ちらりと馬を見てから、エリクに話を持ちかけた。
「まさか、そう来るとはねえ」
とほほ、とでも言いそうな顔で、エリクは馬を引いていた。大貴族の側近たる自分が、まさか馬丁の真似をするとは、思わなかったのだろう。アリシアはすました顔で、エリクの引く馬の背に揺られている。
好みの相手ではないが、それなりに貢いでくれる相手を持つのは、悪いことではないだろう。上流貴族の側近とは言え、彼自身は貴族ではなく、単なる使用人にすぎない。付きまとわれていることを主家に告げれば、相応に罰してはくれるだろう。などと、アリシアは気楽に考えていた。
王都の目抜き通りを進みながら、
「護衛もつけずに帰宅させるなんて、市警もひどいことをするよねえ。曲がりなりにも、貴族のご令嬢に対して」
エリクが、のんびり話しかけてくる。
「有力貴族の娘ではないからでしょうよ。うちは男爵だし、領地も少ない、商売もしていない、貧乏貴族ですから。平民の豪商のほうが、余程良い暮らしをしていると思うわ」
「とは言うけどねぇ。相応の対応をしないとね。また、狙われたるする可能性もあるでしょう。犯人の顔を見たんだから」
「向こうは、私の記憶を奪ったと思っているから、大丈夫でしょう? そもそも、顔を見たけれども、知らない顔だし。もう一度見たって、確実にわかるとは」
限らない。
そう、言いかけて。
アリシアは沈黙した。
顔は覚えていないかもしれない。きれいな顔だった、という印象だけしかないかもしれない。一度だけ見た顔を覚えている自信はない。けれども。
(あの、目)
瞳の色は、忘れない。あの茜色の瞳。滲んだ秋の夕日の色、あれは、忘れられない。
おそらく、先方もそれを覚えていられては困るのだろう。
魔女の色。あれは、前世の記憶を持つものの証、なのか。
緑ではない瞳。あの錬金術師も、このエリクも、黒い瞳だ。黒は、あらゆる色が混ざっているのだと聞いたことがある。
つまりは、彼の瞳にも『赤』が入っているということだ。
それでも、すでにいい歳となっている彼には、前世の記憶はないだろう。
考えているうちに、
「ああ、残念。お屋敷に着いてしまいましたねえ」
男爵邸に無事に到着していた。
エリクは心底残念そうに言い、アリシアを馬から下ろすと、名残惜しそうに彼女を見下ろした。
「お茶でも、とか。言わないですよねえ」
「はい? なぜ、あなたをお招きして、お茶をご馳走しなければならないのでしょう」
「いや、ここまで護衛したお礼とか」
「護衛? 護衛だったのですか?」
アリシアは目を見開く。
エリクは護衛のつもりで、彼女を自宅まで送ってくれたのだ。下心からではなかったのか、そう思うと、彼が少し気の毒になった。かといって、自宅に招くのは別の話である。婚約者でもない男性を、家に上げるわけにはいかない。両親になんと説明するのだ。しかも、『茶』等と。香草は酒よりも高額である。そうそう飲めるものでもない。それと知って馬鹿にしているのか、と。アリシアは、エリクを睨めつける。
「まあ、怒らない怒らない。ここまで無事に来られたんだから、アリシアは大丈夫でしょう。個別に狙われることはないはずだから。安心してね」
エリクはにこりと笑い、それから、視線を男爵家の屋根に向けた。そこには、紫色の鳥がとまっている。珍しい鳥も居るものだ、アリシアがそちらに気を取られている間に
「じゃあ、また」
颯爽と栗毛の馬にまたがって、エリクは去っていった。軽く片目を閉じ、指を立てる仕草は、まるで恋人に対するそれである。
なにか勘違いしているようだ……呆れるアリシアの背に
「あれ、お姉様の恋人?」
いつから見ていたのか。ひょいと門の陰から顔を出した下の妹・アイシャである。その後ろには、今一人の妹、トリシャの姿があった。ふたりとも、興味津々といった体で、エリクの姿を目で追っている。
「美形じゃないけど」
「ちょっと野暮ったいけど」
ふたりは顔を見合わせ、
「お金持ちそう」
きゃふっ、と笑う。
容姿よりも、金か。アリシアは天を仰ぎたい気分になった。
「違うから。彼は、市警の……下っ端役人?」
「市警? お姉様、なにかやったの?」
「いくらお腹が空いたからと言って、孤児院に届ける麺麭を食べてしまうのは、良くないと思うわ」
被せてくる言葉を、両手を振って否定しながら
「違う違う、違うのよ。ちょっと事件に巻き込まれたの」
