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18.愛は金では買えない
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「ヘルムート伯」
呼ばれて、エドアルドは足を止めた。声の主は誰だか判っている。判りすぎるほどに。
来たか、と気づかれぬよう溜息をつき、平素の穏やかな顔つきで彼は振り返った。そこに居たのは、バイツァー伯爵。王配ウィルフリートの側近である。彼は再びにこやかにエドアルドに呼び掛け、世間話を少ししたのち、
「ところで」
何気ない様子で切り出して来た。
その態度が、あまりにも判り易くて可笑しくて、エドアルドは苦笑を堪えるのに必死だった。これで相手に悟られていないつもりか――もしくは、わざとこういう態度を取っているのか。どちらにしろ、随分と見くびられたものだと思う。若輩者だからと軽んじられるのは結構だが、あまりにもあからさまなこの接近は、少々不愉快である。
王宮に足を向けたときから、予想はしていたが、ここまで簡単に食いついてくるとは、相手も余程焦っているらしい。それほどまでに、”女王の落胤”の存在が疎ましいのか。それとも、今一人の国王たるディークハルト、彼を失脚させ、”落胤”を傀儡として玉座に据えるつもりか。どちらにしろ、良いことはあるまい。
「貴殿の屋敷に、高貴な姫君がいらっしゃるとか。そのような噂を耳にしたのだが」
言葉を選んでいるつもりか、やけにまわりくどい。
エドアルドは、バイツァー伯爵の目を正面から見据え、
「ええ、さすがは閣下。お耳が早いことです」
出来るだけ穏やかに応じた。
高貴なる姫君、それが実は姫君ではなく歴とした男子で、しかも真実のミアルシァ国王となるはずであった人物の落とし胤だと言えば、この男は更に驚くことだろう。だが、今はそれを伏せておかねばならない。エドアルドの屋敷に居るのは、女王によく似た姫君。そうしておかなければならない。
アデルがディークハルトを安全な場所に移すまで、は。
「さる高貴な方の、ご落胤とのことですので、拙宅でお預かりするのは無礼かと存じましたが適任がおらず……僭越ながら、後見を申し出た次第です」
「ほう?」
エドアルドの説明を目を眇めつつ聞いていたバイツァー伯爵は、左手でゆっくりと己の顎を撫でる。この言葉を額面通りに受け取って良いものか、思案している様子だ。彼も彼の主君たるウィルフリートも、エドアルドが別邸もしくは気心の知れた使用人に”姫君”を預けていたのだと考えていることだろう。それを、ここで急に人の噂に上ることを承知で、自邸に引き取ったということはどういうことなのか。思案に暮れるバイツァー伯爵の、その視線の動きが面白い。彼は老獪と言われるが、表情を隠すのは下手だ。世間知らずの御曹司、と揶揄される自分にこうも簡単に見破られるとは。
「それで、どうしたのです?」
「いえ、そのままです。では、とその場を辞してまいりました」
エドアルドの答えに、女王は微笑を浮かべた。
己の殻に籠ったバイツァー伯爵の前を離れ、エドアルドが向かったのは女王の執務室である。朝から政務に追われていた女王ルクレツィア一世は、宰相の来訪を聞くと、仕事を一時中断し、
「葡萄酒を用意してください」
近侍に席を外させ、エドアルドと二人きりになった途端、セシルのことを尋ねてきたのだ。エドアルドが簡潔に応え、王宮に上がる早々バイツァー伯爵の追撃を受けたと漏らすと、ルクレツィアは興味深々と言った様子で身を乗り出して来た。
このひともまた、少女のままだ――エドアルドはそれが嬉しくもあり、切なくもあり。複雑な表情を隠すように軽く唇を噛み、目を細める。
