悪役令嬢は見る専です

７ エピローグ

悪役令嬢は見る専です ６７

　最後に、頑張った私にはご褒美がある。
「さてさて、どうだったかな……」
　自分の城に帰ってきた私は、休む前に楽しみで楽しみで仕方なかったものを確認していた。
「よーし。ちゃんと移ってるね」
　それは私が城を開けていた間の録画記録。
「人目もなく、男同士で同じ屋根の下、何も起こらないはずもなく……」
　城に残していたザックさんとルーデンくんの映像を早送りで見ていく。二人とも、仕事をして、時には雑談をし、食事をとって、そして別々の部屋で寝ている。その映像が３日分流れた。
「な、なんで、こんな状況、やれって言ってるようなものじゃない！」
　何も起こっていないことに驚愕しすぎていて、近づいてくる者の気配に気づかなかった。
「お嬢様……」
「おっ。セバス。どうしたのよ」
　やれやれと言った表情でセバスは私を見ていた。
「お嬢様、ざまあないですね」
　そんな事をセバスから言われるとは……。そして、今の私は完全にざまあと言われてもおかしくない状況。
「お嬢様のBL好きは分かりますが、行為自体を求めすぎなんですよ。もっと経緯を重要視するべきです。あの３人だって、最初から３人で行為に至っているよりも、私たちが見てきた経緯、どうして愛が深まったのかを理解してこそ最大限に楽しめるはずなんです。そこを疎かにしてはいけません。いいですか？」
「……分かりました」