【悲報】異世界から日本に帰ってきたら幼女魔王が付いて来たんだが!?〜農家なのでスローライフをご所望します〜

かまぼこ

文字の大きさ
上 下
4 / 39
1章 スローライフ、始めますっ!

3、拠点を決めよう(即決)

しおりを挟む
「拠点かぁ……どんな家がいいの?」


 私は魔王に聞いてみて……若干後悔した。というのも、魔王って城以外の景色を知らない気がするのだ(魔眼的なあれで周辺の知識を知っているのなら話は別になるが)


「お城って言いたいのじゃが……」


 予想通りの答えに私は苦笑いをしてしまう。だが、ロリ魔王の気持ちは痛いほど分かっていた。


「お城だとかなり目立っちゃうでしょ? 私は一応田舎でひっそりとスローライフを送ろうと思ってるんだよね」

「なるほど、田舎で高原のログハウス的なのに住むのか……悪くないのじゃ」

「え……魔王の口から、ログハウスって言葉が出てくるの意外過ぎるんだが……何か変な物でも飲んだの?」

「べ……別に何も変な物は飲んでないのじゃっ!」


 突然のツンデレモードを見せ、顔を紅潮させるロリ魔王に、私は可愛いと思ってしまう。見た目だけなら、確かにロリ……いや、幼い少女の姿をしているからである。


「それにしても、ログハウスでスローライフかぁ……どっか良いところがあるといいけどなぁ……」


 私が呟くと、魔王は手際よく手元のタブレットを操作し、要望通りの物件を探し始める。すると突然、魔王の手が止まったのであった。


「ホッカイドウ? ここに住みたいのじゃ!」


 のどかな高原と広がっている自然、その中に立っている木製のログハウスの画像を見せていた。見た感じは悪くなく、私のイメージしてた田舎のログハウスである。が……1つ気になることがあったのだ。


「この家の周辺って何があるの?」


 私は拠点の周辺情報をロリ魔王に確認する。なぜなら、町や都市が周りにあると、色々めんどくさいことになるためである。


「えっと……<クトゥリア>という名前の小さい村が1つあるのじゃ。」

「<クトゥリア>? 聞いたことない名前……」


 私の記憶している北海道には、そのような名前はなかった。この日本に何が起きているのか、私の疑問は増える一方であった。


「その村には冒険者ギルドが一軒、道具屋が数軒……これらは結構小規模なのじゃ。 後は宿屋や飲食店も数件。 それと民家と思われるのがいくつかあるのじゃ。」

「もうそれ異世界にある普通の村だよね。 なんか名前が変なのも納得できる……」


 本当にここは日本なのかという疑問が、私に襲いかかってくる。転生したことで世界の法則が変わってしまったのか、それとも平行世界に来てしまったかなど、またひとつ私の頭に疑問が増えたのである。


「我にそんなこと言われても困るのじゃ……」


 深いため息をつくロリ魔王は、本当に何も知らなそうであった。


「……この世界はもう、私が知ってるような世界じゃないのよ」


 魔法がなかった時のこの世界の知識が、どこまで使えるのかわからないし……もしかしたら使えないかもしれない。でも、私はスローライフを送りたい。やっと訪れた、ゆっくり出来そうないい機会なだから。


「……スローライフを送るのには悪くない拠点だから、そこに住むってことでいい?」

「分かったのじゃ」


 私がその場所に住みたいと言うと、ロリ魔王は何も言わずぺこりと頷いたのだ。


「それで……どうやってそこまで行くの?」


 問題はそこへの行き方なのだ。公共交通機関は人が多く絶対に使えない(身バレすると面倒くさい)。だが、徒歩という手段は、詳しい場所が分からないが、かなりの時間を要しそうである。すると、ロリ魔王がとんでもない事をさらっと言い放ったのだ。


「家の近くに直接、転移するのじゃ」

「……え?」


しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました

紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。 国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です 更新は1週間に1度くらいのペースになります。 何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。 自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m

チート幼女とSSSランク冒険者

紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】 三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が 過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。 神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。 目を開けると日本人の男女の顔があった。 転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・ 他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・ 転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。 そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語 ※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

転生テイマー、異世界生活を楽しむ

さっちさん
ファンタジー
題名変更しました。 内容がどんどんかけ離れていくので… ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ ありきたりな転生ものの予定です。 主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。 一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。 まっ、なんとかなるっしょ。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

処理中です...