「セシルは、わたくしに似ているのでしょう?」
小首を傾げるルクレツィア。エドアルドは、頷いた。
「瞳の色を覗けば、それはもう、瓜二つです。いえ、蝋燭のもとでしたら、まさに生き写しと申しましょうか」
「まあ」
軽く見開かれる、古代紫の瞳。
揺らめく蝋燭の下、驚きの表情を浮かべるセシルの顔が、女王の面影に重なる。セシルはあれで、男子なのだ。その父と同じく、性別が曖昧だが。セシルの父・エルナも”美しい女性”だった。エドアルドは、長いことエルナを女性と信じて疑わなかったのだ。彼女が実は男性だと告げられたとき、驚きはしても「ああ、そうなのか」とすぐに得心できたのは、アロイスのことがあったからかもしれない。
「お会いになられますか?」
セシルも、父方の縁者に会ってみたいだろう。
それに。
「わたくしが貴方の屋敷を訪ねれば、公式にしろ非公式にしろ、他人の口に上ることになりますね」
「左様でございます」
「――策士に、なったものですね」
ルクレツィアの苦笑に、エドアルドは息をつめた。
「陛下」
「悪い意味ではありませんよ、もちろん」
くすりと笑う、その笑顔の美しさに心が安らぐ。このひとは、厭味を言うような人ではない――僅かなりとも己の心を曇らせたことを、エドアルドは恥じた。
「それで、セシルは……その、どちらに似ているのかしら、性格は」
そこが、ルクレツィアの気になる処なのだろう。とはいえ、エドアルドもまだ、セシルのことを把握しているとは言い難い。どちらかといえば、と付け加え、
「母君の、アデル殿に似ておられると思いますが」
八割がたそうであろうとの予想のもと、答えを述べる。ルクレツィアは、幾分ほっとした模様だった。この繊細すぎる女王は、不躾で強引な従兄が苦手だったらしい。「そう」と頷くと、
「アデルにも久しく会っていませんね」
寂しげに目を伏せる。揺れる睫毛の下、古代紫の瞳に寂しさが広がった。
エドアルドは、女王のこの表情に弱い。胸を突かれ、思わず抱きしめたい衝動に駆られる。このひとは自分が守る、そんな気持ちが強く湧きあがるのも、彼女のこの表情を見るときだった。畏れ多くもルクレツィアは主君、女王に対してそのような気持ちを持つなど、不敬も良いところだと自身を窘めるものの、この感情との付き合い方がまだ判ってはいなかった。
アロイスに対する気持ちとも違う。
アロイスに対する、恋い焦がれるような、焦りにも似たちりちりと心が焼けていくような感覚とはまるで違う。ルクレツィアに対しては、もっと異なる――保護欲のような、包み込みたくなるような、一種独特の感情が芽生えるのだ。そしてその感情が、ルクレツィアの傍らに常にあったあの男、ジェリオという名の不遜な輩と同じだということに、遅まきながらエドアルドは気づいていた。
自分もあのジェリオも、ルクレツィアという人に惹かれたのだ。ルクレツィアがたとえ王族ではなく、一介の街娘に過ぎなかったとしても、同じように心動かされたことだろう。
「アデルにもセシルにも、辛い役目を背負わせてしまいましたね」
女王の呟きに、我に返る。エドアルドは、やんわりとそれを否定した。
「それは、皆、同じです」
このルクレツィアとて、大切な子供たちを手放す運命にあった。手放された――自身の命を守るためとはいえ、ディークハルトはどれほど寂しい思いをしていることであろうか。あのような無表情であるから、感情がないと他者からは思われるだろうが、彼とて人間、喜怒哀楽も備えている。ただ、表に出さない、出すのが下手なだけなのだ。
それらを考えると、人の感情というものは、複雑怪奇であると思ってしまう。
同じ”愛する”感情であったとしても、その根幹、行いはまるで違う。ひとの感情とは、不思議なものだ。
