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悪女は月夜に舞い踊る
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「なあ」
見上げる夜空に満天の星。月のない夜は、暗いけれども。密やかな美しさがある。
窓枠に腰を掛け、夜風に髪を嬲らせながら、リディスは室内を見ずに言葉を続ける。
「前世の記憶って、あるか?」
木版に筆を走らせていた音が、不意に止まる。続いて、「は?」という、抜けたような、あるいは馬鹿にしたような声が聞こえた。まさに、「何言ってるんだコイツ」という反応である。ある意味予想通りすぎて、リディスはおかしくなった。
「あるけど、それがなにか?」
と、返されたら、それこそこちらが「はぁ?」と返さねばならない。
「例の、『人攫い』の関係か?」
勘の良い王太子は、書物を再開しつつ、理由を尋ねてくる。
リディスは今日あったことを手短に語った。最近王都で子供が消える事件から、とある男爵令嬢が巻き込まれた件、更には、共に連れ去られそうになっていた子供たちが奇妙な証言をしたこと。
緑瞳ではない子供は、前世の記憶がある。
「ほぉ」
気のない返事が聞こえた。半ば、欠伸が混ざっているのではないか。
「お前には、前世の記憶があるのか」
「ねぇよ、そんなもん」
リディスも、珊瑚の瞳を持つ。サンドリアどころか、リュクリスにも稀有な瞳である。帝室はおろか、生母の実家である侯爵家にもそのような瞳のものは存在しない。
ただ。
『その瞳の色。わたくし、拝見したことがございます。それこそ大貴族のお姫様が、リディス様と同じお目をされていらっしゃいましたもの。リディス様は、そう、その方にお顔立ちも似ていらっしゃるようです』
リズナの言葉が気になる。
リディスはまだ幼い頃に母から引き離されたので、母の実家である侯爵家のことは知らない。当然、祖母である侯爵夫人のことなど何一つわかってはいない。
リズナは、祖母を知っている。肖像画でも見たことがあるのか。
そもそも、祖母の実家は何処か。
大貴族のお姫様、と言っていたが。
「犯人は、前世の記憶のあるものを探しているのか」
王太子ライナルトの自問自答に近い呟きに、リディスは我に返る。ふと彼に視線を向ければ。彼は揺れる燭台の明かりの下で、何事か考え込んでいるのか。淡麗な横顔を半分闇に隠し、うつむき加減に指先で机の端を叩いていた。なにか考えことをするときの癖である。
彼の思考を邪魔してはいけない。リディスは声をかけず、空に目を戻した。
と、同時にぽろりと空から溢れる星がある。反射的に手を伸ばすが、星に届くはずもなく。指先は虚しく空を掴む。
前世の記憶というのは、この流星のようなものではないだろうか。
自分ではない、自分の記憶。魂に刻まれた思い出を掘り返そうというのは、星を捕まえるのと同じくらい、不可能なことだ。
でも。
それを持つものが居るのだとしたら。
それは、星を捕まえたのに等しいのではなかろうか。
そんな人々がいるとして。
(そもそも、なんでそんな奴を探している?)
前世の記憶があるのもを発見したとして。何をするというのだ。過去の歴史的事実の検証でもしたいのか。それとも、単なる趣味か。単なる趣味で、誘拐などされては溜まったものではない。否、どのような理由であれ、誘拐などは許されない。
今までに拐かされた子供たちは、一人として戻ってきてはいないのだ。
彼らを救い出すためにも、また、これ以上の被害を防ぐためにも、早急に犯人を見つけ出さねばならない。
(まてよ?)
