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4章 チート×幼女

25、startup

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「【天候操作(オペレーション)】 起動(すたーとあっぷ)!!」

 私の声に合わせ、目の前にある某敷地面積の単位になりつつあるドーム1個分位の広さがある畑の中心に、無機質な光を帯びている手のひらサイズの球体が出現する。 

 異世界<エルタニア>で手に入れた、「天気」を自由自在に操る事が出来る超やばやば能力【天候操作】。イメージ的には新◯誠監督のアニメ映画、「天◯の子」のヒロインちゃんが使っていたアレ(見たこと無いので詳しくはよく分からないけど)である

 こっちの世界――更新(アップデート)によって異世界みたいになった日本――に帰って来た時 否、私達の拠点でとある記憶――<エルタニア>を襲撃してきた【勇者】の仲間によって書き換えられた私の記憶――を取り戻した際に【天候操作(オペレーション)】として覚醒したのだが……操れるようになっていたのは天気だけではなく「周囲環境」という謎の物も操れるようになってしまっていた。

 という訳で色々と実験をしてみることにした。 私の後ろでは家族? の幼女三名が、最上級の防御結界の中から見守ってくれている。 彼女達の身の安全のためである。
 
「―管理者命令(ますたーこまんど)―幻想の畑ふぁんたじあ・ふぃーるどを 生成(じぇねれーと)っっ!!」

 まず試すのは……『普通の畑みたいな土地を、魔法やら精霊術やらに適応させるように強化できるか』である。

――ぶおんっ と球体が発光したかと思うと……目の前の広大な土地が、まるで自分の意思を持ち始めたかのように動き始めた。

 地震みたいにごごごごっと小刻みに揺れるわけではなく、本当に生きているかのようにぐわんぐわんとうねりを伴いながらうごめいているのだ。

「い……一体何が起こってるのじゃ? これほどの地形操作なんて魔王の我でも見たことが無いのじゃが……」

 後ろから、金髪ネコ耳ツインテールのロリ魔王・ニーナの驚きを含んだのじゃロリ声が聞こえる。 あれ? また私何かやっちゃいました?

 不規則だったうねりは……一分程で収まると、あとは何もなかったように普通の土地に戻っていた。

「なんか畑の強化終わったみたいだから……みんな何かやりたいことある?」
 
 すると、今度は黒髪ぱっつん犬耳のスク水ロリきょぬーたんである私の擬人化したペット・イヴちゃんが「はーい!」と元気よく挙手しながら

「契約者(テスタメント)さん! イヴが試しに<精霊魔術(エレメンティア・マギーカ)>で『ネザライトにんじん』を生成したいのぉぉぉぉぉ」

「何その物騒な単語は……?」
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