「アデル殿は、ディークハルト一世陛下と共に、また身を隠されるそうです」
「そうですか」
答えるルクレツィアの横顔からは、その真意は読みとれない。睫毛が影を落とす横顔が憂いを帯びているのを見ると、胸が締め付けられるような気がして、エドアルドはかける言葉を探し、止めた。
◆
故郷に帰るのだ――近隣の住民には、そのように説明をして、アデルは住み慣れた家を後にした。家財道具はそのまま残し、世話になった人々で自由にしてよいと言い、持ち出したものと言えば、
「これだけは、手放さないのだな」
ディルクすら呆れる、エルナの肖像画だった。額より外し、丁寧に丸め、それを更に油紙と布とで包んで、アデルはしっかりと胸に抱えた。解体した額縁はこれまた纏めて袋に入れる。荷物はこれらと、それから食料のみだった。陛下に荷物を持たせるわけにはいかない、と、アデルはそれら全てを自身が運ぶことにして。乗合馬車を利用して、南へと進路を取った。
「故郷へ帰る、か」
揺れる馬車の傍らで、ディルクが渇いた笑みを浮かべる。
帰郷など、当然偽りである。故郷へなど戻る気は毛頭ない。戻った処で、アデルの家族は、隠者となった国王を持て余すだけだ。
「心のふるさとに、帰るのですよ」
いらえに、ディルクの目が眇められる。
アデルにもディルクにも、全くゆかりのない土地。けれども、強い絆で結ばれた人々が居る土地。そこへ、これから向かうのだ。アデルは更に強くエルナの肖像画を抱き締める。
車窓越しに見上げる、雪もよいの空。この空は、遠くかの地まで繋がっているのだ。この空を見つめながら進んでいけば、また、会える。あの懐かしい人々に。
「心のふるさと、か」
ディルクの呟きが、白い息と共に吐き出される。
彼の横顔を見ながら、アデルは小さく頷いた。
「妹君が、待っていらっしゃいますよ」
アデルの言葉は、轍の音にかき消される。けれども、ディルクはそれを聞き取ったのか。彼の乾いた笑みは、更に濃くなっていった。
呼ばれて、エドアルドは足を止めた。声の主は誰だか判っている。判りすぎるほどに。
来たか、と気づかれぬよう溜息をつき、平素の穏やかな顔つきで彼は振り返った。そこに居たのは、バイツァー伯爵。王配ウィルフリートの側近である。彼は再びにこやかにエドアルドに呼び掛け、世間話を少ししたのち、
「ところで」
何気ない様子で切り出して来た。
その態度が、あまりにも判り易くて可笑しくて、エドアルドは苦笑を堪えるのに必死だった。これで相手に悟られていないつもりか――もしくは、わざとこういう態度を取っているのか。どちらにしろ、随分と見くびられたものだと思う。若輩者だからと軽んじられるのは結構だが、あまりにもあからさまなこの接近は、少々不愉快である。
王宮に足を向けたときから、予想はしていたが、ここまで簡単に食いついてくるとは、相手も余程焦っているらしい。それほどまでに、”女王の落胤”の存在が疎ましいのか。それとも、今一人の国王たるディークハルト、彼を失脚させ、”落胤”を傀儡として玉座に据えるつもりか。どちらにしろ、良いことはあるまい。
「貴殿の屋敷に、高貴な姫君がいらっしゃるとか。そのような噂を耳にしたのだが」
言葉を選んでいるつもりか、やけにまわりくどい。
エドアルドは、バイツァー伯爵の目を正面から見据え、
「ええ、さすがは閣下。お耳が早いことです」
出来るだけ穏やかに応じた。
高貴なる姫君、それが実は姫君ではなく歴とした男子で、しかも真実のミアルシァ国王となるはずであった人物の落とし胤だと言えば、この男は更に驚くことだろう。だが、今はそれを伏せておかねばならない。エドアルドの屋敷に居るのは、女王によく似た姫君。そうしておかなければならない。
アデルがディークハルトを安全な場所に移すまで、は。