閃いた。
孤児院の、瞳の色の異なる子供を狙っているのだとしたら。
リディスは、きらりと瞳を光らせる。これは、早速協力を仰がなくては。
「リディス」
呼ばれて、おおう、と慌てて振り向けば。弾みで平衡感覚を失い、身体がずるりと滑り落ちる。受け身を取ろうとするが、間に合わない。痛みを覚悟して固く目を閉じるが、いつまで経っても衝撃はなかった。
「……?」
「馬鹿」
そっと目を開ければ、そこに養父の顔があった。すんでのところで、ライナルトが受け止めてくれたのである。
「まったくおまえは」
そそっかしいな、と。文句を言いつつ、彼はリディスを床に座らせる。
「だって、養父上が急に呼ぶから」
「言い訳はしない。どんなときも油断をするな」
額を指先で弾かれ、リディスは唇を尖らせた。王太子はこういうところ、容赦がない。隙を見せるな、が、リディスに対する口癖でもあるが。
「で、なんだよ。急に呼ぶとか」
半ば不貞腐れながら訊けば。
「前世の記憶がある、で思い出した」
「何を?」
「記憶があるかどうかはわならないが」
「……?」
「転生する魔女の伝説があった」
「それ、その伝説を信じて探しているってこと?」
転生する魔女の伝説。
転生した魔女を探して、誘拐を繰り返す。
魔女の瞳は、緑以外。
サンドリアではない、別の国、地域、民族の……
サンドリアは、いくつかの国を併合して成り立った国である。単一民族の国ではない。中には、様々な神話、伝説を持っている人々も多く含まれる。
「国を滅ぼそうとした魔女。彼女は、幾度も生まれ変わる、と言われている」
稀有な色の瞳を持つ、と言われていた、魔女。その瞳の色が何色なのか、は伝えられてはいない。
「ただ、その魔女を探しているのであれば」
魔女に滅ぼされかけた国。もしくは、魔女に狙われた国を恨む国。そのどちらかの民に絞られるのではないか。
「まあ、動機は何となく分かるけど。手っ取り早く、とっ捕まえればいいんじゃないのか?」
リディスの言葉に、ライナルトは苦笑を浮かべ。
「尤もだ」
ぽんぽんと彼女の頭を軽く叩いた。
見上げる夜空に満天の星。月のない夜は、暗いけれども。密やかな美しさがある。
窓枠に腰を掛け、夜風に髪を嬲らせながら、リディスは室内を見ずに言葉を続ける。
「前世の記憶って、あるか?」
木版に筆を走らせていた音が、不意に止まる。続いて、「は?」という、抜けたような、あるいは馬鹿にしたような声が聞こえた。まさに、「何言ってるんだコイツ」という反応である。ある意味予想通りすぎて、リディスはおかしくなった。
「あるけど、それがなにか?」
と、返されたら、それこそこちらが「はぁ?」と返さねばならない。
「例の、『人攫い』の関係か?」
勘の良い王太子は、書物を再開しつつ、理由を尋ねてくる。
リディスは今日あったことを手短に語った。最近王都で子供が消える事件から、とある男爵令嬢が巻き込まれた件、更には、共に連れ去られそうになっていた子供たちが奇妙な証言をしたこと。
緑瞳ではない子供は、前世の記憶がある。
「ほぉ」
気のない返事が聞こえた。半ば、欠伸が混ざっているのではないか。
「お前には、前世の記憶があるのか」
「ねぇよ、そんなもん」
リディスも、珊瑚の瞳を持つ。サンドリアどころか、リュクリスにも稀有な瞳である。帝室はおろか、生母の実家である侯爵家にもそのような瞳のものは存在しない。
ただ。
『その瞳の色。わたくし、拝見したことがございます。それこそ大貴族のお姫様が、リディス様と同じお目をされていらっしゃいましたもの。リディス様は、そう、その方にお顔立ちも似ていらっしゃるようです』
リズナの言葉が気になる。
リディスはまだ幼い頃に母から引き離されたので、母の実家である侯爵家のことは知らない。当然、祖母である侯爵夫人のことなど何一つわかってはいない。
リズナは、祖母を知っている。肖像画でも見たことがあるのか。
そもそも、祖母の実家は何処か。
大貴族のお姫様、と言っていたが。
「犯人は、前世の記憶のあるものを探しているのか」
王太子ライナルトの自問自答に近い呟きに、リディスは我に返る。ふと彼に視線を向ければ。彼は揺れる燭台の明かりの下で、何事か考え込んでいるのか。淡麗な横顔を半分闇に隠し、うつむき加減に指先で机の端を叩いていた。なにか考えことをするときの癖である。
彼の思考を邪魔してはいけない。リディスは声をかけず、空に目を戻した。
と、同時にぽろりと空から溢れる星がある。反射的に手を伸ばすが、星に届くはずもなく。指先は虚しく空を掴む。
前世の記憶というのは、この流星のようなものではないだろうか。
自分ではない、自分の記憶。魂に刻まれた思い出を掘り返そうというのは、星を捕まえるのと同じくらい、不可能なことだ。
でも。
それを持つものが居るのだとしたら。
それは、星を捕まえたのに等しいのではなかろうか。
そんな人々がいるとして。
(そもそも、なんでそんな奴を探している?)