アリシアは簡単に経緯を説明した。孤児院の子供たちとともに、昨今王都を騒がせている誘拐犯に捕らえられたのだと。
「犯人を見たの? お姉様」
「やだ、怖い」
青ざめる妹たちに、それはないと答えてから、ふと、周囲を伺う。犯人も、アリシアの記憶を完全に消し去ったと思いこんでいてくれればよいのだが。少しでも疑って彼女を探っていたとしたら。迂闊なことは言えない。下手をすれば、妹たちも巻き込んでしまうことになる。
(トリシャ、アイシャ)
妹たちは、双子であった。現在十二歳であるから、件の誘拐の対象年齢に微妙にかかっているが。この容姿であれば大丈夫だろう。ふたりともアリシア同様、金髪に緑の瞳であり。サンドリア主流の容姿であった。
それでも。
目撃者の妹、ということで、彼女らに被害が及ばないとも限らない。
アリシアは、軽く唇を噛む。
その、はるか上空で。
紫の鳥が高く鳴きながら旋回していた。
完全に、自分はもてあそばれたのだ。あの、錬金術師に。
「ひどい話だわ、まったく」
ひとり市警の庁舎をあとにするアリシアは、その建物を振り仰ぎ、頬を膨らませた。
はじめから、アニエスはわかっていたのだ。アリシアが嗅いだ甘い香りの正体を。わかっていたくせに、わざと違う香りを嗅がせて、楽しんでいたのだ。そう思うと、ふつふつと怒りがこみ上げてくる。
馬鹿にして……と、むくれながら門をくぐれば、そこには見知った顔があった。
「やあ、アリシア」
「え……エリク?」
そう。エリク、という名の騎士崩れ、というか、木っ端役人と言うか。どこぞの大貴族の嫡男の側近、だと自称している青年である。ひょろりと背が高く、枯れ木に鬘を被せたような印象の男だ。ひょんなことから知り合って以来、何故かアリシアにつきまとっている。彼女の唯一の高価な飾りは、この男からの贈り物だった。いわく、愛の証だそうだが。
好きではない男からもらう贈り物は、嬉しくもなんともない。
それでも、高価な代物だと思うと身につけずにいられないのは、貧乏貴族の悲しい見栄か。
エリクは件の耳飾りを目にすると
「気に入ってくれたんだねえ」
これ以上ない笑顔を見せた。それがなんとなく腹立たしい。
先程の錬金術師に対する怒りと重なり、
「たまたま、今日の衣裳に合うからつけただけです」
ぷん、とそっぽを向く。
「へえ、衣裳ねえ」
妹たちと従姉妹の衣裳を作り直した、桃色の衣裳。耳飾りと合うかと言えば、微妙である。
詰まらぬところに突っ込むな、と、視線で威嚇するが
「いいねえ、怒った顔も魅力的」
エリクが喜ぶだけだった。
「誘拐、されたんだって? 大変だったね。怖かったでしょ。家まで送るよ」
彼は親指で通りを指す。そこには、栗毛の馬が佇んでいた。馬。馬車ではない。まさか、二人乗りをしようというのか。冗談ではない。
「遠慮します」
これなら、徒歩で帰宅するほうがマシだった。辻馬車の代金を払う気は毛頭ない。だが、アリシアの実家である男爵家の屋敷は、王都の外れにあり、ここからはかなり距離もあった。不本意だが、二人乗りでも馬で行けるのはありがたいと思うところだが。ここで甘えれば、また、この男がつけあがる。それでも、歩くことを考えれば……。
「ねえ、ものは相談だけど」
アリシアは、ちらりと馬を見てから、エリクに話を持ちかけた。
「まさか、そう来るとはねえ」
とほほ、とでも言いそうな顔で、エリクは馬を引いていた。大貴族の側近たる自分が、まさか馬丁の真似をするとは、思わなかったのだろう。アリシアはすました顔で、エリクの引く馬の背に揺られている。
好みの相手ではないが、それなりに貢いでくれる相手を持つのは、悪いことではないだろう。上流貴族の側近とは言え、彼自身は貴族ではなく、単なる使用人にすぎない。付きまとわれていることを主家に告げれば、相応に罰してはくれるだろう。などと、アリシアは気楽に考えていた。
王都の目抜き通りを進みながら、
「護衛もつけずに帰宅させるなんて、市警もひどいことをするよねえ。曲がりなりにも、貴族のご令嬢に対して」
エリクが、のんびり話しかけてくる。
「有力貴族の娘ではないからでしょうよ。うちは男爵だし、領地も少ない、商売もしていない、貧乏貴族ですから。平民の豪商のほうが、余程良い暮らしをしていると思うわ」