「さる高貴な方の、ご落胤とのことですので、拙宅でお預かりするのは無礼かと存じましたが適任がおらず……僭越ながら、後見を申し出た次第です」
「ほう?」
エドアルドの説明を目を眇めつつ聞いていたバイツァー伯爵は、左手でゆっくりと己の顎を撫でる。この言葉を額面通りに受け取って良いものか、思案している様子だ。彼も彼の主君たるウィルフリートも、エドアルドが別邸もしくは気心の知れた使用人に”姫君”を預けていたのだと考えていることだろう。それを、ここで急に人の噂に上ることを承知で、自邸に引き取ったということはどういうことなのか。思案に暮れるバイツァー伯爵の、その視線の動きが面白い。彼は老獪と言われるが、表情を隠すのは下手だ。世間知らずの御曹司、と揶揄される自分にこうも簡単に見破られるとは。
「それで、どうしたのです?」
「いえ、そのままです。では、とその場を辞してまいりました」
エドアルドの答えに、女王は微笑を浮かべた。
己の殻に籠ったバイツァー伯爵の前を離れ、エドアルドが向かったのは女王の執務室である。朝から政務に追われていた女王ルクレツィア一世は、宰相の来訪を聞くと、仕事を一時中断し、
「葡萄酒を用意してください」
近侍に席を外させ、エドアルドと二人きりになった途端、セシルのことを尋ねてきたのだ。エドアルドが簡潔に応え、王宮に上がる早々バイツァー伯爵の追撃を受けたと漏らすと、ルクレツィアは興味深々と言った様子で身を乗り出して来た。
このひともまた、少女のままだ――エドアルドはそれが嬉しくもあり、切なくもあり。複雑な表情を隠すように軽く唇を噛み、目を細める。
「セシルは、わたくしに似ているのでしょう?」
小首を傾げるルクレツィア。エドアルドは、頷いた。
「瞳の色を覗けば、それはもう、瓜二つです。いえ、蝋燭のもとでしたら、まさに生き写しと申しましょうか」
「まあ」
軽く見開かれる、古代紫の瞳。
揺らめく蝋燭の下、驚きの表情を浮かべるセシルの顔が、女王の面影に重なる。セシルはあれで、男子なのだ。その父と同じく、性別が曖昧だが。セシルの父・エルナも”美しい女性”だった。エドアルドは、長いことエルナを女性と信じて疑わなかったのだ。彼女が実は男性だと告げられたとき、驚きはしても「ああ、そうなのか」とすぐに得心できたのは、アロイスのことがあったからかもしれない。
「お会いになられますか?」
セシルも、父方の縁者に会ってみたいだろう。
それに。
「わたくしが貴方の屋敷を訪ねれば、公式にしろ非公式にしろ、他人の口に上ることになりますね」
「左様でございます」
「――策士に、なったものですね」
ルクレツィアの苦笑に、エドアルドは息をつめた。
「陛下」
「悪い意味ではありませんよ、もちろん」
くすりと笑う、その笑顔の美しさに心が安らぐ。このひとは、厭味を言うような人ではない――僅かなりとも己の心を曇らせたことを、エドアルドは恥じた。
「それで、セシルは……その、どちらに似ているのかしら、性格は」
そこが、ルクレツィアの気になる処なのだろう。とはいえ、エドアルドもまだ、セシルのことを把握しているとは言い難い。どちらかといえば、と付け加え、
「母君の、アデル殿に似ておられると思いますが」
八割がたそうであろうとの予想のもと、答えを述べる。ルクレツィアは、幾分ほっとした模様だった。この繊細すぎる女王は、不躾で強引な従兄が苦手だったらしい。「そう」と頷くと、
「アデルにも久しく会っていませんね」
寂しげに目を伏せる。揺れる睫毛の下、古代紫の瞳に寂しさが広がった。