前世の記憶があるのもを発見したとして。何をするというのだ。過去の歴史的事実の検証でもしたいのか。それとも、単なる趣味か。単なる趣味で、誘拐などされては溜まったものではない。否、どのような理由であれ、誘拐などは許されない。
今までに拐かされた子供たちは、一人として戻ってきてはいないのだ。
彼らを救い出すためにも、また、これ以上の被害を防ぐためにも、早急に犯人を見つけ出さねばならない。
(まてよ?)
閃いた。
孤児院の、瞳の色の異なる子供を狙っているのだとしたら。
リディスは、きらりと瞳を光らせる。これは、早速協力を仰がなくては。
「リディス」
呼ばれて、おおう、と慌てて振り向けば。弾みで平衡感覚を失い、身体がずるりと滑り落ちる。受け身を取ろうとするが、間に合わない。痛みを覚悟して固く目を閉じるが、いつまで経っても衝撃はなかった。
「……?」
「馬鹿」
そっと目を開ければ、そこに養父の顔があった。すんでのところで、ライナルトが受け止めてくれたのである。
「まったくおまえは」
そそっかしいな、と。文句を言いつつ、彼はリディスを床に座らせる。
「だって、養父上が急に呼ぶから」
「言い訳はしない。どんなときも油断をするな」
額を指先で弾かれ、リディスは唇を尖らせた。王太子はこういうところ、容赦がない。隙を見せるな、が、リディスに対する口癖でもあるが。
「で、なんだよ。急に呼ぶとか」
半ば不貞腐れながら訊けば。
「前世の記憶がある、で思い出した」
「何を?」
「記憶があるかどうかはわならないが」
「……?」
「転生する魔女の伝説があった」
「それ、その伝説を信じて探しているってこと?」
転生する魔女の伝説。
転生した魔女を探して、誘拐を繰り返す。
魔女の瞳は、緑以外。
サンドリアではない、別の国、地域、民族の……
サンドリアは、いくつかの国を併合して成り立った国である。単一民族の国ではない。中には、様々な神話、伝説を持っている人々も多く含まれる。
「国を滅ぼそうとした魔女。彼女は、幾度も生まれ変わる、と言われている」
稀有な色の瞳を持つ、と言われていた、魔女。その瞳の色が何色なのか、は伝えられてはいない。
「ただ、その魔女を探しているのであれば」
魔女に滅ぼされかけた国。もしくは、魔女に狙われた国を恨む国。そのどちらかの民に絞られるのではないか。
「まあ、動機は何となく分かるけど。手っ取り早く、とっ捕まえればいいんじゃないのか?」
リディスの言葉に、ライナルトは苦笑を浮かべ。
「尤もだ」
ぽんぽんと彼女の頭を軽く叩いた。
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