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3 親友とその弟
悪役令嬢は見る専です 28
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城の外観はもちろん、城の中も豪勢で品のある装飾がしてある。端が金色で装飾されているレッドカーペットに、馬鹿でかいシャンデリア。私の城とはえらい違いだ。ルーデンくんやセバスがお手入れをしてくれているとは言っても元が質素なのでお手入れだけではどうにもならない。私が何か装飾品を買えばいいのだが、なんせ私は貴族の生まれではなく日本の一般家庭の生まれ。貴族の装飾品、絵画とか壷とか、そう言ったものの良さがよく分からないし、そんなものにお金をかけたくない。貴族からしたら貧乏性のように見えるだろうが、これが一般市民というものだ。つまり、これが格の違いと言う奴なのだろう。そう言われて見ると、アルシュの服装も部屋着だというのに私よりお嬢様っぽいし、ちゃんとイヤリングやネックレス、指輪なんかもしている。私のように機動性を重視してスカートの裾を短くしたりしていない。ちゃんと足下まで隠れて地面につくほどの長さだ。
「ん? どうしたの? そんなに私を見て」
「いいや。なんだか、私が霞んで見えちゃって……」
「ですから、もう少し着飾った方がと申し上げたんですよ……」
「まあ、セバス、分かってないわね。ヤヨイはそんな着飾ったりしなくても可愛いのよ」
「あ、ありがとう……」
圧倒的美人に言われるとお世辞にしか聞こえないのだが、これがお世辞ではないのだからアルシュは恐ろしい。
「いろいろお話したいことは、いっぱいあるんだけれど……まずは……その……弟のことからなんだけど……」
そう言えば、魔石で弟のことで父と母が……と言っていた記憶がある。ただ、アルシュの録画失敗でそれぐらいしか分かっていない。
「あぁ、それなんだけどさ……」
「そこをなんとか……。私としてはヤヨイならすごく嬉しいの。それに、前々からこのことは少し考えてたの。前は無理だったけど、今のヤヨイの地位なら父と母だって納得してくれると思う。だから、ヤヨイ、弟と結婚してくれない?」
「…………へぇ?」
私の人生の中で一番驚いたのはこの世界へと転生してきたことだと思っていたが、まさかそれを上回ってくるとは思わなかった。
「お願いヤヨイ。私、ヤヨイが妹になってくれるなんてこれ以上ないほど幸せだと思ってるの。ヤヨイったら、魔王を倒してお隣の女王になったっきり全然会いに来てくれないし、それならいっそ妹になってもらったら、私も弟もヤヨイも父と母もみんな幸せだと思うの!」
まさか、あの魔石が結婚のお誘いだったなんて思いもしなかった。そんな一大事だからアルシュも録画を失敗してしまったのだろうか。
「ん? どうしたの? そんなに私を見て」
「いいや。なんだか、私が霞んで見えちゃって……」
「ですから、もう少し着飾った方がと申し上げたんですよ……」
「まあ、セバス、分かってないわね。ヤヨイはそんな着飾ったりしなくても可愛いのよ」
「あ、ありがとう……」
圧倒的美人に言われるとお世辞にしか聞こえないのだが、これがお世辞ではないのだからアルシュは恐ろしい。
「いろいろお話したいことは、いっぱいあるんだけれど……まずは……その……弟のことからなんだけど……」
そう言えば、魔石で弟のことで父と母が……と言っていた記憶がある。ただ、アルシュの録画失敗でそれぐらいしか分かっていない。
「あぁ、それなんだけどさ……」
「そこをなんとか……。私としてはヤヨイならすごく嬉しいの。それに、前々からこのことは少し考えてたの。前は無理だったけど、今のヤヨイの地位なら父と母だって納得してくれると思う。だから、ヤヨイ、弟と結婚してくれない?」
「…………へぇ?」
私の人生の中で一番驚いたのはこの世界へと転生してきたことだと思っていたが、まさかそれを上回ってくるとは思わなかった。
「お願いヤヨイ。私、ヤヨイが妹になってくれるなんてこれ以上ないほど幸せだと思ってるの。ヤヨイったら、魔王を倒してお隣の女王になったっきり全然会いに来てくれないし、それならいっそ妹になってもらったら、私も弟もヤヨイも父と母もみんな幸せだと思うの!」
まさか、あの魔石が結婚のお誘いだったなんて思いもしなかった。そんな一大事だからアルシュも録画を失敗してしまったのだろうか。
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