「とは言うけどねぇ。相応の対応をしないとね。また、狙われたるする可能性もあるでしょう。犯人の顔を見たんだから」
「向こうは、私の記憶を奪ったと思っているから、大丈夫でしょう? そもそも、顔を見たけれども、知らない顔だし。もう一度見たって、確実にわかるとは」
限らない。
そう、言いかけて。
アリシアは沈黙した。
顔は覚えていないかもしれない。きれいな顔だった、という印象だけしかないかもしれない。一度だけ見た顔を覚えている自信はない。けれども。
(あの、目)
瞳の色は、忘れない。あの茜色の瞳。滲んだ秋の夕日の色、あれは、忘れられない。
おそらく、先方もそれを覚えていられては困るのだろう。
魔女の色。あれは、前世の記憶を持つものの証、なのか。
緑ではない瞳。あの錬金術師も、このエリクも、黒い瞳だ。黒は、あらゆる色が混ざっているのだと聞いたことがある。
つまりは、彼の瞳にも『赤』が入っているということだ。
それでも、すでにいい歳となっている彼には、前世の記憶はないだろう。
考えているうちに、
「ああ、残念。お屋敷に着いてしまいましたねえ」
男爵邸に無事に到着していた。
エリクは心底残念そうに言い、アリシアを馬から下ろすと、名残惜しそうに彼女を見下ろした。
「お茶でも、とか。言わないですよねえ」
「はい? なぜ、あなたをお招きして、お茶をご馳走しなければならないのでしょう」
「いや、ここまで護衛したお礼とか」
「護衛? 護衛だったのですか?」
アリシアは目を見開く。
エリクは護衛のつもりで、彼女を自宅まで送ってくれたのだ。下心からではなかったのか、そう思うと、彼が少し気の毒になった。かといって、自宅に招くのは別の話である。婚約者でもない男性を、家に上げるわけにはいかない。両親になんと説明するのだ。しかも、『茶』等と。香草は酒よりも高額である。そうそう飲めるものでもない。それと知って馬鹿にしているのか、と。アリシアは、エリクを睨めつける。
「まあ、怒らない怒らない。ここまで無事に来られたんだから、アリシアは大丈夫でしょう。個別に狙われることはないはずだから。安心してね」
エリクはにこりと笑い、それから、視線を男爵家の屋根に向けた。そこには、紫色の鳥がとまっている。珍しい鳥も居るものだ、アリシアがそちらに気を取られている間に
「じゃあ、また」
颯爽と栗毛の馬にまたがって、エリクは去っていった。軽く片目を閉じ、指を立てる仕草は、まるで恋人に対するそれである。
なにか勘違いしているようだ……呆れるアリシアの背に
「あれ、お姉様の恋人?」
いつから見ていたのか。ひょいと門の陰から顔を出した下の妹・アイシャである。その後ろには、今一人の妹、トリシャの姿があった。ふたりとも、興味津々といった体で、エリクの姿を目で追っている。
「美形じゃないけど」
「ちょっと野暮ったいけど」
ふたりは顔を見合わせ、
「お金持ちそう」
きゃふっ、と笑う。
容姿よりも、金か。アリシアは天を仰ぎたい気分になった。
「違うから。彼は、市警の……下っ端役人?」
「市警? お姉様、なにかやったの?」
「いくらお腹が空いたからと言って、孤児院に届ける麺麭を食べてしまうのは、良くないと思うわ」
被せてくる言葉を、両手を振って否定しながら
「違う違う、違うのよ。ちょっと事件に巻き込まれたの」
アリシアは簡単に経緯を説明した。孤児院の子供たちとともに、昨今王都を騒がせている誘拐犯に捕らえられたのだと。
「犯人を見たの? お姉様」
「やだ、怖い」
青ざめる妹たちに、それはないと答えてから、ふと、周囲を伺う。犯人も、アリシアの記憶を完全に消し去ったと思いこんでいてくれればよいのだが。少しでも疑って彼女を探っていたとしたら。迂闊なことは言えない。下手をすれば、妹たちも巻き込んでしまうことになる。
(トリシャ、アイシャ)
妹たちは、双子であった。現在十二歳であるから、件の誘拐の対象年齢に微妙にかかっているが。この容姿であれば大丈夫だろう。ふたりともアリシア同様、金髪に緑の瞳であり。サンドリア主流の容姿であった。
それでも。
目撃者の妹、ということで、彼女らに被害が及ばないとも限らない。
アリシアは、軽く唇を噛む。
その、はるか上空で。
紫の鳥が高く鳴きながら旋回していた。
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