エドアルドは、女王のこの表情に弱い。胸を突かれ、思わず抱きしめたい衝動に駆られる。このひとは自分が守る、そんな気持ちが強く湧きあがるのも、彼女のこの表情を見るときだった。畏れ多くもルクレツィアは主君、女王に対してそのような気持ちを持つなど、不敬も良いところだと自身を窘めるものの、この感情との付き合い方がまだ判ってはいなかった。
アロイスに対する気持ちとも違う。
アロイスに対する、恋い焦がれるような、焦りにも似たちりちりと心が焼けていくような感覚とはまるで違う。ルクレツィアに対しては、もっと異なる――保護欲のような、包み込みたくなるような、一種独特の感情が芽生えるのだ。そしてその感情が、ルクレツィアの傍らに常にあったあの男、ジェリオという名の不遜な輩と同じだということに、遅まきながらエドアルドは気づいていた。
自分もあのジェリオも、ルクレツィアという人に惹かれたのだ。ルクレツィアがたとえ王族ではなく、一介の街娘に過ぎなかったとしても、同じように心動かされたことだろう。
「アデルにもセシルにも、辛い役目を背負わせてしまいましたね」
女王の呟きに、我に返る。エドアルドは、やんわりとそれを否定した。
「それは、皆、同じです」
このルクレツィアとて、大切な子供たちを手放す運命にあった。手放された――自身の命を守るためとはいえ、ディークハルトはどれほど寂しい思いをしていることであろうか。あのような無表情であるから、感情がないと他者からは思われるだろうが、彼とて人間、喜怒哀楽も備えている。ただ、表に出さない、出すのが下手なだけなのだ。
それらを考えると、人の感情というものは、複雑怪奇であると思ってしまう。
同じ”愛する”感情であったとしても、その根幹、行いはまるで違う。ひとの感情とは、不思議なものだ。
「アデル殿は、ディークハルト一世陛下と共に、また身を隠されるそうです」
「そうですか」
答えるルクレツィアの横顔からは、その真意は読みとれない。睫毛が影を落とす横顔が憂いを帯びているのを見ると、胸が締め付けられるような気がして、エドアルドはかける言葉を探し、止めた。
◆
故郷に帰るのだ――近隣の住民には、そのように説明をして、アデルは住み慣れた家を後にした。家財道具はそのまま残し、世話になった人々で自由にしてよいと言い、持ち出したものと言えば、
「これだけは、手放さないのだな」
ディルクすら呆れる、エルナの肖像画だった。額より外し、丁寧に丸め、それを更に油紙と布とで包んで、アデルはしっかりと胸に抱えた。解体した額縁はこれまた纏めて袋に入れる。荷物はこれらと、それから食料のみだった。陛下に荷物を持たせるわけにはいかない、と、アデルはそれら全てを自身が運ぶことにして。乗合馬車を利用して、南へと進路を取った。
「故郷へ帰る、か」
揺れる馬車の傍らで、ディルクが渇いた笑みを浮かべる。
帰郷など、当然偽りである。故郷へなど戻る気は毛頭ない。戻った処で、アデルの家族は、隠者となった国王を持て余すだけだ。
「心のふるさとに、帰るのですよ」
いらえに、ディルクの目が眇められる。
アデルにもディルクにも、全くゆかりのない土地。けれども、強い絆で結ばれた人々が居る土地。そこへ、これから向かうのだ。アデルは更に強くエルナの肖像画を抱き締める。
車窓越しに見上げる、雪もよいの空。この空は、遠くかの地まで繋がっているのだ。この空を見つめながら進んでいけば、また、会える。あの懐かしい人々に。
「心のふるさと、か」
ディルクの呟きが、白い息と共に吐き出される。
彼の横顔を見ながら、アデルは小さく頷いた。
「妹君が、待っていらっしゃいますよ」
アデルの言葉は、轍の音にかき消される。けれども、ディルクはそれを聞き取ったのか。彼の乾いた笑みは、更に濃くなっていった。
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